家族って…姉妹ってそうなんだろうな…
「まずはどこから話しましょうか…」
姫が両ひじを付き、口元で指を組み考える
「…システム解放…攻撃開始…」
「どーした姫!?何かどっかの司令みたいになってるよ!?((((;°Д°;))))カタカタ」
∑(´゜ω゜`;)ハッ!!!!
「いや、何故か口が勝手に…:(´ºωº`):」
う、ううん!!
咳払いをする姫
「…改めて、まず、このピースと鍵についてです。このピースは停止している第六魔力炉の再起動に使用します。何故第六魔力炉を停止させたかというと…」
「…中央広場と第六魔力炉の延長線上にシフォンがいるタバルの町があった。でしょ???それと、魔力炉が停止している際は土の障壁が自動で展開される。」
アイリスが答える
「正解です♪ですが、それでは3分の2の正解ですね」
…もう1つあるのか…??
「…もう1つは、新型魔力炉を地上に出す為に不可欠なんです」
…地上に出す…??
と、言うことは新型魔力炉は地面の下に…
「そうです。地下に収納されています。そして、地上に出す為には他の魔力炉の魔力以外では台座は起動しません。その仕掛けも踏まえて、ヤツは設計したのでしょうけど…」
悔しそうに拳を握る姫
エレナが
「ヤツ…というのは犯人ですね…?誰か分かるのですか??」
姫が答える
「…紅玉の魔導師…です」
…マルスじゃないのか…!?
「紅玉の魔導師は、魔力炉の開発を聞きつけてこの国にやって来ました…。国の為に協力したいと言って来たのです。ちょうどその頃、魔力炉の開発は頓挫していました。そして、その魔導師が差し出した紅い石を魔力炉に組み込んだところ……魔力の生産量が数十倍に跳ね上がったのです」
紅い石…間違いなく賢者の石だろう…
という事は、あのメイドさんの日記に書かれていた魔導師はコイツだ…
「開発者達はすぐに飛びつきました。しかし、1基だけでは国全体で使う魔力量に遠く及ばない。そこで、王都全体をカバー出来るように6基を配置する事になったのです」
プリムが口を開く
「…その6基っていうのは、誰が提案したんです??」
「…紅玉の魔導師です…。もっともらしい理由を並べ、配置する場所も指定していました…開発者達も、この配置なら王都全体をカバー出来るだろう…と」
シフォンが
「でも、お姉ちゃんは違和感を感じた…」
「その通り。紅玉の魔導師は自ら測量に参加し、ほんの少しのズレも許さなかった。多少のズレなら供給範囲に問題は無いのに。6基目が完成するまでに、3ヶ月も掛からなかった。コレで十分なはずなのに…何故か紅玉の魔導師は7基目の提案をしてきた」
アイリスが
「…何か見つけたのね??」
「…ええ。ヤツの動きを探らせていたら、ヤツの部屋に開いたままの魔導書が見つかった。そこに書かれていたのは」
…完全消滅
「…そう。魔法陣は六芒星。魔力炉の配置と同じ。そして、ヤツが7基目を設置するのは中央広場…発動場所としては完璧」
「それで先にシフォンを…」
シフォンが唇を噛む
「…あの頃、王都はヤツに心酔していた…ヤツがする事が正義となっていた。そして、私に完全消滅の事がバレたと知ったヤツは……私の体を奪った…」
マオが
「奪った…??それはどういう…??」
「文字通り。私の魂を抜き、自分の魂を私の体に入れた。そして、セレモニーの日に新型魔力炉に最後のピースをはめ…魔法を展開した……」
!!!!!
