第3話 リスクが勝つか リターンが勝つか
俺は現実逃避をしたい、結構真面目にそう思っていた。
しかし現実は甘くないんだ。
「太郎、朝だぞ〜。」
「う〜ん・・・もうそんな時間・・・!?」
俺は驚いた、目の前の景色に言葉が出なかった。
「どうした?ちゃんと服は着てるぞ!」
「違う・・・お前今何時だと・・・。」
そう、空はまだ真っ黒、前に学校がドーム3個分といったが
宿舎というか家のゾーンは普通の一軒家なので空が見える。
「美奈都、俺の時計では3時になっているんだが・・・。」
「いいじゃんか・・・よ!」
すると美奈都は俺の布団に潜り込んできた。
おいおい、これじゃあまるで・・・いや・・・何でもない。
仕方がないのでこのまま寝ることにした。
いや、本当に仕方がなかったんだ・・・マジで。
翌朝、朝食をデパートで済ませた俺たちは遊園地に行くことに。
集まったのは俺と美奈都と流、流については説明不要だろう。
そして本竹郷士と朝野真昼と理事長の娘だ。
「俺は本竹郷士、え〜っと君たちは初めてだね。」
「朝野真昼です、朝昼どっちだよって突っ込まれます。」
軽く笑いが起こった、でもこの件については
あまり突っ込まないほうがいいだろうな。
「私は月夜見幸、あの爺さんの娘よ。」
一応いうが爺さんとは校長の事。
ちなみに年は中学2年相当。
「え〜っと、月夜見さん?」
と流が尋ねると「みさちと呼んでください。」と幸。
と・・・そんなこんなでバスに乗って遊園地についた。
ここである疑問が。
「ところでみさち・・・さん?」
「呼び捨てでいいですよ太郎さん。」
「うん・・・みさち、この券8人なんだけど6人しか・・・。」
「大丈夫です、8人までなので。」
おぉ〜と一同納得する、いやそうだけど・・・。
そしてペアを組んで別行動をとるとの美奈都の提案。
「別にいいけど誰と誰で組むんだ?」
「よくぞ聞いてくれました郷ちゃん!」
「郷ちゃん!?」
美奈都には遠慮がない、何故だろうね。
「流は真昼と、みさちは太郎とで郷ちゃんは私についてこい!」
「命令形かよ!」
こうなったら誰の制止も聞かない、というか制止しない。
「仕方ない、行こうみさち。」
「はい、楽しみです。」
本当に楽しそうだ、他はどうだろう。
「えっと・・・まず何から乗る?」
「う〜ん、あのジェットコースターがいいな。」
「おぅ!王道を突っ走りますか!」
多少意味不明だが意気投合している。
でも待てよ・・・何で俺がみさちとなんだ?
・・・は!?
なんだ今の寒気は・・・
「太郎さん?どうしました?」
「いや・・・何でもない・・・」
「あれやりましょうよ、楽しそうですよ。」
「う・・・うん、よ〜し一丁行くか!」
「はい!」
うんうん、順調だ。
・・・うん、順調だ・・・。
順調すぎる・・・。
やばい・・・いやな予感しかしない・・・。
何故だ・・・。
つづく
第3話です、どうでしたか?
結構長期連載を予定しているためスローペースですが
呼んでくれたら幸いです。