残念な男
その頃のレナスは
「…姫が第5魔力炉は森の手前だって言ってたけど…コレは……」
どどん!!
目の前に広がるのは住宅街まで侵食している森
一度上空から魔力炉を探してはみたが、それらしき物は木の葉で隠れて見つける事が出来なかった
「…はぁ…仕方ない…。足で探すか…」
すぐに召喚陣を展開
「我が呼びかけに応えよ…ウィスプ!!」
召喚陣の中から次々と30体程のウィスプが飛び出した
「すまないな。魔力炉…という物を一緒に探して欲しい。石碑の様な物だ。俺の横に並んで、このまま前に進む。黒い板のような物を見つけたら教えて欲しい。」
理解したウィスプ達は、レナスの左右に並び一緒に進み始めた
20分程歩いた頃、1体のウィスプがレナスの元にやって来た
「…木が黒い板を抱いている…だと??」
そのウィスプについて行くと
少し開けた場所の中央、1本だけ他の木より一回り高く、枝が広く広がっている木があった
形だけなら傘のようだ
その根元へとウィスプに案内される
「…確かに木が抱いているな…」
まるで魔力炉を護る為に生えて来たかのように、その木はシッカリと固定していた
「すまなかったな、お前達。俺の魔力を持って行ってくれ。」
ウィスプ達に魔力を与え、小さく「ありがとう」と呟いたレナス
「…さて、始めるか…」
首を左右に曲げてゴキゴキと音を鳴らす
そして魔力炉へ手を伸ばすと
「待って!!ソレに触らないで!!!」
いきなり声を掛けられてビクゥッΣ(゜ω゜ノ)ノっとなる
声のした方向を見ると、12、3歳くらいの女の子が立っていた
尖った耳…エルフ……??
…いや、この感じは精霊だな…ドライアドか??
「驚かせてすまない。俺はレナスという。君はドライアド…でイイのかな??」
精一杯、紳士に振る舞う
すると女の子は
「うん…ソレに触らないで!!壊さないで!!」
女の子は真剣な目でシッカリとレナスを見つめている
「大丈夫だ。俺はコレを壊す気は無い。もしコレが止まってしまっているなら、もう一度動かそうと思って来ただけだよ。」
女の子
「…本当に…??」
「ああ。君はコレを護っているのかい??」
コクン。と頷いた
「コレが何か知ってるの??」
首を振る女の子、そして
「知らないけど、アタシをそこに植えてくれた女の子がソレを護ってねって言ったから…」
…魔力炉の後ろに木を植えた…??
「その女の子の名前は分かるかい??」
またも首を振る
「…でも、姫って呼ばれてた…」
やっぱり…ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑
「あのね、俺はその女の子に言われてココに来たんだ。少し、その女の子の匂いがするかも知れないから、近くに来てくれるかな?」
レナスはゆっくりと腰の剣を地面に置き、両手を上げる
女の子は警戒しながら近付いて来たが、レナスの匂いを嗅いだ途端に
「あの子の匂いだ!!」
すぐに笑顔になった
「信じてくれた??」
「うん!!」
女の子の頭を撫でながら
「少し、コレが動くかどうか見てもイイかな??(* ॑꒳ ॑* )」
「うん!!!」
ドライアドの許可を貰い、魔力炉を確認する
「…コレは…」
しばらく魔力炉の確認をしていたレナスに女の子が近寄って来た
「動くの??」
かなり顔が近いが、動揺しないレナス
「コレは、ずっと動いてたみたいだ。大丈夫、このままにしておくよ。」
女の子の頭を撫でてから立ち上がる
「さて、今から姫にこの事を話して来なくちゃならない。だけど今度、必ず姫と一緒に遊びに来るからな。約束する。」
「本当!?やったーー!!!٩(´,,>∀<,,)۶」
無邪気にはしゃぐ女の子
