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女子大生、温泉で恋落ちます!?   作者: 恋い茶


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17/25

第17話 「出迎えと、ほどける緊張。」

ホテルの玄関をくぐった瞬間、

外の冷たい空気とは別の、やわらかな暖かさに包まれた。

「いらっしゃいませ。」

落ち着いた声と、穏やかな笑顔。

それだけで、張りつめていたものが少しほどける。

「……あ、なんか安心する。」

友奈が小さく言った。

「わかる。」

美結も頷く。

「一気に現実に戻った感じ。」

ロビーは広すぎず、でも窮屈でもない。

木の色が多くて、照明もやわらかい。

「本日はお疲れさまでした。」

スタッフの丁寧な案内に、

叶は軽く頭を下げた。

「チェックイン、お願いします。」

手続きの間、

みんなはソファに腰を下ろす。

「……足、じわじわくる。」

小春が靴を脱いで言う。

「今きたね、疲れ。」

瑞希が苦笑する。

陽芽は、ロビーをきょろきょろと見回していた。

静かで、落ち着いていて、

でもどこか人の気配があって。

(……ここ、好きかも)

そう思った自分に、少し驚く。

彩羽は、案内板を眺めながら言った。

「ラウンジ、あとで行けるみたい。」

「え、なにそれ。」

友奈がすぐ反応する。

「飲み物、いろいろあるらしいよ。」

「……最高じゃん。」

美結が即断した。

その様子に、

スタッフの人が少し笑った気がした。

「お部屋のご用意ができました。」

その一言で、

みんなの背筋が少し伸びる。

「浴衣も、お部屋でお選びいただけます。」

「サイズが合わなければ、いつでもお声がけください。」

その丁寧さが、

さらに気持ちを落ち着かせた。

エレベーターに乗り込むと、

一気に私語が増える。

「やっと座れるね。」

友奈が言う。

「いや、まだ部屋行くだけだから。」

小春が突っ込む。

「でも、もうゴール見えた感ある。」

美結が笑った。

叶は、少し後ろでその様子を見ていた。

みんな、疲れている。

でも、顔はどこか柔らかい。

(……よかった)

この旅を決めたとき、

正直、不安もあった。

全員が楽しめるか。

無理をさせていないか。

でも今は、

その不安が、静かに消えていく。

廊下を歩く足音が、

ふかふかと吸い込まれる。

部屋の前で立ち止まり、

鍵が開く音がした。

「どうぞ。」

扉の向こうには、

畳の匂いと、やわらかな照明。

「……いい。」

紗月が思わず声を漏らす。

「落ち着く……。」

陽芽も小さく呟いた。

荷物を置くと、

全員が一度、深く息を吐いた。

「……生き返った。」

友奈がその場に座り込む。

「まず何する?」

小春が聞く。

少しの間、沈黙。

そして、

自然と視線が集まる。

「……お風呂。」

全員、ほぼ同時だった。

その瞬間、

部屋の空気が一気に明るくなる。

「よし。」

叶が笑う。

「浴衣、選ぼ。」

疲れと一緒に、

緊張もほどけていく。

ここからは、

自分たちの時間。

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