第1話 (ある意味)運命の出会い
第1話 (ある意味)運命の出会い
ゴミ箱以外何もないどこかも知らない薄暗い路地裏で俺は今、晴天の空の下で女の子にカツアゲされています・・・
なにを言っているかわからないだって?俺もわからん!
ただ、いえることは一つだけ
ーーどこで選択を間違えたのだろう、ということだけだ。
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「はぁ…」
俺はどうにもならない現状に対してため息を付きながらも今現在までの出来事を振り返る。
退屈な授業も終わり、家への帰路の途中に道の横にあるあの微妙な段差でつまづき転んだ。
そして転んだ拍子にちょうど電柱に頭をぶつけたらしく気を失ってしまった。そこで多分なんかあったのだろう。
目を覚ますと、周りの風景が自分の知る風景と異なっていることに気付いて頭を悩ませた。が、結局自分の悪い頭で答えが出るわけもないと思い、適当に最近ハマっていた小説になぞって異世界に来たのだと言うことにした。
「頭痛ぇ」
人間一回そうだと思うと期待するもので、痛む頭をさすりながらもイベント発生しないかなと、視線を彷徨わせながら歩いていると、コワモテのお兄さんたちに路地裏に強引に連れて行かれている女の子を見つけた。周りに人気もなく、さもイベントが発生したと言わんばかりの雰囲気になる。
ここまではまだ普通だった気がする。
俺は助けた女の子とのラブコメ展開が待っているのでは!?という紳士な心構えとはかけ離れた少しゲスな考えを胸に路地裏に飛び込み、女の子を男たちから守ろうと間に割って入ろうと飛び出すと……
顔をボコボコにはらせた男達が倒れていた
バカの俺の頭のキャパシティはここでもうなくなっていたと言っても過言ではない。
しかし、ここからが問題なのだ。
いきなり現れた俺に女の子が驚き、力を少し抜いたかと思うと、気絶した振りをしていた男たちがその隙を見計らってスタコラと逃げて言ってしまったのだ。
すると怒りの方向をこちらに移した女の子は俺の手を掴み、体を半回転させながら俺を壁に押し付けてきた。
頭が追いついていない俺はいきなりのこと過ぎて抵抗もできなかった。
しかし、俺も流石にその頃にはやばいと感じて逃げようとはした。
だが少女は俺の何枚も上手だったようで、俺を逃がすまいと俺の股の間に鋭い蹴りを放ってきた。
壁にヒビが入るぐらいの威力のをだ。
玉がちょっとヒュンッとなった。
そして力一杯に少女が言いはなった言葉は
「僕の獲物になにしてくれてんだお前!」
だった
まさかの僕っ子でした。
一番最初に頭に浮かんだのがこれだ。我ながらいい神経していると思う。
だが言い訳はさせて欲しい。
ボブカットの女の子の一人称が僕なのはとても合ってるんですよ。(語彙貧弱)
そして、俺の趣味のドストライクなんですよ!と。
まあそんな感じで少しテンションが変な方に行ってると、無視されていると思ったのかったのか、少女は右ストレートで壁にまたもやヒビを入れた。
こんな威力の右スト(右ストレートの略)をまともに食らったら堪らないとどこかにあった冷静な思考は直感し、美少女さん(仮名)を怒らせないようにと慎重に交渉をするのであった
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彼女の話は回りくどく、容量を得なかったが以下のような事だった。
まず、俺が逃がすきっかけを与えてしまった奴らは金が無い彼女の金づる的な存在として扱われようとなっていたらしく、彼女が言うには誘ってボコして脅すと金が手に入るという。
俺は少女を救うのではなく、男たちの方を救っていたらしい。なんともアホらしい…
そしてもう一つ、どっかのバカが一人で盛り上がって男たちとの間に入って取り逃がしたので食べ物が手にないらしい。
そしてここから導けた答えは一つ・・・俺は定番イベの対処法を間違えたことによって、
男たちを結果的に助けた挙げ句、美少女さん(仮名)を敵に回したのだ!
そう考えるとさっきまでの行動を思い返すと馬鹿らしいし何よりも恥ずかしい…
誰だよラブコメ展開とか言ったやつ…
だが、分かるはずがないだろう。男に囲まれた女の子が逆に相手を財布代わりに使おうとしているだなんて!
俺がそんなことを考えていれば、彼女は腹が限界だったのか涙目で腹の虫を泣かせながら座り込んでしまった。
こうして俺は生涯一回あるかないかの大切なフラグをボッキボキにへしり折ったのだった。
...さて、質問です。こっから俺にフラグの立て直しをすることはできるでしょうか?
これは、こんな馬鹿な出会いをした行き場のない俺と彼女の日々のやり取りを描いた物語である。