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片翼天使の笑いかた  作者: 山下ケイト
2章 ルイステリア
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プリムの過去

「で、プリム。何か目的があるんでしょ??(๑•᎑•๑)」


お酒を一口飲み、グラスを置いて話を始める



「うん、ボクはプリムの記憶の封印をもう一度しようと思う。少し、弱くなってるみたいだから。」



記憶の封印…


「レナスがされてたヤツ??」


「そう。アレの強力なヤツ♪自分にかけると効果が強くなるんだよ。…奴隷になる前のプリムの記憶…ホントは消してあげたいんだけどね…」



奴隷になる前…


「プリムは奴隷になった経緯を分からないって言ってたけど…アナタは知ってるの??」



「…知ってるよ…聞いても楽しく無いと思うよ…?」



教えてくれるかな??




ため息をつくプリム


「じゃ、その前に言っておくね。2年前、ボクがプリムの両親を殺した」



!?!?!?!?


「プリムを助ける為だから。プリムはその事は知らないよ。ボクが表に出てる時、プリムは眠ってるから…」



「ちょ!!殺したって…どうしてそれがプリムの為になるの!?」

姫が立ち上がり食って掛かる



「ちょっと姫!!落ち着いて!!」


牽制するエレナ



「…なんでプリムがママのお手伝いって言葉で反応したか分かる??」


…ママのお手伝い…普通は何かを運ぶとか…だけど…



「プリムにとってのママのお手伝いは薬を買って来ること。…裏路地で怪しい男が売ってる薬をね…」



「!!それって…」



「母親はクスリに溺れ、父親は暴力。そんな中で生きてるプリムはいつしかこう考えるようになった」



これは現実じゃない


誰かの人生を勝手に見てるだけだ



…って



「そして、ボクが生まれた。プリムの痛みはボクが全部引き受けた。ご飯が貰えない時は、外を少し歩くと色んな人達が食べさせてくれた。みんな、プリムがどんな目にあってるか知ってたから。毎日アザだらけ、目に生気は無かったと思う。」



すでに誰もお酒や料理に手をつけず、真剣に話を聞いている



「毎日何とか生きてた。でも、考えたんだ。このままじゃいつかプリムが死んじゃう。助けなきゃ…って」



プリムが…そんな状態だったなんて…



「ボクは、酒を飲んで酔った状態で外の階段を降りる父親を蹴り飛ばして下に落とした。それで死んでくれれば良かったのに、まだ動いてたから…持って来た包丁で何回も刺した。何回も何回も。やっと動かなくなった。そのまま、クスリをヤッてソファーで気持ち良くなってる母親の首に、コードを巻きつけて引っ張りながら背もたれの後ろでぶら下がってやった。抵抗してたけど、最後、ゴキッていったから間違いなく殺した」



……ゴクッ


誰かがツバを飲んだ



「でね、自首する為に自警団の所に行ったんだ。最初は何があったんだ!?誰にやられた!?って騒いでて、ボクが両親を殺しましたって言っても信じて貰えなくて…」



2年前…11歳の女の子がそんな事を言っても誰も信じないだろう…


「ってちょっと待って!!自首したならプリムの体には焼印が押されるはず!!プリムの体には焼印なんてなかった!!」


シフォンが叫んだ


「…なかなか信じて貰えなくて、仕方ないから一緒について来て貰ったの。そしたらね…血の跡とか、包丁とか、コードはあるのに…死体が無かった。」


…どういう事…??



「自警団の人達は、確かに何かあったみたいだけど、死体が無いんじゃ何も出来ない。そう言って帰ったよ。どうしたらイイか分からなくて、少し外でボーッとしてたの。そしたら、よくご飯を食べさせてくれた近所の人が来て…」



大丈夫。死体は今、旦那達が山に捨てに行ってる。

もう大丈夫だよ…


「そう言って…抱き締めてくれた。すっごく泣いたのを覚えてる…」



…死体を山に…それも関係ない人達が…?



