表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子大生、温泉で恋落ちます!?   作者: 恋い茶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/29

第6話「車内恋トーク① 〜好きなタイプってどんな人?〜」

集合場所へ向かう道には、

まだ朝の冷たい香りが残っていた。


駅前に集まった8人は、

顔を合わせた瞬間にほっと笑った。


「おはよ〜〜〜!!」

友奈の声は、朝から全力で明るい。


「寝坊しなかったね……奇跡だ。」

瑞希が静かに笑う。


「みんな浴衣似合いそう……」

陽芽は胸の前で手をぎゅっと握る。


「写真いっぱい撮ろうね〜♡」

美結はすでにテンションが高い。


叶はやさしく全員を見渡した。

たったそれだけで、

みんなの心が少し落ち着く。



---


◆ 車に乗り込む瞬間って、どうしてこんなに楽しいんだろう


2台の車に分かれて、

いよいよ出発。


ドアを閉めた瞬間、

車内には旅の匂いが満ちた。


カバンの香り、柔軟剤、

微かな香水、朝の冷たい空気。


(……なんか、この瞬間が好き)

瑞希は窓の外を見つめながら、

胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じていた。



---


◆道が動き出したら、心も少しずつ動き出す


「じゃあ〜〜まずはっ!」

と友奈が手を叩く。


「恋バナしましょう〜♡」


小春は袋をがさがさ言わせながら笑う。

「急すぎて草。でもいいよ〜〜!」


陽芽が小さく声を上げた。

「えっ、い、いきなり……?」


紗月はぽわんと微笑む。

「恋バナ……好き。」


美結は前のめり。

「このメンバーで恋バナとか絶対盛り上がるじゃん♡」


叶がハンドルを握りながらやわらかく言った。

「じゃあ最初は……“好きなタイプ”から?」


瑞希の眉がピクリと動く。

(王道すぎ……でも、聞きたい。)


車がゆっくりと高速へ入っていく。



---


◆ 好きなタイプ、最初に口を開いたのは


「はいはーい!最初は私っ!」

友奈が元気に手を挙げる。


「私はね〜〜

いっしょにバカ笑いできる人がいい♡

かっこつけない人が好き。」


「わかる〜〜!」

小春が反応する。


「友奈って、しあわせそうに笑う人のそばにいそう。」

美結の分析にみんなが頷く。



---


◆ 紗月の“好き”は、空気ごと優しい


「私は……」

紗月が少しだけ迷ってから口を開いた。


「静かで、やわらかい人。

無理に話さなくても、一緒にいられる人が……好き。」


陽芽がそっと笑う。

「紗月ちゃんっぽい……」


そのやさしい言葉に、

紗月の頬がほんのり色づいた。



---


◆ 陽芽の胸の奥にある、少しだけ切ない好き


「ひ、ひめは……」

陽芽は指先をぎゅっと握る。


「思いやりのある人。

ちゃんと話を聞いてくれるような……

静かでも、そばにいると安心する人……かな。」


“誰か”を思い浮かべているような眼差しに、

車内が小さく揺れる。


瑞希は前を向いたままそっと聞いていた。



---


◆ 美結の好きは、恋そのものに似ている


「私はね〜!」

美結が明るく声を上げる。


「雰囲気イケメン♡

優しいとか気が利くとかはもちろんだけど、

ときめく仕草とか、手の綺麗さとか……

そういう細かいとこで好きになる〜。」


友奈が笑う。

「美結ちゃんは恋愛マスターかよ〜!」


「やめて、照れるから♡」


笑い声が車内に広がる。



---


◆ 小春は意外と“芯のある好き”


「私はね〜〜」

お菓子を抱えながら小春が言う。


「なんでも楽しめる人。

一緒に食べ歩きして、

“これ美味しいね!”って共有できる人が好き。」


「小春ちゃんらしい……♡」

紗月がほんわか笑う。



---


◆ 瑞希の好きは、言葉にすると壊れそう


「……私は、いい。」

瑞希はあっさりと言った。


「言わないの?」

美結が身を乗り出す。


「別に。

……たいしたことじゃないし。」


けれどその“言わなさ”は、

紗月や陽芽にはかすかに分かった。


(大事だから言わないんだ……)


瑞希の沈黙は、

言葉よりずっと甘くて、ずっと繊細だった。



---


◆ 叶の好きは、全員を静かに包む


「私はね……」


叶の声が落ち着きすぎていて、

車内がすっと静まった。


「なんでも話せる人がいいな。

嬉しいことも、悲しいことも、

ちゃんと分け合える人。」


その言葉は、

ゆっくりと心に沁みていく。


友奈が小さく呟く。


「……叶ちゃん、そういう言い方ずるいよ〜。

ドキッとする……」


瑞希の視線が、

そっと叶の横顔に向く。


陽芽は思わず胸に手を当てる。


美結は笑いながらも、

目だけが少し柔らかくなる。


小春は袋を抱きしめながら「うんうん」と頷いた。


そして紗月は――

柔らかく目を細めた。


(……みんな、叶ちゃんに恋しちゃいそう)


誰も言わなかったけれど、

その瞬間、

車内の空気はほんの少し甘くなる。



---


◆ そして、旅はまだ始まったばかり


笑い声と照れ声で満たされた車内。

窓の外には、雪をかぶった山並み。


車が前へ進むたびに、

心もほんのすこし前へ進んだ。


> この旅で“好き”が形を持つことを、

誰もまだ知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