保健室にて
保健室の先生「あら………貴方たちまだいたの!早く逃げなさい!何者かわからない者たちに学校が襲われたんだから!会った人は皆殺しされてるようですから生徒は速やかに下校してお家で待機です!」
琴美「いや、俺…じゃない、私達その何者かわからない奴らに会いましたよ」
保健室の先生「ハァ!?」
保健室の先生………伊賀久先生は口をあんぐりと大きく開き素直に驚いた
琴美「その時に友達が頭部を怪我しまして……応急手当をして頂きたく…」
伊賀久先生「わかったわ…じゃあ、そこのベットに寝かせておいてくれる?失神してるようだし、ずっと女の子に背負わせてるわけには行かないからね……詳しいことは後日聞くから」
琴美「いやっ!…私も残」
伊賀久先生「だぁーめ!生徒は全員帰宅命令出されてるんだから、たとえその謎の奴らから生き残れたからって…特別に残してあげるって訳にはいかないのよ。ほら、さっさと帰りなさい。この子は目を覚ますまで面倒は私がちゃんと見とくから安心しなさい。もし、嫌だと言うなら、先生怒っちゃうよ」
琴美「いえ、そんなことは言いませんよ。大人しく帰ります」
伊賀久先生「それでよし!」
伊賀久先生はかなりの医学に対する知識と、怒ると悪魔……いや、魔王よりも怖いと称されている。それでついた通り名が医学魔先生。この名を知っているものはこの先生には逆らうことはないという。俺はその名を知っている者の一人なので、身の安全のためにもソサクサと保健室をあとにした。
伊賀久先生「さて……じゃあ応急手当を済ましてっと…確か胸ポケの膨らみからして生徒手帳が入ってるわね……。その名前から棚の中にある生徒名簿から電話番号を見て親に電話すると言ったところかしらね」
伊賀久先生は一通りの流れを言うとそれを行動に移した。まず彼女の頭部の損傷を手当し、胸ポケから生徒手帳を取り出す。そして名前を確認したところで………
伊賀久先生「救急車呼んだ方が早かったかもしれないわね」
と言う結論にたどり着いた
沙奈「うっ……ううっ」
彼女は伊賀久先生が色々と試行錯誤している時に目を覚ました。
沙奈「ここは……」
沙奈は上半身だけを起き上がらせる。
それに気づいた伊賀久先生はこちらを向いた。
伊賀久先生「あら、起きたのね!」
沙奈「医学魔……っていうことは保健室か!」
琴美に伊賀久先生の通り名を教えたのはこの子である。幸い医学魔のところは伊賀久先生には聞こえていなかったが
伊賀久先生「貴方と同じ学年のコがねぇ…わざわざ運んできてくれたのよ。後でちゃんと感謝の言葉を言いなさい。ひとまず先に私がそのコにひとまず電話しとくから」
沙奈「先生……電話番号知ってるんですか?」
伊賀久先生「ん?…んふふー!生徒手帳から調べあげるのが面倒だったから君の携帯を使って番号はちゃんと即知済みよ!」
沙奈「なっ……!」
伊賀久先生はその後沙奈から離れたところで携帯を弄っていた。弄り過ぎである。それと同時に沙奈の中には1つの別の感情…いや、別の意識が、芽生え始めていた。それがやがて沙奈自体を飲み込み、奪うことになる。
沙奈(なんだろう……この……胸のかなにある…私じゃない私がいる感じは……)
沙奈も少しづつその存在に気付き始めていた。
沙奈(……暴れたい…奪いたい……全てを……この世界を………ま………おう…………さ…………まの……為に…………)
遂には沙奈の意識までもが奪われ始めた
沙奈(欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい)
沙奈の身体は己の願望に疼いていた……
沙奈「もう無理!我慢できない!」
伊賀久先生「ど、どうしたの!」
電話をしようとしたしていた伊賀久先生はその動きをやめ、沙奈方に近づいていった。
沙奈「まずは………繁殖」
すると沙奈の髪の毛のひと塊が触手の様にのび、近づいた伊賀久先生のへその部分に差し込まれた
伊賀久先生「うっ……」
いきなり刺されたことより伊賀久先生は身体を仰け反らされる。触手……いや、髪の毛のひと塊は未だに刺されたままだ。
沙奈「うふふ…これで貴女は私の下僕一号よ……私の配下となりて手始めにこの学校を支配していきましょう。そしてすべての生徒を私の下僕に………ふふっ」
もう既に琴美と楽しく話していたような悪魔と戦う前の沙奈はどこにも存在していなかった。
沙奈「さぁ……琴美!…いやアゼル!貴方は下僕なんかにはしない……じっくりとゆっくりと殺してあげる♡」
蛍光灯から発せられる光が沙奈の影を作り出している。その影には対となる翼、しなやかに動く尻尾が生えていた。そう、沙奈は体内に入り込んだ悪魔の血により人間から悪魔に生まれ変わったのだ。