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てんせい勇者  作者: 968
7/24

勇者の復活

そしてここは、とある高校のとある教室。その教室では幾つかの机、椅子……そして壁や黒板も数カ所破壊されている。

そして女子高生2名、悪魔1名が教室内にいる。そして女子高生1名は悪魔に頭を鷲掴みされ、もう一人は足元を光り輝く魔法陣に囲まれそこから溢れ出す光に包み込まれていた。


琴美「うおおおぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」


悪魔3号「な、なんだ!この光は!」


沙奈「琴……美」


琴美を包み込む光は次第に強くなり琴美の姿が見えなくなる


悪魔3号「やめろ……その光は………眩しすぎる……!」


琴美「沙奈を……放せぇぇぇぇぇぇぇえええ!」


琴美を包み込んだ光は一気に光弾として解き放たれ、周囲の壁、そして悪魔3号に当たった。


悪魔3号「うぐぅ……」


琴美の攻撃に怯まなかった悪魔3号は数発の光弾当たって少々怯んだ。

そして琴美の立っていた所には、別の人が立っていた……


??「こ、これは……」


悪魔3号「きっ、貴様は……勇者アゼルと同じオーラを持つものだと思っていたが………まさか…」


悪魔3号は段々と発する声を弱らせ、後退していくが沙奈を掴む手は離さないでいる。


??「このグローブ……この服装……そしてブーツ……これは、これはまさに魔王軍に襲われる前の俺の姿…………」


悪魔3号「フッ………フハハハハハハ!偵察部隊としてこの世界に潜り込んだらまさかターゲットに会えるとは!なんという幸運!倒せば軍での評価もウナギ上り!……我が爪にて滅びるがいい!勇者アゼル!!」


そう、俺の身体は女子高生沙奈の姿から、勇者アゼル・ティーリアに変化していた。しかし右手に収まる剣は私の愛剣などではなくただのほうきだった。


アゼル「さぁ……その手を放してもらおう…」


悪魔3号「うぐっ…」(ただこちらに向けて発せられた言葉だけというのに…何という気迫っ…!この俺をびびらすとは……)


アゼル「さぁ……放せ!」


アゼルはほうきを構えた右手を前に構え、光をほうきに宿した。しかしほうきを宿すだけでは留まらず……


バキバキバキ!!


まるで、物質の性質を、形状を変えるが如く、物凄い振動と音がほうきから響いた。するとほうきの先に小さな魔法陣が出現し、それはほうきの先にふわりと引っ付き……そのままほうきを包むように沈みこんだ。その魔法陣はゆっくりと俺の右手に迫って通り過ぎ、ほうきの反対側にたどり着くとすぅっと魔法陣は消えた。そしてほうきを包む光もゆっくりと薄らいでいった。


悪魔3号「貴様ぁぁああ!たかが姿かたちを変えただけで!調子に乗りやがってぇぇえええ!」


いや、ちょっと待った、俺はこの姿になったあと調子に乗るような行動をしたか?

そう思っているとほうきの発光が静かに止んた。

すると俺の右手にほうきとは違う重み…何やら懐かしい、もう味わうことのないと思っていた重み……俺の愛剣の重みだった。グリップは、赤い革で包まれ鍔も鉄製の刃もシンプルな形状……間違いなく俺の愛剣だった。


アゼル「久しぶりだな……俺の愛剣……いかなる試練もくぐり抜けた刃……ヴァルキリーブレイド………」


俺の言葉に応えるが如く、剣かキラリと瞬いた。


悪魔3号「まさか………その剣は……我が仲間を、近づく敵全てを縦横無尽に切り裂いていったと言う……我らの憎むべき剣…!やはり貴様は本物か!ならば!確実に殺す!我が……心のアイドル……サキュバスちゃんを葬った敵を討つ!」


ん?兄貴じゃなくていいのか…兄貴じゃなくて………しかも俺はまだサキュバスにあった覚えはないぞ…!こいつ…勘違いしてやがる……。俺の中の悪魔3号のイメージ像が気高き戦士から単なる変態に堕ちていく瞬間だった。


悪魔3号「殺す……!殺す殺す殺す殺す殺す!!」


次第に沙奈を掴む手にも力が入っていく


沙奈「ひぐっ!…ぅぁっ……っ……いぁ……」


アゼル「沙奈!」


俺は愛剣を右肩に担ぎ、左足を前に軽くずらし、左手を標準とする場に向けて添えた。そして右足で地面を蹴り、その前進しようとする動力で左足を大きく前に出し、剣を思いっきり振り下ろす!

