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片翼天使の笑いかた  作者: 山下ケイト
2章 ルイステリア
23/93

ルイステリアの技術力

錬金術師の屋敷を出発した4人


「あの姉弟、ちゃんと会えたかなぁ??」


馬車の荷台からプリムが尋ねる


「きっと会えたよ♪なんたって、あんなに優しい炎で焼いて貰ったお姉ちゃんと、あんなに高い所で送って貰えた弟君だよ??しかも天使なのにヴァンパイアクイーン。こんな奇跡は無いんだから♪」


「そうだったらイイなぁ…♪」



手綱を握りながら空を見上げるアイリス




途中で休憩を挟みながら進む馬車


荷台では、シフォンがあの屋敷で見つけた魔導書を読んでいる



「何か知らない魔法とかあった??」


顔色が悪いシフォン


「コレ…」



そこに書かれていたのは、とてつもない魔力を消費してほぼ国中の生き物を殺す古代魔法


完全消滅サヴィルシェーンストヴァ・ヴィミラニエ


魔法を使用した場所を中心に放射状に伸びる光。光はほぼ全ての魔法障壁を無視し貫通して行く。土系の障壁なら防ぐ事が出来るが、そんなものは山くらいのものだ


効果としては内蔵破壊


まずは脳死状態になる

つまり、呼吸も心拍も停止する


早ければ2分で死亡する



「内蔵破壊…2分で…」



どれくらいの魔力を使うのか分からないけど、絶対に使いたくない魔法だ…


「…あ!!アイリス!!あの森の奥!!灯りが点いてる家がある!!」


ビックリして皆で馬車から顔を出す


「…ホントだ!!誰かいるのかな!?(✪▽✪)」

プリムの目がキラキラ


少し日も傾いて来た…


暗くなる前に着けるといいな…



かなり薄暗くなりはしたが、無事に灯りの点いている家に到着


…なんか、転生前の家みたいだ



コンコン…


「こんばんわ〜!!どなたかいらっしゃいますか!!」


……返事はない


「あの〜!!すいませーん!!」

少し強い風が吹いた


「アイリス!!アレ…!!」


シフォンに呼ばれ、指差した方向を見ると




手を繋いだ状態で並んでいる白骨


真ん中の骨は両隣の骨よりかなり小さい



「…家族…だろうね…」


枯れ葉が乗っててさっきは気付かなかった…




…ね、お姉ちゃん。燃え広がると大変だから、あの人達の周りに障壁張ってくれるかな…??


「…もちろん。」


すぐに3人の遺体の周りに障壁を貼るエレナ



シフォン…ちょっとだけ頂戴…


無言で頷き、アイリスの前で首を晒すシフォン


優しく噛み付き、血を吸った



障壁の中の3人は優しい炎に包まれる


…安らかに…


4人は手を合わせる




火葬が終わり、家に目を向ける



…白骨化していたのに…なんで灯りが…



皆で目を合わせ、念の為武器に手を掛けた状態でドアを開ける



…中はとても静かだ


そして、玄関に置き手紙のようなものがあった


そこには


留守中にあがってしまって申し訳ありません

川の側で狩りをしていたところ、足を滑べらせて怪我をしてしまいコチラのお宅に助けを求めたのですがお留守で、ドアが開いていたので使わせて頂きました

ゴメンなさい


全ての部屋は掃除させて頂きました


冷蔵庫が動いていたので、解体した獲物の半分を入れさせて頂きました


後ほど、ちゃんとお礼に伺います


グレイズ




「…この辺りの猟師さんなのかな??」


「多分…でも、火を付けたままにするなんて危険過ぎるよ…」


「…これ、火の灯りじゃない!!」



言われてみれば、火が揺らぐ事はない


魔力のランプ…??


