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片翼天使の笑いかた  作者: 山下ケイト
ゼロ章
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プロローグ

…どれくらい歩いただろう

2時間?3時間?


もう時間の感覚なんて無かった。

真っ暗な洞窟の中をライトの灯りだけでただただ歩いていたのだから。



ゴツゴツした地面の歩きやすそうな所を探して歩き続ける…



1つだけ救いになった事と言えば、分岐が無かった事だろう。


戻る気になれば戻れる。


…皆と一緒にイケる…


…でもなぁ…アイツらと一緒っていうのもなぁ…


それに、もうどれが誰だか分からないだろうし…


さっき見た光景。

次々切り刻まれるアイツら。

…せめて最初に首から斬ってやればイイのに…


アイツらが切り刻まれてる間にアタシは逃げた。


…悪いとは思ってないよ

アタシはアイツらとは違う場所に行く


…そういや、かなり歩いたはずなのに疲れてないな


まぁイイか。


遠くに光が見えた。

…出口!!!

はやる気持ちを抑え、足元を確認しながら着実に出口に向かう


出口から顔を出すと


大きな手に体を受け止められた



「元気な女の子ですよ♪」

…巨大な誰かがそう言った。


「良かった…アタシがあなたのママよ…」

思考が止まる



今、ママって言ったか??

アタシは27歳なのに??

何言ってんだ??


聞きたかったが、泣く事しか出来ない


…もしかして、コレが転生ってヤツなのか??

でも、前の記憶は残ってるし…


…ま、いっか。

この現実を受け止めよう


それから15年


2歳下の妹も出来て、パパとママと4人、幸せに暮らしていました。

前世と違うのは、背中に翼が生えている事、魔法が使える事、転生者も結構いる事。


よくあるチート能力を持っている人もいると言う事。


ワタシにはそんなチート能力無いんだけどね


いつも通りの生活をしていたのに、ある日、ソレは突然襲ってきた



鳴り響く爆発音

けたたましく吠えるサイレン

助けてという叫び


何が起きたのか全く分からなかった


パパとママは、家の中でジッとしていろと言って外に…


妹と二人で抱き合いながらジッとしていた。


大きな爆発音と衝撃で窓が壊れ、ガラスが飛んでくる


窓に背中を向け、翼で妹を覆った


…痛い…

背中に、翼に、無数に突き刺さったガラス


泣きじゃくる妹


…大丈夫だよ♪

強がって笑う


バン!!!


大きな音を立ててドアが開いた


翼を広げ、妹が見えないようにした状態で奥に逃げるように言う


妹が隠れたのを確認してドアの方を向いた瞬間



ワタシの胴体は地面に倒れた


イヤ、「落ちた」の方が正しいだろう


ドンドン広がるワタシの血


もう痛みは感じない


多分、感じたらすぐにショック死するだろう


…妹だけは逃がす…!!!


腕だけで這いずり、犯人の足をつかむ


…逃げて!!


叫んだつもりだが、声が出たかは分からなかった



妹は分かったのか、ドアの方に走ってくれた


良かった…きっと…逃げ…



意識が無くなる直前に見たのは…



片方の翼を切り落とされても、走っている強い妹の姿だった…



「…お姉ちゃん…!」




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― 新着の感想 ―
[良い点] うぉぉ!なんて衝撃的な出だし! 良きです!
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