「あのね、両親はやっぱり周りに迷惑掛けてた。みんな早く死ねって思ってたんだって。そんな時にボクが2人を殺してくれた。せめてボクだけは助けたいって思ったんだって…」



一口お酒を飲むプリム



「街の人達はボクがこのまま街に居てもイイって言ってくれた。でも、プリムが起きた時にどうしたらイイか分からなくなっちゃうから…奴隷として売って貰ったんだ…。その時、記憶を封印する魔法を教えて貰った。奴隷としてでも、前の生活よりはきっと良くなる。そう信じて。ボクはプリムに魔法を掛けて、奴隷になるまでの全ての記憶を封印した」



「…2年も奴隷として…?」



プリムは首を横に振った



「奴隷商人のおじさんは、とても優しかった。プリムを気に入ってくれたみたいで、奴隷の子達の面倒を見てたの。服とか食事はみんなと同じだったけどねw…そして、あの日。馬車は魔物に襲われた…」



「助けを呼びたいのに街は凄く遠い。もう駄目かも知れない。とにかく走って誰かに伝えなきゃ!そう思って走ったの。…そして、夜が明けて助けを探した時にアイリスとエレナに会った。コレが…プリムのお話だよ」




静まり返る室内




「アイリス、プリムの記憶を封印する為に魔力を溜めてる所なんだけど、少し血を貰ってもイイかな??そうすればすぐにでも魔法がつか」



「だめ!!吸わせない!!」

凄い剣幕で怒るアイリス



「そんなに怒らないでよ??プリムの為には仕方なかったんだ…。お願い、魔法が発動すればすぐにいつものプリムに戻るから…ね??」


プリムが少し寂しそうに微笑んだ



「ダメって言ってるでしょ!?すぐにいつものプリムに戻るって事は、君はどうなるの!?また眠るの!?それとも消えちゃうの!?どっちにしてもダメ!!!…キミは…辛い事しか経験してないじゃない!!!!!」



その場にいる全員がハッとした



プリムが辛い現実から逃げる為にプリムの替わりに暴力を受け、両親を殺した。


…この子は心の底から笑った事が…無いのかも知れない



全員がそんな事を思った



「よし!!じゃあ美味しいお酒飲まなきゃな!!(* ॑꒳ ॑* )」


レナスが立ち上がり、プリムのグラスに高そうなお酒を注いだ


「リリス、エビチリの追加頼めるか?♪」



すでに扉の近くにいたリリスが

「すぐに持って来ますよ♪」


姫は、部屋の隅にあるボタンをいじっている



「え〜っと…たしかコレが…」



カチッという音がすると、天井から大きなスクリーンが降りてきた



すると姫が

「アイリス!エレナ!!シフォン!!どれがオススメ!?!?」



姫が開いた棚には、アニメがズラーーーッと並んでいる



「ねえ、姫!!なんでこんなにあたし達が知ってるアニメが揃ってんの!?Σ(´⊙ω⊙`)ルイステリアってなんなの!?www」


アイリスが当然の疑問を言う



「ん?だってこれ、アニオタっていう錬金術師が欲しい人に配ったヤツなのよ??なんか、布教じゃーーー!!!って配ってたから貰ったの♪」




あははははははは!!!ꉂꉂ(๑˃▽˂๑)笑笑



「ひー…ひー…お腹痛い…wwwまさにオタクの鏡だわwww♪」


「ガチの異世界でまで布教ってwww」



アイリス

「で、お姉ちゃん、シフォン。どれ行く!?( • ̀ω•́ )✧」




3人でくっつきながら選ぶ




姫はポカーンとしているプリムの横に立つと


「…みんな、少しでも君が楽しい思い出を作れるように必死なんだよ♪ほんとに優しい子達なんだから…」




「ですねぇ…でも、気持ちは伝わって来ます。…プリムが羨ましい」



「ところで、君の名前、お姉さん知りたいな?」



「…クリス」



姫が叫ぶ


「クリスの唇いっちばーん!!♪」


その声に反応した三姉妹が振り向くと



クリスの両頬を優しく包みながらキスをする姫の姿があった



「姫ズルい!!アタシも!!!」

音速で走るアイリス


「待てい!!次はお姉ちゃんでしょ!!!」

アイリスのキスを阻むエレナ


「ぐぎぎぎぎぎ…(╬⊙д⊙)」


掴みあってる2人の横を歩いてシフォンが通過し


「楽しい夜にしようね?♡ちゅ」




エレナ&アイリス

「あーーーーーーーーーー!!!!!Σ٩(๑⊙Δ⊙๑)۶」



リリスが追加の料理を持って戻ってくる


「あらあら、楽しそうですね♪じゃ、私はレナス様に…」


レナスの顔に近づくリリス


「ちょ…ダメだって…(///∇///) ♡」

満更でも無いようだ



しかしレナスは忘れていた


新妻がすぐ後ろにいる事を



声にならない声を上げながらボコボコになるレナス



「ハァハァ…で、何見るか決まった!?(╬⊙д⊙)」



顔を見合わせる3人


…せーの!



「この素晴らしい世界○祝福を!」



…何なら明日は休みにしちゃってもイイ



クリスと楽しい事いっぱいしよ♪

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