「じゃあ、俺は行くぞ?元気でな。」
背中から翼を生やし、空へ舞い上がる
「待ってるからね〜!!( *´꒳`*)ノシ」
レナスが見えなくなるまで手を振っていた
…魔力炉が動いているのは事実だ。
ただ、中枢のクリスタルが砕けていた。
ほんの小さなクリスタルで魔力を創っているだけで、街にまでは供給されていない
あのドライアドの木に供給しているのだろう
…そして、あの木から森へと。
それなら10数年で苗木があそこまで大きくなり、森の範囲が拡がった事も納得出来る
…あのクリスタルの寿命は…恐らく殆ど無い
魔力炉が止まれば、森の侵食も止まる
「…その後、森の管理を頼むぞ…ドライアド」
ドライアドが何とか見える所で呟いた
「さて、早く病院に行かなきゃ怒られちまうな…」
少しスピードを上げたレナスだった
〜その頃、病院では〜
シューー…
検査ポッドが1つ開いた
むくりと起き上がり、両手を上に伸ばし
「ん〜…!!!よく寝たのです〜(*´ω`*)ニャハ」
最初に目を覚したのはプリムだ
13歳とは思えない胸が強調される
「みんなは…まだ寝てるのですね。お寝坊さんです(๑•᎑•๑)」
そう言いながら、1人1人の寝顔を覗き込む
「…えへへ。みんなスヤスヤなのです♪」
そして…
「…みんなといれるの、嬉しいのです♪」
その時、病院内の非常ベルと思われる音が鳴り響いた
「な、なんなのですか!?」
慌てて更衣室に戻り、服を着て装備を整えている時に放送が入る
「院内に魔物が侵入しました。出来るだけ安全な場所に移動してください。」
魔物!?…皆はまだ治療中なのです…
4人が眠っている部屋のカギを掛け、更衣室から出るプリム
「…大丈夫なのですよ♪プリムがやっつけるのです!!」
だが、血を吸っていない為に探知魔法を使う事が出来ない
「シッカリ聴くのです…プリム…」
ドールと魔物の足音は違う
腰の小太刀2本を抜き、構えながら進む
……右の通路にいるのです…
壁に背中をつけ、そっと覗き込む
アレは…グレーターデーモン!?
そこには何かを探すように歩き回るグレーターデーモンがいた
口の端からヨダレを垂らしながら何かを言っている
「…ニンゲン…オンナ……ハンショク……」
グレーターデーモンの股間には怒張した物が見えた
…人間…女…繁殖…!?
「アイツまさか…私達に子供を産ませる気です!?」
そこら辺にいる魔物ならともかく、グレーターデーモン相手では魔力が使えない状態では勝ち目は無い
…だが
「女ならココにいるです!!」
そう叫び、グレーターデーモンに向かって走る
「…オンナァァァ!!!」
振り下ろされるグレーターデーモンの鋭い爪
小太刀2本で右に逸したが、爪が引っ掛かり服が破けた
プリムは全く気にせずヤツの横を走り抜ける
「誰がアンタなんかの子供を産むもんかです!!べーーアッカン(σ`д゜)ベ~」
「オノレ……」
プリムはまっすぐに走る
目の前に正面玄関があるからだ
ズン…!ズン…!!
少しずつ近付いて来る足音
「はぁ…!はぁ…!!もう少し…もう少しなのです…!!」
「…オソイゾ…コムスメ…?」
後ろを振り返ると、舌を出しヨダレを撒き散らしながら走るグレーターデーモンの爪が振り下ろされる瞬間だった
「ぐっっっ…!!!!」
ガシャーン!!!
背中に傷は負ったものの、何とかガラスを突き破り外に出たプリム
しかし、背中から溢れる血はなかなか止まらない
「ガハハハ…ソノキズ…チメイショウニナルゾ…?」
確かにかなり痛い…
……傷が…治らない……??
「コムスメ…ヴァンパイアダナ??キズガナオルノハ…魔力ガアルトキダケダ…!!」
…そん…な…
でも…でも…でも…………!!!