でも、魔力のランプは術者が近くにいないと使えない…


しかもランプは壁に固定されている




「なんか、電気みたい…」

プリムが呟く


…家の壁に、スイッチがある


試しに切り替えると


かちっという音に合わせて灯りが点いたり消えたりする



「やっぱり…もしかして」


すぐに外から家の裏手に周る



そこには、ラグビーボールくらいのタンクのような物が置かれ、小さなライトが光っていた


「魔力残量…21…??」


アイリスが首を傾げる



「コレって…蓄電池って事だよね??」


「…多分」




とりあえず中に入る4人


「色々調べたいけど…そういえば、冷蔵庫に何か入れてあるって手紙にあったよね??確認しよう」




冷蔵庫って……


厨房には業務用サイズの冷蔵庫、冷凍庫が置かれていた


中を確認すると、恐らくウサギの肉と鳥の肉が入っていた



「冷えて来てるから、暖かいの作るね♪」

エプロンを着けるアイリス

「プリムも手伝うのですぅ〜♪」


そんなワケで、エレナとシフォンは情報探し



見つかっても見つからなくても、必ず食事をしてから話をしようという事になった



まあ、この家はそこまで大きく無いから2時間ほどで探索は終了


リビングに戻ると、丁度アイリスが料理を運んでいるところだった



「おつかれ様♪温かいの出来たよ♪⸜(๑'ᵕ'๑)⸝」


「プリムはお風呂の用意してました♪お湯も自動で出来るみたいなのですぉ〜♪」



…ホントに転生前みたいな家だなぁwww




ウサギのシチューとポテトサラダ、茹で鳥と香草の和え物がテーブルに並んだ



「いっただっきまーす♪」


冷やしたお酒も並んでいる



「全部魔力で動くなんてすごいね!!ルイステリア、色んな技術があるんだね!!(✪▽✪)」


プリムが喜ぶ


「…いや、ここまでの技術がある事は知らなかった…多分、これが閉鎖的な理由だったんだと思うよ…」

エレナがお酒を飲みながら言った



「技術力があり過ぎて、他の国には言えなかった…って事だよね?お姉ちゃん?」


「うん…戦争になりかねない…」


…でも、この技術って…


「作った人、間違いなく転生者だろうねwwwそれも、あたし達と同じ時代からのwww」



「だろうねwww」

シフォンが笑う


食事を終え、エレナとシフォンが見つけた物を見る


「新聞…だよね??」


エレナが頷く


「隣の部屋にあった。コーヒーカップの横に置かれてたから、朝、コーヒーを飲みながら読んでたんだと思う」



読んでいたページにあった記事は



「新型魔力炉、本格起動」


記事の内容は



本日10時、新型魔力炉が起動されます。

これが起動されれば、この国の防御障壁はさらに強化される事になり、防御障壁を起動した状態でも皆様に安定した魔力の供給を行う事が可能となります。

1ヶ月前に突如停止してしまった魔力炉6号機は使用出来ませんが、残りの5基で起動させるとの事です。

今までの6基もマルス氏の赤い石のお陰で生産は間に合っていましたが、並列して使用する事によりさらに安定した供給が実現する事でしょう。


また、今回の起動はセレモニーとして姫殿下が最後のピースをはめ込むという事です。



中央広場で起動を行い、安定し次第、設置予定場所へ運送されるという事です




「また、マルスの名前…」

アイリスが嫌そうな顔をする



「ね、この写真のコレって…」

何かに気づいたエレナ


新聞の写真を見ると、最後のピースと書かれた写真に少し大きめな黒いサイコロのような物が写っている



!!!!!


シフォンが慌ててカバンの中から取り出す



「…たぶん、同じヤツだよね…?」


…コクン


「よっし、王都に着いたら魔力炉見学だね♪ヤル事は決まった!!」


「うん!!」

皆が返事をする



「…で、とりあえず…(๑¯ิε ¯ิ๑)グヘヘ」


怪しい手付きをするエレナ



次の瞬間、全員の服を一瞬で脱がすエレナ


「ちょ!!おねーちゃん!?!?」


「さ、寒いです〜カタ((((꒪꒫꒪ ))))カタ」


「エレナさん!!返して〜!!๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐」


「お風呂入って来な♪アタシは片付けしとくから♪ここのお風呂だと、アタシが一緒だとつかれなくなっちゃうwww」



「…はぁ〜いwww」


お風呂に向かう3人



…お風呂から出たら、子供部屋であった事を話そう…


そう、心に決めたエレナ


…話して置かないと、もしもの時…

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