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片翼天使の笑いかた  作者: 山下ケイト
2章 ルイステリア
19/93

姉は強い

「ルイステリアまでの道って、川沿いなんだね♪」



エレナと一緒に手綱を握りながらアイリスが聞いた


「……」



……アイツ…


「早めにリセットしてやろうと…」



だと…?


アイリスもプリムもシフォンも、これだけ頑張ってるのに「リセット」だと…???


…お前らにとってはゲームかも知れないが、この子達は…


アタシの妹達は「駒」じゃないんだよ…


…お前らなんかに…



…ぇーちゃん!!おねぇーーちゃん!!!



Σ(`艸´;)ハッ!!


「お姉ちゃんどしたの??元気ないよ??」



アイリスが心配そうに覗き込む


…今だ!!


すかさずアイリスの顔を掴み、唇を奪うエレナ



「ちょ…お姉ちゃん…前

…見なきゃ…」


すぐにトロンとなってしまうアイリス


「にゃはは♪アイリスもまだまだだなぁ〜♪」



「…もう!!おねーちゃんのバカ!!」



川沿いの道を進む馬車



「そーいやシフォン〜。なんで今更ルイステリアに行くの??」


エレナが聞く

当然の疑問だろう。


答えるシフォン

「…マリン様に預けられる時、お父様がコレを…」



シフォンが取り出したのは、鍵の様な物と大きめの黒いサイコロの様な物だった



「…鍵と…なんだろうね…??」


「コレは使い方が分からなくて…」




困った表情をするシフォン



「ま、そのうち分かるんじゃん?♪」



お姉ちゃん軽いなぁwww



「それよりも、この辺りなら水浴び出来そうじゃない???(⁎˃ᴗ˂)」





周りは木に囲まれ、少し深くなっている川



「水浴びって久しぶり♪」


すぐに裸になって飛び込むアイリス



「ついでにお魚とろ〜!!( • ̀ω•́ )✧」


手に魔力を集めた状態で飛び込むプリム


もちろん裸でwww



「シフォンだって!お魚はビリビリに弱いの知ってるんですからねーー!!!( • ̀ω•́ )✧」



…ビリビリ…??



ちょっと待てーーーーーー!!!!!


今ビリビリの魔法使ったら



言い切る前に魔法を撃ち込むシフォン



「ばりわらわらばなかてわなやよわやまへ(やなよまめられにま)らよー」


ぷかぁ



「…死んだな(^_^;)」


そのまま流れて行くアイリスとプリムの死体




「アワワワ((((゜ □ ゜ ) ゜ □ ゜))))アワワワ」


パニクってるシフォンwww



「ほら、シフォン。助けるよ♪」



アイリスとプリムを岸に上げるとすぐにプリムにキスをするエレナ


人工呼吸ではなく、魔力をあげている



シフォンもマネしてアイリスにキスをする


…アイリス…♡



「ぷはぁ……♡メッチャ痺れました…( ^ω^;)」

プリムが目を醒ました



「…??」


アイリスが目を覚まさない…


アイリス…?アイリス…??


…脈が無い



「アイリス!!」


エレナが慌てて人工呼吸を行ない、心臓マッサージも併せて行う


何度も行うが、アイリスは戻って来ない



「アイリス!!アイリス!!!!」


シフォンの涙が止まらない





「アイリス!!アイリスーー!!!」


プリムが叫ぶ



………いい加減にしろよ…



エレナの背中に黒い翼が生える


「…エレナ???コレって…」


プリムとシフォンがどうしていいか分からなくて固まる



「エレナ=クロス。その娘は使えん。神の会合で決まったのだ。諦めろ」




…は??


…言ったよなぁ…




「妹達に手を出すなって言ったよなぁ!!!!!」





エレナから溢れ出すとてつもない魔力



手を伸ばし、何かを掴む


「…言ったろ…?壊すと?」





エレナの手には、神と呼ばれるものが首を掴まれていた




「…やめろ…神を手に掛けるなど…出来るはずがない…!!!」




「なら、何故怯える」



エレナの魔力はさらに増していく



「…そういや、新しい選択肢。あったな…」


「なん…だと…?」




「神を消すっていうのがさ…」




「や、やめ」



言い終わる前に消し飛ばす






アイリスをイヂメるなら…




消し飛ばす…




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