デート的なもの1
時は日曜日。俺は二葉さんの運転するリムジンに揺られて、学校近くのショッピングモールへ向かっていた。
「ご主人様、ずいぶんとお疲れのようですが」
「二葉さんのせいでもあるからな」
「なら、謝罪に私を差し上げます」
「返品します」
昨日、俺はカノンのビンタを食らった。それだけで済めばよかったのだが、ビンタされた拍子にカノンのパンツを見てしまい、さらに、癖で写メってしまったことで、俺はとにかくボコボコにされた。さらにさらに、そこで二葉さんが起きてしまい、俺がカノンを押さえつけようとしているところに乱入してきて、そこで部長からのメールがきて・・・、とまぁ、だいぶ疲れた。
「しかし、あの部長というのはなんなんですか?」
「俺の友達だな」
「ご主人様のような変態に友達ができるとは思えないのですが」
失礼だな、二葉さんには躾が必要か・・・、なんだか楽しそうだな。
「とにかく、今日はどこにも寄り道しないでくださいね」
前にこの車に乗った時は、ラブホテルに連れて行かれそうになるなどした。
「大丈夫です。行きしなはしません」
帰りはするのか・・・。大きな不安を抱えた俺を乗せて、大きなリムジンは山道を走って行った。
「ふっー、何もなかったな・・・」
「何かあった方が良かったですか?」
「何もなくて良かったです」
無事、俺はショッピングモールに着くことができた。毎日こんな調子で登校するかと思うと気が重い。
「帰りも乗っていきたいので、そこらへんで適当にぶらぶらしててください。後で連絡します」
「ダブルベットでも見ておきます」
すでに返す気力もないので、俺は二葉さんと別れて待ち合わせ場所に向かう。
「おーい、外道!」
「あぁ、部長、早いな」
俺は腕時計を確認する。時刻は12時20分、集合時間は1時だからかなり早めだ。
「部長は昼飯食べたか?」
「もちろん食べてないぞ!」
今日は一緒に昼食をとることにしていた。誰かと食事をするのはいつ振りだろう、一緒の空間でぐらいしか思い出せない。
「部長は何が食べたい?」
「んー、私はイタリアンが食べたいな」
「なら中華だな」
「最初からそう決めていたのか!」
別に中華料理が食べたいわけじゃない、ただの嫌がらせだ。
「いやぁ、美味しかったな!」
「まぁな」
適当に入った店にしては上出来だな。
「だけど、本当に外道に払ってもらっていいのか?」
「いいって、俺の義父は金持ちだからな」
「なんか成金ってかんじだな」
五月蝿い。だいたい部長は母子家庭だったはずだ。そんなところに負担をかけさせるわけにはいかない、後味が悪いのは嫌いだ。
「で、なにを買うんだ?」
ここはショッピングモールだ、何か買わなければなるまい。
「夏用の服だな。もうすぐ衣替えだし」
「あの超ミニなスカートなんかはどうだ?すごく涼しいぞ」
部長に頭を叩かれる。
「外道はとんだ変態だな!!」
変態と言われるのは嬉しくない。
「ならどんなやつが欲しいんだよ」
「・・・可愛いやつ」
「ぷふっ」
もう一度叩かれる。
「笑うな!!」
そんなに切れるなよ、ハゲるぞ。
「分かったから、俺が部長に似合う可愛い服を買ってやるから」
「本当だろうな・・・」
信用無いな、俺。
「こんなのはどうだ!!」
「おぉ、可愛い!!着てる服はダサいのにセンスはあるんだな!」
黙れ。ジーパンにTシャツの何が悪い!
「こんなのも買ってもらっていいのか?1万円くらいするけど・・・」
「大丈夫だ」
俺の100均財布はパンパンだ。今回の義父は気前がいい。
「ついでに俺の服も買っていきたいんだけど、いいか?」
「別にいいぞ!」
これまで服は必要最小限しかもってこなかった。今は金がある、高校生にもなったしオシャレくらいはしなくてはな。
「これとそれとあれにそれやらこれやら・・・」
「外道、そんなにたくさん買ってもいいのか?」
「大丈夫だ、俺には金がある!」
「合計で105万260円です!」
「・・・買うの、やめます・・・」
買い物は久しぶりだし仕方ない。金をもって浮かれすぎたな、値札を見ずに買うなんてただのバカだろ・・・。
「部長」
「ん、なんだ?」
喫茶店で寛ぎながら、俺は部長に話しかける。
「水着を買いたくないか?」
「は、はぁ!?」
やっぱり驚かれるな。でも部長の水着姿を写真におさめれば、逢坂に4,5万円で売れる。
「頼む、水着を着てくれ」
「ま、まぁ・・・、そこまで言うなら・・・」
よし、ちょろいな部長。ついでに更衣室にカメラを仕掛けてやろうか。・・・やっぱり捕まるのでやめておこう。




