話し合い
公爵家なのに名前が短いのは覚えるのも打つのも面倒だからです☆日本人は苗字と名前だけだし自分本位ですいません_:(´ཀ`」 ∠):。。使用人は名前だけで描いて区別は一応してます!
ーー「ここが僕の部屋」
出会ってすぐに案内されたのは、なんだかよくわからない植物がいっぱい生い茂っている部屋だった……
「えっと、なぜ私をここに…?」
「…何故って…これ見て何か思わない?おぞましいとか、…気味が悪くないの?」
「えぇ…?部屋の中が森みたいになってるからですか?でもなんか神秘的で素敵ですね。…もしかして怖がらせたかったんですか?ここ、怖がったほうがよかった感じでした?」
「いや、…君はなんだか他の人とは違うみたいだね…。みんなここを見せると表面では取り繕って御託を並べるけど、心の中では『気味が悪い』とか『おぞましい』って思ってるからね…。」
「はぁ…?つまり、私を試したかったと…?」
「うん。そうだよ。ごめんね、試すような真似して。、…もしよかったら、入って〝中で〟話さない?」
「そうですね。いつまでも廊下で話してたら、遠くから見てるメイドさん達にも不審に思われそうですし」
ーーーそうして、2人で不思議な部屋に入った。
…簡単に言うと部屋の中は大きな蔓で、覆われていて、部屋の元の外壁は一切見えない。大きなベランダは窓が開かれていてそこから光が差し込んでいる。部屋の中央には大きなテーブルがあり、実験器具らしきものがたくさん並べてある。嫌な匂いは一切せず、森の奥深くを思わせるような不思議な香りがした。
「良かったら、これに座って。」
そう言ってルイ君が目の前に木の椅子を〝創り出した〟
「へ…?いま、急に椅子が出て……?」
「僕の魔法で作ったんだ。棘とかは無いし耐久性もちゃんとしてるから安心して座って。」
「……凄い!!魔法ですよね?どうやったらこんなに少量の魔力で短時間に…?魔法式に何か仕掛けが?」
未知の魔法技術興奮してここぞとばかりに話を聞こうとすると
「ちょ…近い…。離れて…」
つい、ルイくんの顔を見上げる形で問い詰めてしまった。この世界での淑女にはあるまじき行為だけど婚約者候補だからセーフだよね?
「あ、ごめんなさい。…」
「いや、大丈夫。…。これは僕特有の魔法で、対象の形になれって思念を送って植物生成の魔法を唱えると出来るんだ。……まだ誰にも話したことはないから、君に教えるのが初めてだよ。」
「そうなんだ…!特有の魔法かぁ…私もやってみたいって思ったけど特有なら無理だよね…。他にもルイくんは魔法使えるの…??私は初中級魔法しか使えなくて…。もしよかったら教えてくれない??」
「いいけど……。君はそんなに急いで魔法を会得する必要あるの?女の子だし、ルルリアン家長女なんだから他の良家からも引く手数多でしょう?淑女としてのたしなみ程度なら初中級魔法が使えたら十分だよ。魔法を使える人の方が少ないんだから…。」
「私自身が魔法が好きで、覚えたいんです!それに、色々な魔法を使えるようになれば子供扱いされないで…妹に会えるかもしれないし。…」
「ああ、あの魔法教会に囲われた妹さん?…僕でよければ、魔法くらいならいつでも教えるよ。一応一通りの魔法はこなせると思うし…。」
「わぁ…!ありがとう!えっと…ルイ様?」
「別に今は誰も居ないんだから呼び方はなんでもいいよ。君の呼びやすいように呼んでくれて構わない。」
「じゃあ…ルイ君って呼んでも良いですか?私のことは気軽にレイシアって呼んでください!」
「じゃあ、〝レイシア〟改めて、よろしくね。」
ーーーそれから1時間ほどルイ君と話をした。
ルイ君は目を合わせると相手の心を読み取ってしまうこと。時に悪意のある思考を読んでしまうと悪意に引き込まれ、気分が悪くなったりするとの事。普段は目を合わせないようにするために髪を伸ばしていること等。
7歳にして宮廷魔導師並みに魔法が使えるのは、いつか両親から離れて家を出ても生き残るために自力で会得したかららしい。
そして、今後も会う約束を取り付けるために、〝婚約者候補〟として両親にその旨を伝えることで意見が一致した。
「ごめんね。仮とはいえ僕みたいなのと婚約することになるけど。……」
「いえ!ルイ君はかっこいいし魔法も天才的だし、こちらこそ不釣り合いで申し訳ないですよ…!それに、私から魔法を教えてほしいって頼んだんですからルイ君が負い目に感じることなんて無いですよ…!」
「そっか…。レイシアは本当に不思議な子だね。君となら目を合わせても会話できそう…かも。読んでもいい?」
サラッと長い前髪を左耳にかけて私の瞳をまっすぐに見つめようとするルイ君。
ギクっ…目を合わせられて前世の記憶持ちで29 歳のおばさん並みに精神力はあるなんてバレたら。…ここは難しい単語を思い浮かべまくる!!
「???それ、なんの論理?初めて見たよ…」
さりげなく目をそらしつつ…
「何はともあれ、私たちは友達です!ルイ君も何か困ったことがあったらいつでも相談してくださいね!ルイ君が対処できないのに私ができるかどうかは疑問ですが……」
「ふふっ。レイシアにはほんと敵わないな…。うん。友達…。僕もレイシアが困った時には助けるから、いつでも頼ってね。」
ーーーーーーそして、無事にルイ君と友達になり、母達と合流して昼食を頂くことになった。