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片翼天使の笑いかた  作者: 山下ケイト
1章 マジュウ
6/93

また遊んでね

ガタゴト…


ガタゴト……



「まさかプリムも転生者とはねぇ…」



馬車でタバルへ向かいながら、色んな話をしています




「…ちょっと待って…転生者って…こんなにいるもんなのかな…??」



「確かに…いるって話は聞いた事ありますけど、今まで会った事ないのです…」



真剣な顔になる二人



さらに険しい顔をしているエレナ




「ねぇ、二人って今いくつ…???」



「プリムは13なのです♪」


「15だよ?(。´・ω・)?」



「アタシは17。で、前の世界の何年の何月に死んだか分かる?」



アイリス&プリム

「2020年の2月」



!?!?!?!?


顔を見合わせる二人



「ちょっと待って!!アタシも2020年…2月…」



どういう事だ!?

死んだ年と月が同じ…



「あのさ…死んだ原因って…飛行機の…」



エレナ&プリム

「事故…」




「…もしかして…ハワイからの帰りにエンジンが燃えて…海に…墜ちたのです……?」



アイリス&エレナ

「…そう…」



同じ飛行機に乗ってた…??


「オネーチャンとプリムはその時の年齢…分かる??」



プリム

「23…」


エレナ

「27…」


アイリス

「25…」



年齢差まで一致!?!?


暫く、馬の蹄の音と馬車の車輪の音だけが響いていた




重い空気の中、エレナが口を開く



「まさかとは思うけど…アニメフェス行ってた…??」




同時に頷くアイリスとプリム



エレナ

「メッチャ楽しかったよね!!アタシロボットアニメ大好きでさぁ!!等身大ガン○ムにエ○ァでしょ!!マク○スのヴァルキリーに乗って写真撮ったりしてさ!!」



プリム

「プリムは魔法少女推しです!!まど○☆マギカとか、魔法少女サ○トとか、魔法少女育成○画とか重めのヤツが大好きで〜♪」



エレナ&プリム

「アイリスは!?(✪▽✪)」


アイリス

「…PSYCHO○PASSにどハマりしちゃって…♡*.(///∇///) .*♡」



エレナ&プリム

「その魔銃はドミネ○ターかーーーー!!!!www」



アイリス

「…真似してタバコ吸い始めた…1ミリの…」




エレナ&プリム

「狡噛シ○ヤーーーーーーー!!www」



アイリス

「違う!ア○ネ!!!!」



エレナ&プリム

「マネした奴のマネしてたーーーーー!!!www」



この後、メッチャ盛り上がったwww




色んなキャラのモノマネしたり、好きなシーンの再現したり、流石にプリムが全力でリ○ロのスバル君の真似して


「お前らの事……絶対幸せにし」


と、叫ぼうとした瞬間にお姉ちゃんと二人で押さえ込みましたがねwww



そんなオタ女子会をしていたら、目的地のタバルが見えて来た



プリムにとっては、奴隷から解放されてからの初めての町になる




「ね、このスパイスを納品したら何処か宿を探そう♪で、町の中で食べ歩きとかしようよ♪」




「イイのです!?(✪▽✪)」


ずっと奴隷生活してたんじゃ、食べ歩きなんてした事無いもんね♪


「何気にお金にヨユーはあるのだよ♪( *¯ ꒳¯*)エッヘン!」


と、プリムに薄い胸を張っていると



「フッフッフッ…」


不敵な笑みを浮かべるエレナ



「なんと!!ここにはワタシの家があるのだ!!( • ̀ω•́ )✧」



家!?なんで!?Σ(´⊙ω⊙`)