振り下ろした剣の軌道から光の波動が放たれた。狙い済ましたところは悪魔3号………の沙奈を掴む腕の肘らへん。波動は吸い込まれるが如く肘らへんにあたり肘から先は沙奈を放して天高く舞い上がった。もちろん天高く舞い上がっらずに天井に阻まれたのだが…いや、『天』井だからいいのかな……


悪魔3号「うぐっ!……あがっ……うっ…」


悪魔3号は切断された右腕を押さえつけ悶え苦しんでいる。沙奈は倒れた衝撃で気を失ったのだろう…倒れたまま動かない。

沙奈……しばらくそこで休んでいてくれ

俺はそう沙奈に語りかけた。

コイツは俺が………


アゼル「俺が倒す!」


悪魔3号「クソぉ!………超再生!」


すると切断された右腕…飛び散った血がまるで重力に引き寄せられる様に切断面にくっつき、跡形もなく再生した。


悪魔3号「はぁ……はぁ……まさか…この技を使わせるとは……貴様……なかなかやるな……流石はサキュバスちゃんを葬っただけはある…」


アゼル「いやいや……ちょっと待った!誰だよサキュバスちゃんって!知らねぇよ!」


悪魔3号「なん……だと…!サキュバスちゃんはその剣のような剣を持った者にライブ中に殺られたと聞いたのだが……貴様ではないのか!」


アゼル「あぁ……身に覚えは………………ライブ中?」


悪魔3号「あぁ、年に数回人間界に出向いてる魔族たちの為に開かれる魔族たちの為のイベントでな………そこに招待されたサキュバスちゃんが……『あなたのハートまで搾り取っちゃうぞ♡』というキャッチフレーズで有名なサキュバスちゃんが……その場で殺害されたのだ。」


いや、ちょっと待った………そんなの昔見たことあるな………魔族が集まってて……何やらイケない魔族たちの集会かと思い…阻むために突撃したことあるな………何回か…


悪魔3号「貴様ではないのなら、この怒りをぶつけるのはやめておこう。貴様に憧れ、貴様の剣とよく似た剣を持ったそこら辺にいるような冒険者だったのだろうな……」


いま、ここら辺にいたら銃刀法違反で捕まるよな…まぁ、今の俺も例外ではないが


悪魔3号「悪かった……この件については詫びよう。しかし…私は腕を貴様に切られてるのでな、その分の仕返しをしなくてはな……」


アゼル「いや……あの……そのぉ……」


どうしよう……こいつの性格が分からなくなってきたぞ…


悪魔3号「では、続けようか。悪魔と勇者の戦いを…」


アゼル「すまん……サキュバスちゃん俺が殺ったかもしれん…」


すると先程までとは違うオーラを解き放ち、目を怒りによって輝かせ、口元から白い怒りの湯気のような見えた…気がした。


悪魔3号「貴様ぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」


アゼル「うわわわわ!ちょっと待った!『かもしれない』だからな!そのライブのような所を襲った覚えはあるが周囲にいる魔族を倒していただけで、全く中心にまで行ったことないんだ!もしそのサキュバスちゃんが攻めて来たのなら殺ったかもしれないが、逃げたのなら他の者が殺ったと言う可能性の方が高いはずだ!」


悪魔3号「ゴラァァァァァァアアアア!よくも!よくも!サキュバスちゃんをぉぉおおお!」


聞く耳持たず。どうやら俺は開けてはならぬパンドラの箱を開けてしまったようだ。


アゼル「待ったぁぁぁぁぁぁあああ!」


何を言おうが、何を叫ぼうが悪魔3号の怒りは収まるのを知らない。


悪魔3号「我が爪と貴様の剣、どちらが強いか勝負だ!アゼル!我がアイドルを愛でるハートのパワーを宿したこの爪が!元ほうきの剣に負ける筈がない!」


俺の愛剣をバカにした………


アゼル「はぁ?そんなキモいパワー宿したら逆に弱くなるんじゃねぇのかよ!そんなのに俺の剣が負ける訳がなかろう!」


アゼルは愛剣をバカにされ心を怒りで満たされた。両者は世界のため……魔王のために戦うのではなく、己の愛するものをバカにされ、それによる怒りをぶつけるだけの戦いと化していた。


悪魔3号「我が爪は鋭利なり。伸びよ我が爪!真の姿を今この場に現せろ!エクステンド・ネイル!!」


すると爪は闇のオーラを纏いながら、鋭利になりながら伸びていく


アゼル「ゴチャゴチャ長ったらしいセリフはいれねぇンだよ!今すぐ終わらせてやる!」


するとアゼルは高く跳躍した。もちろん天井に当たらない高さだが。


アゼル「ビング・ダウン・ブロウ!!」


【ビング・ダウン・ブロウ】

直訳:振り下ろす一撃


アゼルは思いっきり剣を振り下ろす!

悪魔3号は爪を伸ばした腕を引きしぼりアゼルに向けて突き出した!


結果はもちろん


アゼル「ふぅ………」


アゼルの剣が爪などお構いなしに切り裂き、そのまま悪魔3号の身体を真っ2つにしたのだ。悪魔3号は言葉にならない言葉を呻きながら倒れた。悪魔3号の傷口から流れ出た血が沙奈の傷口に触れていることにアゼルはまだ知らない。アゼルはまた超再生などされると困るので止めを刺すと悪魔3号の身体は血を含めすべてが黒い瘴気となり爆散した。傷口から沙奈の中に入り込んだ血を残して。その光景と共にアゼルは光に包まれ琴美に戻った。


琴美「………終わった………」


琴美は先程までの戦闘がまだ信じられずにいる。魔王軍とまさか…戦うことになるとは……いや、まずはそんなことより


琴美「沙奈っ!」タッタッ


これは帰ってから考えることにして、私は沙奈の脈拍を測った。


琴美「…………よかった」


大丈夫だ、動いている。沙奈を背負いとりあえず応急処置のために保健室まで運んでいった。

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