「じゃ、セレモニーの時に姫の体の中にいたのは…」
「紅玉の魔導師。私は地縛霊となっていたので、この城から出る事は出来なかったから、展開した瞬間は見ていないんだけどね。…私と同じように魂だけになった人が城に来る度に色々教えて貰ったの。でも、広場にいた人は全然来なくてね。集めた情報だと、新型魔力炉と昼間に土の障壁を自動展開出来た第六魔力炉以外の魔力炉は全滅。そして、死ねない体になってしまった人達が大勢いる。…体が変化してしまった人達もいると聞かされたわ…」
…体が…変化…
「まさか!!!あの大きな虫達も!?」
アイリスが立ち上がり、凄い剣幕で問いかける
「…そう…アレは元人間……もう理性は失っているでしょう……だから…せめて、ちゃんと死なせてあげたい…」
姫は涙を流し、俯いている
「…それで、必要なのがこの鍵。新型魔力炉を強制停止させる鍵なの。」
エレナが疑問をぶつける
「何故、新型魔力炉を停止させると皆が救われるの??」
……しばらく間が空いた
「…コレは私の推論ですが…完全消滅は、まだ発動されたままです」
!!!!!
終わって無いの!?
「完全消滅は、大量の魔力を一瞬で消費する魔法。普通の人間が使用すれば、使える時間は1秒にも満たないでしょう。だけど、ヤツは新型魔力炉を媒体として魔法を使った……あの魔法炉は、従来の物より数百倍の魔力を生産出来る。魔力が終わらないのです。だから、ずっと使ったままに出来る…完全消滅は、使っている間は死なない、そんな魔法なのかも知れません。逆に言えば、展開された魔法を止めれば皆に安息が訪れる…と言う事です」
…確かにそうだろう…あんなに死にたがっている人達をそのままにする訳には行かない…
エレナが口を開いた
「…つまり、私達がやるべき事。まずは第六魔力炉の再起動。昼間は土の障壁が展開されるから夜の間に。2つ目は住人がいない昼間に中央広場の新型魔力炉を停めること。この2つでいいんだよね??」
真剣な瞳で姫に訊ねた
「そうです。でも、夜は住人達が…」
ニコッと笑うアイリス
「大丈夫♪任せて!!みんな、屋上に行こう」
「はいよ!!(⁎˃ᴗ˂)」
全員で屋上に上がった
エレナ、シフォン、マオは松明を持っている
アイリスが
「プリム。魔力炉の再起動、よろしくね!!」
「はいなのですぅ〜♪」
アイリスが髪をどけ、プリムに首筋を露わにする
「…えへへ~♡久しぶりのアイリスの血なのです…♪」
舌なめずりをするプリム
「こら、エッチな事は考えないのwww」
「は~い♪」
すぐに噛み付いてアイリスから血を貰う
「久しぶりだから、体が熱いのです…(`☆ω☆´)キュピーン」
翼を生やし、飛ぶ準備をするプリム
「ほら!あたし達も行くよ!!」
エレナの掛け声で走るシフォンとマオ
6号機の方の城壁から下の住人に声を掛ける
「おーい!!コッチだよーーー!!!」
声と松明の灯りにつられてドンドン集まる住人達
少しずつ場所を移し、住人を遠ざける
「…そろそろかな…」
銃を6号機がある北西から離れた南西の上空に構えた
目を閉じ、魔力を銃に集める
目を開くと同時に空に放った
…ドーン
上空には照明弾が撃ち上げられていた
少しずつ南に方向を変えながら照明弾を撃ち続けるアイリス
「プリム!!行って!!」
「はいですぅ~!!」
空に舞い上がり、6号機へ向かう
「…いつの間に打ち合わせしたんですか??アイリス??」
姫がアイリスに聞いた
「打ち合わせ??何の??」
「この動き方ですよ♪」
ん〜???
「いや、何にもしてないよ♪」
「完全にアドリブ!?Σ(´⊙ω⊙`)」
フフッと軽く笑ったアイリス
「みんな、なんとなく分かるんだよね♪誰が何考えてるかꉂꉂ(ˊᗜˋ*)笑」
アハハ♪と姫は笑いながら思った
家族って、そーなんだろうな…
羨ましそうな視線をアイリスに向ける姫だった




