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腐れたちの学園生活  作者: 馬鹿面
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初めての微笑み

 体育が終わり、クラスでのラストホームルームも終わった後、俺は五十嵐先生に呼ばれていた。

 「おい、どういうことだ?三ケ原を振った、というのは」

 はぁ、先生にも知られてしまったか。面倒くさいな。

 「そもそもが間違いなんですよ。部長は俺に告白なんかしていないし」

 「じゃあどういうことだ?」

 先生は長い髪を掻き上げながら言ってくる。口には出さないが、かなりいらだっているようだ。

 「えーっと、部長に話しかけてくれた子がいて、部長が冷たくあたって仲良くなれなくて、部長は傷心して、俺に抱き着いてきて、俺に『外道、私には外道しかいない!』って言ったから、俺がうざい的なことを言って、俺が部長を振ったみたいな感じになったんです!」

 「それは本当だろうな!!」

 「本当です!!」

 「怪しいな、後で飯塚に聞いておこう」

 相変わらず信用無いな、俺。

 




 少し心に傷を負いながら部室である美術準備室へ向かう。

 「おう、部長」

 「あ、あぁ、外道か・・・」

 「・・・いったいどうしたんだ?」

 部長が燃え尽きていた。どこぞのボクシングアニメの1シーンみたいだ。

 「すまない・・・、お前に与えてもらったチャンスを、全て無駄にしてしまった・・・」

 ああ、あのことか。もともと失敗するだろうと思っていたし別にどうということもないのだが。

 「私はダメだ!・・・あぁ、貝になりたい・・・」

 ダメだ!部長がネガティブモードに入っている!!

 「あれ、この構図は・・・」

 部長は椅子に腰かけている。そして、ちょうどいいぐらいに股を開けている。

 「あぁ、死んでしまいたい・・・、星になりたい・・・」

 俺はローアングルからの写メを試みる。部長のスカートの中と、部長の傷心しきった顔を同じ写真の中に収める。

 「よしっ!この写真は今度、逢坂に2万円で売り飛ばそう!」

 臨時収入だ!これまでは盗撮が基本だったのが、こうして堂々と撮影ができる!文芸部様様だな。

 「ちょ、外道君、何してるの!?」

 もう一枚撮っておこうと、部長のスカートの中の方に携帯を向けているところで飯塚さんがやってきた。俺は言い訳が思いつかなかったので開き直ることにした。

 「飯塚さん、収入の5割いる?なんなら7割でもいいけど」

 「外道君、最っ低!!」

 思いっきり鞄を投げつけられる。腕で防いだがそれでも痛い。ちっ、9割ぐらいじゃなきゃダメだったか。

 「・・・ああ、飯塚さんか。私はダメだ、存分に笑えばいい。あーぁあ、世界終わらないかな」

 「三ケ原さん、大丈夫!?・・・外道君が悪いのね、そうよね!」

 飯塚さんが俺の方をキッと睨んでくる。濡れ衣だ!人間中身を見なければ!!・・・あっ、俺は中身の方がダメなのか。でも外見もダメなのか。あぁ、宇宙終わらないかな・・・。

 「外道君、三ケ原さんに謝って!!」

 ここは逆らわない方がいいだろう。

 「ご、ごめんなさい」

 屈辱だ!謝罪は人にさせるものであって自分がするものではないのに!!

 「ぁ、ごめん、外道!私は、私はぁ!!」

 部長がこちらに抱き着いてくる。今回は人目が飯塚さんしかいないので喜んで受け止める。

 「三ケ原さん!ダメッ!!こんなやつに近付いちゃあ!」

 飯塚さんからの評価は最悪になったな。人になんとも思われていないのは嫌いだが人に嫌われているのは好きだ!少なくとも、相手の頭の中に自分の存在があるから。

 「外道ごめんな、私のせいで謝らせることになってしまって」

 「いいって、いいって」

 無駄に部長が素直だな。なんだか気持ち悪い。

 「どういうことなの!?」

 飯塚さんが戸惑っているようなのでこれまであったことを話してやる。それでも引かれたが、誤解は解けた。

 「でも、外道君が三ケ原さんのパンツを覗こうとしてたのはどういうことなの!?」

 「俺は覗こうとしていたんじゃありません。写メって売ろうと思ってただけです」

 「そっちの方が酷いよね?本当に外道君は外道だね」

 「どうも、ありがとうございます」

 俺は部長を抱きしめながら、軽く頭を下げる。

 「外道、私を慰めてくれ。このままでは壊れてしまいそうだ・・・」

 部長は相当心に傷を負ったみたいだ。友達ができなかっただけなんだから、そんなに凹むことはないのに。

 「ああ、分かった」

 俺は素直に頷き、部長を強く抱きしめてやる。

 「外道、もうちょっと優しく・・・ってグヘ!」

 俺は部長を強く抱きしめてあげた(肋骨が折れるほど強く)。

 「ギブギブ!離せ!!」

 絶叫する部長を仕方なく離してあげる。

 「がはっ!」

 解放された部長は倒れるように床に座り込む。

 「はぁはぁ、外道!なんでそんなにきつくするんだ!はぁ・・・私を殺す気か!!」

 「いや、お前に抱き着かれたせいで俺が変な奴に絡まれる事態が発生してな。もう二度とそんなことはごめんだから部長を調教しようと」

 「調教・・・!?わ、私は調教されないぞ!」

 部長が自分の胸を押さえる。

 「でも、調子が少し戻ったな」

 「へっ!?」

 さっきまでの状態だといじりにくい。

 「部長はいつもどうりでいてくれ。俺はそっちの方が好きだ」

 部長の顔が一気に赤くなる。

 「あ、あぁ、げ、外道がそこまで言うなら!」

 部長は本当に単純だ。このとき、俺は初めて自然に微笑めた気がする。

 「きもいよ、外道君・・・。それって笑ってるの?」

 飯塚さんのせいでいい感じに締めれなかった。

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