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夜明けを待つ人々と一向に開けない世界

作者: 黎明

これを読んで不快に思う方がいらっしゃるかもしれません。

その方はどこがどう不快に思ったのか感想欄に詳しく書いていただけたらと思います。

人間とは不思議なものだ。

自分以外の事なんて絶対にわからないのに他人に寄り掛からないと生きていけない。

自分の事すらわからないのに他人の事なんてわかるはずがない。

“他人の目線に立て”とはよくいうがそれは必ずしもいい方向へ向かうとは限らない。

“他人の目線に立て”という言葉を多くの人が勘違いしている。

“他人の目線に立て”は“もし自分が〇〇君だったら”とは違うのだ。


聴覚障碍者を例に出そう。

前提として作者は障害者に対して差別的な意図をもって執筆していないことを明記する。

彼らのことを知るためには音が聞こえないとはどういうことなのか知る必要がある。

ただそれは不可能に近い。

そこには“意思“が存在するからだ。

自分の意思で聞こえなくなるのとそれ以外ではかなり違う。


疑似体験で言えば聞こえない状態から聞こえる状態に戻れるという確証がある。自身の意思で聞こえない状態にしているからだ。

先天的な聴覚障碍者で言えば音を知らない為、発声が非常に難しい。少しの間耳が聞こえない体験をしたくらいでは喉の筋肉の力の入れ方や口の形である程度発声できてしまうので音を知らないことを理解はできない。


つまり聞こえない状態を体験することが大切なのではなく聞こえないという状況から考えられる様々な可能性を知らければならないのだ。

ネットにはこんな記事があった。


「見た目では健常者の方とかわらない為、不要なトラブルに巻き込まれる」

「電車が止まってしまったとき状況が分からず怖い」

「口頭でしか説明がなく何が何だかわからない」


ほんの一部だが抜粋してみた。

音の持つ情報を得ることができないとき、その情報を他の器官で獲得しなければならない。

他の器官で獲得できる情報ならそれで対応できるが、不可能なことのほうが圧倒的に多い。

それを知っている人は世間に少ない為こんな言葉が蔓延してしまっている。


「あれは出来るのに何でこれは出来ないの?」


この言葉に大抵の場合、理由を尋ねる意図は存在しない。

ただの糾弾でしかない。

健常者ができるのにやらないのとは違い出来ない明確な理由があるのに、それを糾弾するのは理不尽というのではないだろうか。



作者の周りに障害者がいるわけではないので日常的に障碍者の方々と関わって過ごしている人達の心労は理解することはできないだろう。

あくまで老人ホームや障害者施設などを見た感想でしかないがそれでも感じられることはあったため言葉として残しておく。


健常者からすれば耳の聞こえない人とコミュニケーションをとるのは非常に神経を使う行為だ。

声以外のコミュニケーションの手段としてぱっと頭に思い浮かぶのは手話、筆談、身振り手振り、表情、読話、指文字このあたりだろうか。

どれであっても声でコミュニケーションよりも手間を必要とすることは想像に容易い。

手話は手だけで出来る為、どこでもだれとでも使えるツールではありますが覚えるのには時間も手間もかかる。

正直な話、他人のために何か月もの時間を費やして手話を覚えるというのは面倒だと感じるだろう。


もし私の親友が突然、耳が聞こえなくなったとする。

その時は即座に手話を覚えようとするだろう。

理由は簡単。

耳が聞こえなくなった程度の事で私たちの大切な時間や関係を壊したくないからだ。


人間なんてそんなもので結局一番自分がかわいいのだ。

あくまでも自分のために手話を覚える。

それだけなのだ。



まとめに入るとする。


“他人の目線に立つ”というのは自分がかわいいということを人の思考の中に入れるということだ。


これは自分よりもかわいい存在がいるものは除くがそれ以外の人間には当てはまることだと思う。

他人は他人であって自分ではない。

その事実は変わらない。

そして他人を理解することも不可能だ。

ならどうするか。



他人の目線に立ってすべての可能性を知る努力をしろ。


読んでいただきありがとうございます。

一つでも感じたことがあればうれしいです。

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