「リスの姿で遊びに行ってた家なんだけど、お嬢さんと使用人だけで住んでてさ。旅に出る前にエルフの姿で挨拶しに行ったら、いつでも帰って来てね♪って言ってくれて…」


(*´σー`)エヘヘという感じでエレナが言った


「…なら、急ごう♪すぐ納品しちゃうから♪」



「プリムも手伝うのですよ♪」


そして街中を進み色んなお店が並ぶ一角へと辿り着いた


「洋服屋さん、道具屋さん、ご飯屋さんもいっぱいあるのですぅ~♪(✪▽✪)*✲゜*。 ♪」


ぐぅ~………


ある一軒の定食屋さんの前を通り掛かった時、三人のお腹が鳴った


「このご飯屋さん、凄くいい匂いがするのですぉ~……( *¯ ꒳¯*)くんくん」


漂って来るのは元いた世界で馴染みに馴染んだ和食の香り………


「うう………懐かしい香りが…………!!」


「オネーチャン、プリム。今は我慢我慢♪お仕事終わらせてからね(꒪ˊ꒳ˋ꒪)♡ニパー」


「「はぁーい( 。•́ - •̀。)シュン」」


その定食屋さんから少し離れたが


後ろの方から「おあがりよ!!!!」という威勢のいい声と



「勝者!雪平ソーマ!!」という判定を下す声と



「お粗末!!!!」


という声が聞こえたが、何かの料理大会でもやっていたのかな?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



納品先のお店に着くと



「いつも悪いね〜♪おや?仲間が増えたのかい??」



「はい!この子はプリム。で、コッチはエレナです!エレナはあのお屋敷のお嬢さんとお友達らしくて会いに来たんですよ♪」




「…!?なら、早く行ってあげな!!荷物も後でイイから!!」



とても焦っているお店の人


エレナの顔は青ざめていた



…急ごう


すぐに馬車を走らせ、お屋敷の前に着くと飛び降りて走り出すエレナ



「はぁ!!はぁ!!マリン!!!」



すぐに玄関に辿りついたエレナ


玄関を叩く


「あの!!エレナです!!マリンに…マリンに会いに来ました!!!」




バタバタと騒がしい屋敷の中



やっとエレナに追い付いたアイリスとプリム



立派な扉が開くと、そこには初老の男性とメイドが二人



初老の男性

「コレはエレナ…どうぞコチラへ…お友達もご一緒に…」




アイリス&プリム

「…お邪魔…します…」



案内されるのは応接室…では…無い…



エレナの表情が強ばって行くのがわかる


初老の男性がドアをノックする


「お嬢様。エレナとエレナのお友達が来てくれましたよ…」



扉が開くのを待てずに飛び出すエレナ




「マリン!!!…マリン…???」




そこにはキレイにお化粧をして、とてもキレイな洋服を着て…


両手を胸の上で祈るようにして、ベッドに寝ている女の子がいた





「マリン…?マリン…??」



そっと頬に触れる


「なんで…?なんで冷たいの…?ね、マリン…」



エレナの頬を伝う涙



「3日ほど前に、発作を起こされまして…そのまま…」




「そんな…」


初老の男性は、スーツの内ポケットから何か手紙を取り出した



「コチラを、エレナに渡すように仰せつかっております…」




「アタシ…に…???」




しっかりと封をされた手紙を丁寧に開けるエレナ



その手紙には、必死に書いたであろう、やっと読めるかどうかの震えた文字で



「エレナ、友達になってくれてありがとう

また、遊ぼうね」



と、だけ書かれていた



手紙に広がる涙のシミ


初老の男性

「お嬢様は、発作が始まる少し前にその手紙を…」




エレナは声を堪えながらしゃがみ込む



初老の男性

「…それと、言伝として…この屋敷の全ての権限をエレナに譲渡する。と」





「!?!?なんで!?なんで!?」



初老の男性

「われわれは使用人。ご主人様の命令は絶対でございます。それに、わたくしはもう老人。他の仕事を探すのも億劫でして…」




「…全く…マリンらしいわね…」



何かを決めたエレナはこう言った



「今日から私がこの家の主人です!!前当主のマリンとは要求が違います!!」





「ちょ!!お姉ちゃん!!!」





「マリンを手厚く葬る事!!この屋敷をしっかりと護る事!!!給与は今まで通り!!!それと…」





少し恥ずかしそうに


「…たまに、ただいま。って…帰って来ても…良いですか…??」


「…もちろん…もちろんですとも…」


初老の男性と使用人達は涙を流しながらそう言った



マリンの葬儀は明日、行われるとの事。



今日はお屋敷に泊めて貰えるようだが、さすがにバタバタしているので、納品してくるという理由で外に出た。



「ぐす…ぐす…」



「プリム泣かないの♪ボク達は納品して、ゆっくり町を周って暗くなる頃に帰ろう♪」




「え…???なんで…なのです…???」




「親友と一緒に寝てるんだから、いっぱい遊んで貰いたいでしょ?」




ベッドで眠るマリンの顔のすぐ横に、コロンと転がり笑顔と涙を浮かべるリスが眠っていた


マリンの顔も…少し笑っているようだった

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