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腐れたちの学園生活  作者: 馬鹿面
35/41

合宿1

 「さぁて、これからどうします」

 壁掛け時計は正午12時を指している。

 「あの、僕はまだ昼食を食べてないんですけど・・・、他にもいますか?」

 「ごめんね、りぃいちゃん。私は食べてきちゃった・・・」

 「ていうか、その『りぃいちゃん』、って何ですか?」

 「鳥居って言うんだよねぇ?ならりぃいちゃんだよ!」

 そうですか・・・。そもそも名字に『ちゃん』を付けることが間違えていると思いますよ・・・、親しいのかよそよそしいのか分かりません。

 俺がなんとなく和音にチョップをかましていると、部長が俺の耳元で何か言ってくる。

 「外道、私は食べていないと伝えてくれ」

 「自分で言え」

 俺は部長にチョップする。

 「いつもながらに痛いな!」

 「当然だ」

 部長を適当にあしらっていると、鳥居が気を使って話しかけてきた。

 「あの、部長さんは食べましたか?」

 「た、食べてないぞ・・・、ふんっ!」

 これも多少はマシになっていると思っていいのだろうか・・・。

 「他の人は?」

 「わしは食べた」

 「俺も食べたな」

 「なら部長さん、僕と二人でコンビニでも行きますか?」

 「ほ、ほへっ!!」

 部長が素っ頓狂な声をあげる。ボイスレコーダーを持ってきておいて正解だったな。後で逢坂に500円で売りつけよう。

 「何か買ってきてほしいものってありますか?」

 「菓子が欲しいぞ」

 「私、肉まんが欲しい!」

 「罰ゲーム的なものを買って来い」

 鳥居は俺らが言ったものを簡単にメモに書き留め、部長の手を引っ張って部室を出ていこうとする。

 「ちょ、外道!助けてくれ!!」

 部長が人見知りSOSを出すが俺の知ったことではない。せいぜい鳥居と仲良くなっとけよ。部長に友達ができれば、俺はお役御免でおさらば出来る。もう最近は生きてることも面倒になってきたからな。

 そういえば・・・二ヒッ。ちょっと面白いことを思いついたので実行してみる。

 「おい和音。少し外に出ないか?今日は天気も良いしな」

 「そうじゃの。いつまでも籠っておったのではつまらんからのぉ」

 「飯塚さんもどうですか?」

 「うん!私も行くよ」

 ぞろぞろと三人で部室を出る。

 「あっ、忘れ物したので待っててください」

 俺は適当な口実をつけて部室に戻る。部屋に戻れば鍵をかけ、チェーンもつける。これで部室には俺一人。部室の中には女子4人の着替えやら何やらがある、これを物色してやろう。


 『ごんごんごんごん』

 「開けるのじゃ!!絶対持ち物を物色しとるじゃろう!!!」

 「早く開けろ!!私の荷物には見られてはマズイものが・・・」

 部長と鳥居がコンビニから帰ってきた時、扉を開けようとして俺が籠城していることがバレた。俺は可愛らしいリュックサックに入っていた、可愛らしい水玉のパンツを写メりながらこう答える。

 「俺は着替え中だ、勝手に開けて入ってくんなよ。男の神秘を目撃したくなければな」

 「ひっ・・・」

 引かれたな、うん引かれたな。まぁいいや、もう大体の物は写真に収めた。後は飯塚さんと和音の財布から100円を抜き取るだけだな。

 「はぁい、もう着替え終わりましたよ」

 完全な嘘にならないように、ジーパン・Tシャツから寝間着代わりの青ジャージに着替えた。ついでに言うと、物色した形跡は100円が消えたこと以外は残していない。たたみ方から皺のいき方まで完璧に元に戻してある。自分で言うのもなんだがかなり下衆いな、屑野郎だな。こんな芸当、空き巣以外に活用できる場所が見当たらない。

 「漁ってないんですか?」

 「おかしいのぉ・・・、していると思ったんじゃが・・・」

 やっぱり気付かれないな。さすがは俺!完璧だ!!