「みんなを護るんだーーーー!!!」
小太刀2本を構え、今出せる全力で踏み込んだプリム
…コレさえ当たれば…!!!
焦る気持ちがプリムの足を滑らせた
体制を崩し前のめりになる体
「コヲウメヌオンナナドイラヌ!」
振り下ろされるグレーターデーモンの右腕
…ごめんね。プリム…みんなの事……大好きだよ……
轟音と共に舞い上がる砂埃
周辺には飛び散った血液
その血液はどんどん広がって行く
「…テメェ、うちの妹の妹に何してやがる…」
黒い翼を羽ばたかせて、周囲の砂埃を飛ばす
そこにはプリムを左手で抱え、右手の大剣でグレーターデーモンの右手を切り飛ばしたレナスの姿があった
「ガアアアアアアアアアアアアア!!!!」
吹き出したグレーターデーモンの血液は辺りに拡がって行く
「レ…ナス…なの…です…??」
すでに意識が朦朧としているプリム
「ああ。遅くなってすまない。鎧を着てるから指からですまないが、早く血を吸え。」
そういうとプリムの口の中にいきなり指を突っ込む
「ふほ!?」
「シッカリくわえろ!!」
言われるがままに噛み付き、血を吸う
ドクンと心臓がなるのが分かった
「いいぞ、プリム。暴走はするなよ?」
すぐに背中の傷は回復したが、まだ立ち上がれない
「どーだぁ??魔王レナスの味は?」
「…アイリスの方が美味しいのです…(*・ε・*)ムー」
むくれているプリムに
「だろうなꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑そこで休んでろ!」
グレーターデーモンに対して剣を向ける
「お前、どっから来た?誰に召喚された??」
「グルルルルルルルルル…!!!」
質問に答えず、敵意だけ向けて来ている
「…はぁ。そうか。ならお前いらねぇ。」
召喚陣展開
「悪魔食鬼」
召喚されたのは小指程の大きさの鬼。
その数、数万
「一欠片も残すんじゃねーぞ。喰い終わるまで結界は解かねえからな!!!」
グレーターデーモンと数万のデーモンイーターを外に出られないように結界を張った
「大丈夫か?プリム…??皆の所まで案内頼むぞ?」
「は、はいなの…あ…」
立ち上がろうとしたが、上手く立てない
「しょーがねーな…」
そう言ってプリムをお姫様抱っこする
「あ、ありがと…なのです…」
やはり血が足りていない為に、まだボーッとしているようだ
「えと…コッチ…で…そっち…そこの部屋なのです…」
部屋の中からは
「プリムはどこ!?さっきの音は何!?」
「早く探しに!!」
慌てている4人の声が聞こえる
そのまま何も言わずに扉を開け、身体にキズは無いが服はボロボロ、スカートもビリビリ、果てには片乳出ているプリムを先に入れ、後ろからついて行くレナス
アイリス、エレナ、シフォン、姫
「プリム!!良かった!!心配したんだよ!?どうしたの!?コレ!?何があったの!?」
プリム
「え、ええっと…」
プリムのすぐ後ろにレナスがいる事に気付いたアイリスが凄く優しい声でプリムに聞く
「…ねぇプリム?レナスに何された??⸜(* ॑꒳ˆ * )⋆*❤︎」
プリムは素直に
「えっと、いきなり指突っ込まれて、いいから咥えろ!って言われて、どーだ、魔王レナスの味は?って言われたのです…」
レナス
「違う!!!大事な所を抜かさないで!?…Σ(`艸´;)ハッ!!」
その時に気付いた
プリム以外の女性陣もまだ着替え途中で、ほぼ半裸だという事に
そして、先程のプリムの発言によりすでに全員が攻撃魔法または魔銃、肉弾戦の準備が出来ている事に…
「…処刑!!!!」
病院の中に響いた男性の叫び声
後々、この話が伝説となる。
女神4人の裸を見たのにまだ死なない男として




