引っ越し作業
「お待ちしておりましたご主人様。1週間とは長いものですね、私の排卵日が近くなりましたがどうします?」
「どうもしません」
俺は二葉さんが運転するリムジンに乗って、大王の家へ向かっていた。この一週間の間に荷物は全て送ってある。
「二葉さん、もう一度ラブホテルとか行きだしたら蹴り殺しますからね」
「では、いざラブホへ」
だめだ、二葉さんはMに目覚めている。脅しは逆に喜ばれる。
「なら、チョップします。頭蓋骨が割れるまで」
「それは辛いですね。ご主人様ならしかねませんし」
そうですよ、俺なら本当にしますよ。
「仕方ありませんね。私の部屋で一緒に寝ますか」
「寝ません!」
「ご主人様の部屋でですか?」
「俺は二葉さんの期待しているようなことはしませんよ」
二葉さんといると疲れる。一回調教してみるか。
大王邸へ着くとすぐに義父に会いに行く。
「待っていたよ。いつ振りだったかね?最近は曜日などが分からなくてね」
金持ちは曜日感覚が狂うのか?日夜働くサラリーマンたちに聞かせてやりたい。
「一週間ぶりです」
「おお、そうだったな。いやぁ、すまんすまん。今度カレンダーでも部屋に飾ってみるか。そんなことよりも、もう荷物も届いているから自分の部屋に行ってみるといい。あぁ、それとカノンが君に会いたがっていたぞ。ずいぶんと気に入られたみたいだな」
カノンが?『ここであったが百年目』ってやつじゃないだろうな。木刀でも持っていくか。
俺は、自分の部屋を確認してからカノンの部屋に向かう。ドアを開けると、相変わらずお嬢様くさい部屋の真ん中に、仁王立ちしたカノンがいた。
「な、なんで木刀なんか持ってんのよ・・・」
木刀を握った俺の手に対して、カノンのきしゃな手には何も握られていなかった。
「どういうことだ?俺を殺すために会いたかったんじゃないのか?」
「違うわよ!!そもそも会いたいなんて言ってないし・・・」
「なら何のために俺に会いたがっていたんだ?殺される以外の理由が思いつかないんだけど」
「ひねくれ過ぎでしょ・・・」
カノンがため息をつく。一緒に金髪の縦ロールが揺れる。
「胸は揺れないんだな」
「なっ、何を言うの!!私はまだ中二だし!?後2年もすればEくらいいくんだから!!」
無理だな。カノンは一生AかBだろう。
「俺は小さいのもOKだぞ。むしろ大好きだ!」
「なっ!いきなり性癖ぶちまけないでよ!!」
後ろの方で二葉さんががっくりと肩を落とす。俺は巨乳もオッケーですよ。むしろ大好きです。
「と、とにかく、今日からは一緒の家で暮らしていくわけだけど・・・」
カノンがもじもじする。写メりたいけどこの前のこともある、やめておこう。
「その、あの・・・」
はっきりしないな。なんだ?俺の弱点でも知りたいのか?
「あんたをお兄ちゃんって呼んでも、いいの?」
「もっちろんだとも!!」
いままで何人もの義妹がいたが、その中の誰も、俺をお兄ちゃんとは呼んではくれなかった。全員が全員に嫌われてたからな。
「お兄ちゃん、でいいのよね?」
「あぁ!!」
なんだかテンションあがってきたな。誰かの目玉をくり抜きたい。
俺の荷物は非常に少ない。よく家が変わるため、大きな荷物は持っていないのだ。なので、広すぎる部屋の一角だけに家具を置き、俺の引っ越し作業は終了した。
「ふぅ、そういえば明日は部長と遊びに行くのか。午前はきついから午後にしてもらおう」
携帯の扱いには慣れていないので、結局、『明日校門前午後1時』というメールに10分もかかった。
「二葉さんにもお願いしなくちゃな」
大王邸は人里から大きく離れている。一番近くのコンビニが、車で30分かかる。俺は二葉さんを呼びに部屋を出る。出るとすぐの廊下に二葉さんが立っていて、いつもどうりの平坦な声で話しかけられる。
「車の用意ですね、私は構いませんよ。ご主人様の学校へは4時間かかりますので、8時半には呼びにまいります」
俺は二葉さんにチョップをかます。
「俺はまだ何も言ってない。集合時間まで把握してるから盗撮してるだろ」
「それはご主人様を危険から守るためです」
「一番の危険はお前だ!!」
渾身のチョップを繰り出す。
「やっ、やめ!?ごふっ!」
二葉さんが気絶する。
しっかりと二葉さんの部屋へ運んでやる。意外と二葉さんは軽かった。寝顔は子供みたいで可愛らしい。
「しかしデカいな」
まじかで見ると、二葉さんの胸はデカかった。部長の2倍はあるな。いや、3倍か。
「誰も見てないな・・・」
俺は、二葉さんの胸を触ってみる。
「柔らかいな、弾力もスゴイな・・・。部長もいつかはこうなるんだろうか・・・」
来るかも知れない未来に思いをはせつつ、無防備な二葉さんを写真におさめる。
「もうちょっとこうか・・・」
「何、してるのよ?」
俺が、寝ている二葉さんの服を脱がそうとしているところをカノンに見られた。
「違う!これはいい感じの写真を撮って売りさばこうと・・・」
「言い訳無用!!」
パシン!という高い音が洋館中に響き渡った。