 「このパンツに外道の匂いがする」

 部長が水玉にパンツを嗅ぎながら言う。「お前は犬か!?」とツッコミたくなるが、それをすれば物色したことを認めることになる。ここはじっと我慢しよう・・・。

 「俺は着替えていただけですよ。その根拠に、鞄の中は何も変わってないでしょう?俺は触ってないんですから」

 「「「「じーーーーーーーーーーーーーー」」」」

 皆からの視線が痛いよ・・・。美女たちに一斉に見つめられると、どうしても直視できない。眩しいものは苦手なんだよ。

 「まぁ良いかのぉ。実際に外道がやっておったとしても、物は盗まれておらんのじゃ。外道の携帯を壊しておけば問題は無いはずじゃ」

 「!!?」

 「それは名案だね!和音ちゃん!!」

 「そうだな、携帯さえ壊せば・・・」

 「ちょ、ちょっと待て!!!・・・助けろ鳥居!!」

 「先輩もこの人たちには形無しなんですね・・・、メモメモっと」

 ちょっと鳥居さん?助けてぇぇーーーーーーーーーーー!!!





 『ごめんなさい、僕がやりました

       変態       』

 こう書かれたルーズリーフの1ぺージを額に貼られ、俺は部室の片隅に正座させられていた。俺の携帯は見るも無残なほどにボッコボコにされ、そして、俺も・・・。携帯だけでなくコンパクトカメラでも撮っておいたため、物色した成果はしっかりと残っている。だが、まったくもって採算が合わない。


 「外~道君!!あっそびましょぉぉぉーーーーーーーーーーーーーー!!!」


 何故か逢坂が部室にやってきた。

 「僕が連絡しておいたんです」

 貴様か・・・、パシリの分際で余計なことしやがって!!・・・まぁいいや、俺もムシャクシャしていたところだ。ここで逢坂をボコれば俺の気も休まるか。ちなみに逢坂の傷は完治しているので、サンドバックとして優秀な働きをしてくれるだろう。

 俺は額に貼られた紙を取り外し、殴りかかってくる逢坂に足刀蹴りを決める。

 「ぐっ、がは・・・」

 無様に床に横たえる逢坂。靴を履いたまま侵入してきていたので、逢坂の体を肩に担ぎ、そのまま部室の外に放り投げる。

 「ごはっ!!」

 さらに呻く逢坂。あまりやり過ぎると飯塚さんに怒られるので、

 「次、ケンカを売ってきたら殺すからな」

 と、釘を刺すだけで留めてやった。優しいな、ノーベル平和賞を獲れてしまいそうなほどだな、うん。

 「あっ、そうだ」

 俺はあることを思い出して、悶絶している逢坂に近付いて耳打ちする。

 「部長のパンツの写真が手に入った」

 「何だと!!?」

 「五月蝿いから黙れ。来週の金曜日、その写真を売ってやるから部室前に来い。分かったな」

 「くっ、良いだろう・・・。その代り、また僕を陥れるような事をすれば、・・・絶対に殺すからな」

 「分かったよ、分かりましたよ。これからはビジネスパートナーとして頑張っていきましょうか」

 俺は逢坂の手を引っ張って立たせてやる。が、そのまま逢坂が膝蹴りを放ちやがった。完全に油断していたため躱し切れない。

 「この僕をこんな目に会わせてくれたんだ。これぐらいはいいだろう」

 「ぎ、クソが・・・」

 逢坂が成長してきやがった。一生モノの傷を残してやりたかったが、みんなの前でそれはキツイ。

 「逢坂、今度会うときは覚悟しとけよ」

 「闇討ちはもう効かないからな」

 やっぱり俺に慣れてきているんだな。はぁ・・・、面倒だなぁ・・・。

 「では、さらばだ!!」

 逢坂が偉そうに屋上から出ていこうとする。俺は、背後を見せた逢坂にドロップキックをかましてから部室に戻り、すぐさま鍵を閉める。

 「おい!この下衆野郎が!!」

 逢坂が、部室のドアを『ドンドン』と叩くいて喚く。

 「五月蝿い黙れ。闇討ちに会ってんじゃねェか」

 「くっ、油断しただけだ!!正々堂々と勝負しろ!!!」

 逢坂がキャンキャン吠える。

 「俺は真正面から戦いたくないんだよ。そもそも俺が好きなのは殲滅であって喧嘩じゃない」

 「今度の金曜日!!覚悟しておけ!!!」

 

 「はぁ、やっと立ち去ったか・・・。金曜は来ないでおこう」

 「外道は本当にセコイのぉ」

 「戦略的撤退と言ってくれ」

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