悪魔襲来
私と沙奈はじゃれ会いつつ自分たちの教室にたどり着いた。今日は曇天で、電気のついていない教室は多少暗かった…
沙奈「よーし、財布と定期っと……あ、あとスマホ……」
琴美「あ、あれ……定期どこだっけ……」
沙奈「いや、琴美は胸ポケに入れてんじゃん」
琴美「はっ!?」
沙奈「もぉー!琴美ったらぁー!ほら、さっさと行くよ!」
そう言われ私たちが教室から出ようとしたその時、出入口から、一人の男が現れた。
沙奈「あっ!浜松先生!こんにちは!」
浜松先生「ん?……なんだ…お前ら、まだいたのか……早く学校から出なさい」
琴美(ん?……そう言えば…先ほど放送してたのは浜松先生だったよな……ここは、あの叫び声を聞く必要がありそうだな……)
ふと思った俺は、先生に問おうとしたそのとき…
沙奈「あ!浜松先生!さっき放送してましたよね!なんか……叫んでましたけどなんだったんですか?」
そう言いながら彼女は先生に駆け寄っていこうとした…それと同時に誰かがつけたのだろうか……廊下の蛍光灯が光り先生の影がこちらに向いてきた。その影が……何かおかしい…………色が……無駄に濃ゆい……それに形も……
琴美「沙奈っ!」
私は叫び駆け寄ろうとした沙奈の腕を掴んだ。
沙奈「えっ?ちょっ!何!?」
琴美「近づいちゃダメ…!」
沙奈「えっ?…あっ!」
どうやら佐奈の方も先生の異変に気づいたのだろう……
浜松先生「ククク…」
なんだろう…嫌な予感がした…
念の為にと、武器になるものを持ってくるように沙奈に頼む
琴美「ちょっと…佐奈!お願いがあるんだけど……掃除道具入れからほうき持ってきてくれない?」
佐奈「えっ?あ!うん!わかった!ようやく琴美の厨二パワーを使う時が来たんだね!」
琴美「お、おう」
もういいや……私なんか…厨二病で……
私は心の中でそう決めた
浜松先生?「クケケ……バレてしまっちゃァ…しょうがねぇな…アゼルさんよぉ…」
琴美「!!」
佐奈「えっ?なんて?」
浜松先生?の声は先程より低く、濁ったような声になっていた……しかもこいつは俺の真の名前を知っている…!!
…それと沙奈は反応しなくてよろしい
魔王の手下「俺らはこの時をずっと…待ち望んていた!!貴様と会うことを…!魔王様を殺害しようとした貴様とぉ!!アゼルゥゥゥゥ!!」
沙奈「ちょっと…琴美!なんか凄いことなってきたぽいね!ほら、ほうき!一番硬そうで、真っ直ぐで、一番聖なる力のありそうなもの持ってきたよ!」
琴美「あ、ありがとう…」
聖なる力って…おい…なんだよ…聖なる力って………もしかして…沙奈は俺よりも厨二病なんじゃないのかよ…
俺は心の中で突っ込む
そもそも厨二病はどこから厨二病なんだよ……
魔王の手下「ゥオオオオオオオオ!」
魔王の手下はいきなり叫び出した!
そして、体をうずめ、両手を頭の前でクロスさせた。すると、足元に魔法陣が現れた。それと同時に体中にひびが入り、闇の光が漏れ出て、背中が盛り上がっていく。
沙奈「えっ!ちょっ!何!」
琴美「沙奈!私の後ろに隠れてて!」
沙奈「やーん♡琴美ちゃんカッコイー♡」
琴美「………」
魔王の手下「グワァァァァァ!」
魔王の手下はもう一度叫ぶと同時に両手を開き体をのぞけらせた!
そしたら、背中の盛り上がった部分からコウモリの羽のような大きな翼が飛び出し、後頭部から対となる2本の角が飛び出す。更には魔法陣から闇の煙のようなものが吹き出してきた……この動作は一気に起き、その後闇の煙は、魔王の手下を包み込んでいく…。その煙は未だに吹き出すのを止めず、天井にまで達した……闇の煙に触れた天井の部分は、もともとそこに天井が無かったかのように、綺麗さっぱり消えてなくなっていた……
魔王の手下「ハァァァァアア!」
3度目の声と共に魔王の手下を取り囲んでいた煙は周囲にもの凄い勢いで解き放たれた!
琴美「ッ!」
沙奈「きゃあっ!」
私は顔を両腕で隠し、沙奈は私の背中を掴み、顔を背中の真ん中ら辺にくっつけた。
その時誰も見ることはなかったが…琴美と沙奈の周りを清らかな光が包み込み、闇の煙の被害を受けるとこはなかった…これは……勇者アゼルの力なのだろうか……
闇の煙が止むと、琴美と沙奈は、目を周囲に走らせた。
琴美「うそ……だろ…」
沙奈「マジで…」
周りのガラスはわれ、壁や天井、床、机などがごっそりと削り取られていた……しかし…彼女たちの周りは何も被害がなく、傷1つ無かった。
魔王の手下「チッ……防ぎやがったか…」
浜松先生が居たところには全身が黒に近い紫色…頭には2本のツノ…背中にコウモリの羽を付け、尻尾の生えた悪魔が立っていた。
悪魔「まあいい……女となった貴様なぞ…………俺の手で肉片にしてやるぅぅぅぅ!」
俺は剣……いや、ほうきを構えた……
これが俺の……この体での最初のバトルだ。
悪魔「ちぇあぁぁぁぁああ!」
琴美「………フォトン……W…スラッシュ!」
【フォトン・W・スラッシュ】
剣に光を宿し、敵に対して二連撃を行う技
俺は剣に光を宿し、1撃目で悪魔の体を腹の部分で真っ2つにした…
悪魔「ウグッ!」
悪魔は声と共に赤黒い血を口から漏らす
そして、俺は2連撃目をこちらに倒れてきた悪魔の上半身…首を飛ばした。
悪魔「ガッ……!」
悪魔の頭は地面に落ちた。
もし、こいつに超自己再生能力があると困るので、頭部をほうきで、突き刺した。俺は、ほうきから光を流し込み、悪魔の頭を爆散させた。
琴美「ふぅ……まぁ、こんなところかな……」
沙奈「…………凄っ!」
沙奈は純粋に驚いていた。
理由は簡単、瞬殺だからだろう。
沙奈「ほうきが光った!?」
琴美「そっちかよ!」
まさかそっちに驚くとは……
沙奈「いやぁ…だって……琴美なら、あんなの一発なのはわかってたしぃ」
琴美「ま、まぁね」
これで一安心かな…
緊張がほぐれ、私は小さく息を吐いた