転生
手下1「くそっ!どこだ!さがせ!」
手下2「そっちはどうだー!」
勇者「くっ、もはやここまでか……魔王めっ…」
俺はとある村で休んでいたところ魔王の手下達に襲撃され、村は壊滅状態だ。
路地裏に身を潜めている俺のところに一人の村人がやってきた
勇者「なにをやっている!お前らさっさとこのむらから逃げろ!」
村人A「いいえ!勇者様!わたし達よりもせめてあなただけでもお逃げください!」
勇者「しかし!そのままでは貴方達が!」
村人A「構いません!魔王を倒せるのは勇者様だけです!」
勇者「しかし…」
村人A「さぁ!こちらへ!」
村人Aは、俺の手を持ち、魔王の手下に見つからないよう路地裏を通り離れの壊れていない民家の中に入った
村人B「やっと来たか!遅いぞ!」
村人A「すみません!」
村人B「………さぁ!勇者様!この中に!」
勇者「地下……?」
村人B「早く入ってください!後ろから私達もついていきます!」
勇者「あ、あぁ」
俺は取り敢えず地下に降りてみることにした
勇者「…………なんじゃこりゃ!」
地下の部屋についたとき俺は驚くべきものを見た
村人B「魔道具で御座います。」
勇者「ま、魔道具?って、通常じゃありえないような力を持った道具のことだろ?どうしてこんなところに?」
村人B「……これは私達の村に昔から伝わる魔道具です。……いや、むしろ神の道具………神器と言った方がいいかと思われます。」
勇者「神……器…」
村人A「これは、自分の肉体を捨て、別の場所で魂を失った肉体に移動させる道具です。」
勇者「…ということは?」
村人A「勇者様の魂を何処か別の場所で死んでしまった者に移植するのです。」
勇者「いや、でも……魂だけならば記憶は!」
村人B「大丈夫ですよ。記憶も引き継がれます。」
勇者「あっ、死んだ者と言うことはご老体の方になるのでは?」
村人B「いいえ、魂が移植されるのは自分より若き肉体を持つ者。ご老体に移ることはありません。」
勇者「どうして、そんなにも詳しいんだ?」
村人A「私達はその機械で魂の移植をし続けたものです。」
勇者「!!」
勇者「ふと思ったのだが…これで皆を移動できるのでは!」
村人B「いいえ、これは一度使用すると次使えるのが一年後なのです」
勇者「……ならば、皆はどうするのだ!」
村人A「魂を手放し、肉体だけとなった勇者様の体を見せればアイツらは勇者は死んだと思い帰っていくでしょう。その後、肉体は、別の魔道具で保管しときますので……」
勇者「いや、でも保管したとしてどうやってたましいを移し替えるのだ?」
村人B「この魔道具は今のところすべての民家の地下にあります。そのうちの二つを使用し移し替えることができます」
勇者「な、なるほど…ありがとう」
村人B「さぁ、勇者様!この魔道具の中に!」
勇者「あ、あぁ」
中は何もなく、外から扉を閉められ鍵をかけられた。魂が肉体から離れていくのを感じる。
魔道具の外から…
村人A「あ、これ、神器級だから、たまに魂が時間超えるよね」
村人B「…あ、それいい忘れてた。それと、空間を超えるという噂も……」
村人A「それ本当なのか?異世界に飛んでいくとか…?」
村人B「神器だもの」
村人A「あ〜なるほど」
などという会話が離れゆく肉体から魂に届いたことについては、考えないでおこう。
こうして俺は肉体から魂を手放し、新たなる肉体を求めて、魂だけの無意識の旅を始めた