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聖女は幸せになれるのでしょうか  作者: わこ
第1部
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1

-あつい。


誰かの声が聞こえる。着ぐるみの中はそりゃ暑いよね。

水が欲しい。いくら貧乏だからって夏場に着ぐるみのバイトに手を出したのは間違いだった。


-苦しい。


苦しいよね。着ぐるみの中は暑くて動きにくいし苦しい。

って、あれ?私薬師をやってたような。暑さで頭がやられてきたな。

私、どうしたんだっけ?

ポーション作って売って生活していたような。


-あつい。


なんで暑いんだっけ?確か私は・・・・・。



あぁ、聖女という称号があったからポーションの性能が良くて魔女って疑われたんだっけ。

魔女は火あぶりって中世じゃないんだからおかしいよね。

まず聖女なんだし。魔女に認定したやつ許さない。


あれ?声が聞こえなくなった?

まぁ、私の人生もここまでだし大人しく眠りにつきますか。









ここはどこだろう。

暗い。死んだら何もないのか。転生した時はどうだったか。もう記憶にない。

にしても真っ暗で何も見えないな。もしかしてまだ寝てる?

眼を開けてないとか?開けてみる?

でも少ししんどいしもう少し寝ていたいような。


「 -ゼ・・・・。」


なんだろう?誰か呼んでる?


「リー・・・・。」


うるさいな。もう少し寝させてよ。


「リーゼ!!」


リーゼ?誰の事?もう静かにして欲しい。これは一言言わせてもらわないと。

目を覚ましてみるか?誰か探してるみたいだし。

目を覚ますとそこには緑色の髪の女の人がいた。


「リーゼ、起きたのね。一瞬息をしてなかったから焦ったわ。熱はどうかしらね」

目の前の緑色の髪をした女の人はそう言いながら私の方へ手を伸ばす。

私の方?リーゼ?どういうことかしら?


「熱は下がったみたいね。でも安静にしていなさいね。リーゼ、お水でも飲むかしら?」


そう言って私の方へ水の入ったコップを差し出す。

リーゼって私の事?


「ええぇぇぇっぇぇぇええええ!?」


三度目の人生?どういうこと?

目の前の人が何か言っているがそれは今は関係ない。

一度目の人生は確か日本の女子大生だった。家が貧乏ででも大学には行かせてくれて助かったけれど親に迷惑をかけないようにと思って着ぐるみのバイトが時給がいいからやってたんだっけ。

それで夏場だったから熱中症になって死んだまでは覚えている。

二度目の人生は平和とは程遠い世界だった。

日本とは違い魔物が出る世界。冒険者という職業があり皆が冒険者を目指していた。

私には魔物と戦えるわけもなく薬師としてポーションづくりをして生計を立てていた。

聖女の称号があった私の作るポーションは性能が1.5割増し。

そのせいで魔女と勘違いされ火あぶりの刑。

最後の記憶は生きたまま火あぶりにされ魔女に認定したやつを恨むというもの。

聖女とは幸せになれないものだろうかと思ったものだ。

そして今が三度目の人生。

どうやら私はまたもや転生したようだ。

暑いのはもう嫌だ。

今度こそ幸せになってやる。



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