アイリスの能力
もしかしたら…
馬車にエレナがいるかも知れないと思ったアイリス
だが、馬車にもエレナの姿は無かった…
慌てて飛び出したので、馬車の中はカードや二人の荷物が散らかっている
「エレナお姉ちゃん…プリム…」
二人の荷物を抱き抱え…涙を流すアイリス
「ごめんね…ごめんね…ボクが…力隠してたから…」
アイリスの能力
ソレは、誰かの血を吸う事でリミッターが外れる「ヴァンパイアクイーン」
普段、魔力制御が苦手なのは、リミッターが掛かっているから上手く使えない
言い換えれば、リミッターを外せばほとんどの魔法や召喚なども容易に出来る
でも、アイリスはその力を使う事を拒んだ
だから、最低限の魔力を弾にする魔銃を作って貰ったのだ
誰も殺さないように…
「ごめんね…ごめんね…」
ガサガサ…
「外から音…」
魔銃を構え、体勢を整える…
ゆっくり外に向かおうとすると…
ピョン!
「あわわわわ!!ヾ(・ω・`;)ノ≡ヽ(;´・ω・)ノ゛」
馬車の中に入って来たのは…リス…
「…なんだ…リスかぁ…ビックリした〜…(*´ω`*)ホッ」
リス
「アタシを置いていくつもり??アイリス??」
…リスが喋ったーーーーーー!!Σ(´⊙ω⊙`)
リス
「アタシよ、エレナだよ♪」
なんかリスがエレナお姉ちゃんとか言ってるーーーーーーーーー!!!この変態!!!
「誰が変態だ!!(╬⊙д⊙)」
落ちてけ〜…落ちてけ〜…
|(*゜o゜*)| スー→ \(*゜0゜*)/ ハァ→ _(*゜ー゜*)_ シンコキュウ
「それ、落ち着け〜…の間違いだよね??www」
しっかりと深呼吸をするアイリス
少し落ち着いたところでリスのほっぺをつつきながら聞いてみる
「ホントにエレナお姉ちゃん…?」
リスエレナ
「ホントだよ♪プリム…可哀想な事しちゃった…魔力が底をついてね。いつもの姿を保てなかったの…」
「じゃ、いつもの姿は変態魔法で??」
リスエレナ
「変態魔法っていうな!!変身魔法!!…転生する時にね、もう人間はイヤだな…って思って。でも、リスの姿だけだと色々不便だろうから、魔法が使えるならイイな…って、お願いしたの。」
「転生の時にお願い…?(。´・ω・)?」
リスエレナ
「アイリスもしたんでしょ??この動物がイイとか、特殊な能力の事とか。」
転生の時の事を思い出しながら
「…してない…覚えてるのは…」
お前はこの力で殺しつくせ
「…その声だけ…」
リスエレナ
「…何それ…」
それから、エレナに自分の力「ヴァンパイアクイーン」について話をした
誰かの血を吸うとリミッターが外れる事
リミッターが外れると目の色が変わる事
斬れた翼から漏れる魔力が形を作り、漆黒の翼が生える事
…自分が望めば、血を吸った相手を自分の眷族に出来る事
そんな事はしたくないから、ずっと使わずに生きてきた事を…
リスエレナ
「待って…血を吸った相手を眷族に出来るって…ヴァンパイアに出来るって事!?」
「…うん…」
リスエレナ
「…なら、プリム。ヴァンパイアになれるんじゃない!?回復力凄いらしいし、もしかしたら!!」
「!!!!助けられるかな!?」
ほんの少しの希望が見えた
リスエレナ
「試してみよう!!」
ハァハァ…
プリムのお墓に走る1人と肩に乗った1匹
「プリム…あれ?このお花…増えてる…」
リスエレナ
「…アタシも…お花あげたから…」
「そっか…ありがと、エレナお姉ちゃん♪」
リスエレナ
「そんな事よりも、やってみよう?」
お互いに目を合わせて頷く
「そうだね…ぢゃ、お姉ちゃん。ちょっと貰うね♪」
そう言うと、肩に乗っていたエレナを掴むアイリス
リスエレナ
「え!?(゜Д゜≡゜Д゜)何?何!?」
「だって…血を吸わないと…」
リスエレナ
「まぢかぁーーーーー!!」
カプ…
ほんの少しだけエレナの血を吸う
瞳を開けると、右眼は紅、左眼は漆黒
背中には漆黒の翼が生えていた
リスエレナ
「ホントに雰囲気変わるね~…じゃ、よろしく!!」
コクリと頷くアイリス
「我が盟約の理に従い、眷族となりて顕現せよ…プリム!!」
物凄い勢いでアイリスから魔力がプリムのお墓に吸われていく
リスエレナ
「ちょ!!!大丈夫なの!?」
「多分、治癒するのに必要な魔力を持ってかれてるんだと思う…ボクの魔力ならいくら使ってもイイ…帰って来て!!プリム!!!」
魔力の吸収が止まる
お墓には何の変化もない
崩れ落ちるアイリス
「…ダメ…だったの…??」
リスエレナ
「…ごめんね…変な期待させちゃって…」
…んーーー!!んーーーー!!!!!
