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腐れたちの学園生活  作者: 馬鹿面
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影響

 俺は家に着くなり速攻で娯楽室へと向かう。そこでテレビゲームの電源を点けたところで、無駄に真新しい俺の携帯が鳴り響く。

 「はい?もしもし」

 『外道か?』

 このウザったい声は部長か。確か「電話してくんな」と言っておいたはずだが。

 「俺ですが何か?用件があるなら手短にしてくれ。俺も忙しいんだ」

 ゲーム機にディスクを入れながら催促する。

 『あっ、えーっと・・・、その、ごめん。いきなり部室を出ていったりして・・・。それだけだ、それだけ言っておきたかったんだ。それじゃあ』

 「ちょっと待て。ついでに訊いておきたいことがある」

 なんだ?と間抜けな声を出す部長。本当に顔だけだな。声だけなら全く魅力がない。

 「もし俺に彼女ができたらどうする?」

 『は?』

 「だから、俺に彼女ができたらどうする?」

 『・・・って、エェェェーーーーーーー!!!外道に彼女ができたのか!?どういうことだ!!?』

 「いや、あくまでも仮にだよ仮に・・・」

 『・・・そ、そうか、そうだよな!外道に彼女なんてできるはずないよな!』

 地味に傷ずくぞ・・・、呪殺したい。

 『外道に彼女かぁ・・・、私は死ぬな』

 「えっ、マジで?」

 『マジだ』

 ってことは部長は死ぬのか?俺には彼女がいるぞ!?・・・部長には言わない、という飯塚さんの判断は正しかったようだ。危ないところだった・・・。

 「そ、それじゃあ・・・」

 『ああ、また金曜日』

 通話が終了すると同時に冷や汗があふれでる。言わなくて良かった・・・。部長の口ぶりからすると本当に死にかねない。こんなことで死なれたのでは寝覚めが悪い。後味が悪いのは嫌いだ。

 「ご主人様、このセーブデータで宜しいのでしょうか?」

 何故か二葉さんが2P用のコントローラを握っていた。これまでも何度かボス攻略を手伝ってもらっているが、こうして自分からしてくれたの初めてだ。

 「えっーっと、その下のセーブデータです」

 「かしこまりました」

 俺と二葉さんでボスを狩りまくっていく。俺はもともと複数人で挑むようなところを単独でやっていたりするので、個人プレイはかなり上手い方だ。二葉さんは人並み。しかし援助などをしてくれるので、多少の無茶が出来るようになる。

 協力プレイをしながら二葉さんに話しかける。

 「二葉さんは、俺のどこが好きですか?」

 「全部です」

 即答だな・・・。これほど好きでいてくれているのに何で俺は逃げていたのだろう。愛情を向けられるのが怖かったのだろうか?

 「あっ、回復薬ください」

 「はい」

 「ありがとうございます」

 俺たちは黙々とゲームをし続ける。


 「そろそろ昼食準備をしなければなりませんので・・・」

 二葉さんが立ち去った後もゲームをやる続ける。先程は簡単に倒せたモンスターがやけに強く感じる。やっぱり協力って大事なんだな。

 「カノンにでも会ってくるか」

 俺はひとまずゲーム機をスリープモードにしてカノンの部屋に向かう。




 『ごんごんごん』

 「おーい、カノン。この俺が会いに来てやったぞ」

 「・・・・・・・・・・」

 鍵が掛かっているので中にいるはずである。やっぱりもう少し下手に出ておいた方が良いのか?

 「えっーっと、カノン様ぁ、ここを開けてもらえませんでしょうか?」

 『ぎぃ』

 木の扉が内からゆっくりと開く。中から顔を出したカノンは何故か泣き腫れていた。

 「どうしたんだ?小指でも打ちつけたのか?」

 「違うわよ!!」

 いつも通りに容赦のないパンチを浴びせてくる。元気はあるようだ。

 「ねぇ、二葉さんに聴いたんだけど・・・、彼女ができたって本当?」

 「・・・本当だけど」

 カノンの目に涙が溜まる。

 「やっぱりそうなんだ・・・」

 カノンがバンと扉を閉める。しばらくすると、扉ごしにカノンの泣きじゃくる声が聞こえてきた。

 「バカバカバカ!!!司郎のバカ!!ワタシのバカッ!!」

 これ以上刺激しても良いことは無さそうだ。俺はその場を立ち去ってまたゲームを始める。





 夕食の時間になっても、カノンが部屋から出てくる気配は無い。何度も説得を試みたが無駄だった。こうしてニートは生まれるのか・・・、などと考えていると、俺の携帯電話がまたもや鳴り出す。

 「はい、もしもし?こちら大王司郎です」

 『ワタシ・・・、ひっく・・・』

 まだ泣き止んでないのか。そう言えば俺って泣いたことあるっけ?

 「ちゃっちゃと出てこい。お前がいないと寂しいだろうが」

 『そんなの彼女とイチャついとけば良いじゃない!!』

 『プー、プー、プー』

 電話が切られる。


 俺がパソコンで写真の整理をしていると、もう一度カノンから電話がきた。

 「はい、もしもし」

 『その、さっき話せなかったから・・・』

 一応泣き止んではいるらしい。声に多少のハリが戻っている。

 「で、なんだ?」

 『その、あの・・・』

 俺は何となくイライラしている。今すぐにでもカノンの部屋に扉をぶち破って乱入したい。

 『ワタシ、ワタシ!ワ、ワタシは司郎の妹だから!!・・・その、大丈夫・・・』

 「・・・何かごめんな。あー、明日は空いてるか?一緒に遊びにでも行きたいんだけど」

 『・・・うん、空いてるから行くね。楽しみに待ってるから。その頃にはきっと笑えるから・・・』


 よく考えずに鳥居と付き合ってしまったが、どうもその選択は様々な人に影響を与えてしまっているようだ。問題解決をするには鳥居と別れれば済む。だが、鳥居は俺のことを好きだと言ってくれた。そんなことをすれば新たな問題が発生するだけで、根本的解決にはならない。俺はどうすればいいのだろう?全てから逃げるというのもアリだな。とにかくモヤモヤしていて面倒だ。何かしらで解決することにしよう。

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