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聖女は幸せになれるのでしょうか  作者: わこ
第1部
3/16

3

結果は惨敗でした。

寝室掃除までは頑張った。頑張ったのだけれどもそこで力尽きました。

またもや熱を出した私は3日ほど寝込むことになったのです。

なんという虚弱体質。喘息まで出てしまい家族を心配させました。


そして本日は大人しくするよう命じられています。

でも諦めていませんよ。

何も3日間寝ていたわけではありませんよ。

家族にお願いすることを覚えました。

家族にお願いし、掃除を代わりにやってもらいました。


次に問題なのはお風呂なのです!

実は私、転生してから6日ほど経ちますがお風呂に入れていません。

一度目の人生、日本人やってた私にとっては耐えられない。

どうもここでは水を各家ごとに引いてる訳ではない、そして二度目の人生のように魔道具がある訳でもない。

水は近くにある井戸から汲み上げなくてはならないようです。

ならば私が!


「お母さん、水汲むからどこに入れたらいいか教えて。お風呂入りたい。」

「リーゼには無理よ。あなた、体弱いじゃない」


おっと、お母さんからダメ出しくらいました。

どうしましょうか。

こんな時はお父さんにお願いしましょう。

実は私のお父さん、クルトは大が付くほどの親バカ。

私が頼めば聞いてくれるでしょう。

いいタイミングで今日は休みなのでお願いしましょうか。


「お父さん、お風呂入りたいからお水汲んできていい?」

「ダメに決まってるだろう。リーゼは体が弱いからちょっと外出ただけでまた体調を崩す。俺はそんなリーゼ見たくないぞ」


あらら。親バカが違う方に発揮しちゃったみたいですね。

どうしましょうか。

悩んでいるとお父さんからいち提案が来ました!


「水を汲みに行くのはダメだが俺が汲んでこよう。」


やりましたね!お父さんは空気が読めるようです。

お父さんに任せておきましょう。


数分後お父さんが桶いっぱいに水を汲んできてくれました。

え?桶?シャワーとかはないの?


「これで体が洗えるだろう。どうだ、お父さん頑張ったぞ。」

「お父さん…。ありがとう…。」


ま、そうだよね。シャワーなんて無理だよね。

諦めるしかありません。これで髪を洗って体を拭きますか。

そういえば、この家にある薬草は髪をサラサラに出来る成分があるものを置いていたな。それを借りますか。前世の知識があって良かった。

そうそう変な薬草はないみたいだし、前世と似たような感じみたいだし同じだろう。


「お母さん、この薬草借りていい?」

「あら、シャトレの薬草なんて何に使うの?それは手荒れに効く以外は何もないわよ。」

「髪を洗うのに使うんだよ。」


私はシャトレ(というのか。名前は違うみたいだね)の薬草を手に入れ、すり鉢に擦り始めた。

しかし一向に擦れない。そんなに硬いものには見えないが。

どうやら私は力すらもないようだ。

仕方ないので暇してるお父さんに頼む。


「お父さん、これをすりおろして欲しいんだけど。お父さんみたいに力強かったら簡単にできるよね?お願い。」


語尾にはハートをつけておく。

そうするとお父さんは快くやってくれた。


すりおろしたものには少し汁が出てきてる。

よしよし。私の知ってる薬草と同じだな。

これに水を入れてと。



「ちょっと待って!リーゼあなた何やってるの?薄めるなんて勿体無いわ!」

「いいの。お母さん。これは手荒れの為のじゃないんだから。こうすると良いの!」


お母さんから静止がかかったがここは譲れない。

パシパシの髪なんて嫌だもの。

このシャトレの薬草をすったものを桶に入れてと。

髪を洗うとあら不思議。

綺麗な艶々の髪になりました!

お母さんの不思議そうな顔。


「あら、リーゼ!艶々じゃない!どうしたの?これのおかげ?私も洗おうかしら」


かしらとか言ってるけど早速洗ってますよ。お母さん。


その日は森から帰ってきたクレアに驚かれ、クレアの髪も艶々になりました。



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