お墓がモゾモゾしている
アイリス&エレナ
「プリム!?!?」
急いでお墓を掘り起こす二人
ぷはぁ!!なんでプリム埋まってんですか!?!?
殺すつもりですか!?!?
…って、あれ??
巨人にぶん殴られて…
あれ?体が痛くない…
アイリス&エレナ
「…プリムーーーーー!!!(*ノД`*)・゜・。」
物凄い勢いでプリムに抱きつき、ワシャワシャワシャワシャ、ペロペロペロペロしまくる二人
「ちょ!何なんなのですか!?説明して欲しいのですよぉ~( ˊ꒳ˋ ;)しかもなんかリスにも舐められてますーーーーΣ(´⊙ω⊙`)」
馬車に戻る間にプリムは一度死んだ事。
アイリスのヴァンパイアクイーンの力でアイリスの眷族として帰って来た事。
エレナは魔力が切れて元のリスの姿になっている事。
「…ぢゃ、プリムはヴァンパイアになったんですか??(。´・ω・)?」
「そういう事。ごめんね…。勝手な事して…」
「って事は…ニンニクが入っているものは食べられないのですね…」
「はい??(。´・ω・)?」
「あと、教会の前では目を開けると大変な事に…」
「ならないよ♪ニンニクも食べて大丈夫♪ヴァンパイアって言っても、再生力が凄いくらいで普通の人間と変わらないよ♪…リミッター外さなければ…」
リスエレナ
「プリムにもリミッターついてんの!?リミッターがついてるのはヴァンパイアクイーンのアイリスだけなんじゃないの!?(º ロ º )」
「リミッターはヴァンパイアの標準装備みたいなの…(*ノω・*)テヘ」
リスエレナ
「車か!!!!」
「※効果には個人差がございます」
リスエレナ
「医薬品か!!!」
「プリム、ボクの血、吸ってみて。」
そう言うと髪を片方に寄せ、首に噛みつき易くしたアイリス
「…ゴクッ…(´,,•﹃ •,,`)」
リスエレナ
「今、ツバ飲んだのは血が欲しかったから??それともアイリスにカプッて出来るから?」
「…カプッ出来るからですぅ〜!!!(✪▽✪)」
「メッチャ目がキラキラしてんな!?!?(¯―¯٥)」
そのまま噛み付くプリム
「…ん!!」
数秒アイリスの血を吸うプリム
リスエレナ
「ちょ…この魔力…」
「う〜ん、凄いですねぇ〜…」
プリムの周りには可視化出来るレベルの強い魔力
背中にはアイリスとは違う、まさにヴァンパイアと思える翼が生えている
「…こんなに力が…溢れてくる…!!」
「試しに、ボクの銃撃ってみる?」
プリムに渡されるアイリスの銃
右手で銃を持ち、斜め下に構えながら魔力を集めていく
「そう。銃に魔力を流し込むイメージだよ♪」
上空向けて右手を掲げ、真っ直ぐ引き金を引く
ドチューーーン!!!
アイリス&エレナ
「…ラストシューティング…」
「誰がRX-78二号機ですか!?(╬⊙д⊙)」
アイリス&エレナ
「なんでガ○ダム知ってんの!?」
「プリムも転生者です!!」
まぢかぁーーーーー!!!!!(º ロ º )
こうして、少しだけ寝てから無事(?)にタバルへ向かう3人なのでした♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「巨人でもダメだったか…」
「…やはり…あの力はヴァンパイアクイーンかと…」