新部室
「ここが新しい部室か、広いな」
「うん、外道君の小父さんスゴイね」
「あっぱれじゃ!」
俺たちは新しい部室に来ていた。その部室は屋上に建てられ、広さは教室一つ分はある。俺が頼んでできたわけだが、いまいちピンとこない
「あぁ、この部屋は靴脱いでくださいね。寝ころびたいですから」
俺は義理の家族に気を使わずにいられる空間が欲しかったのだ。アナザーホーム的な。
「部室なのに家具が置かれているのはなぜじゃ?」
「くつろげるようにだ」
「なんかいいね!」
飯塚さんは、すでに机でのんびりと絵を描いている。
「夏になればコタツとかおこうと思ってます」
「電気が通っておるのか?」
「水道も通ってるぞ」
「生活感バリバリじゃな!」
和音も鎧を脱いでテレビを見だした。最新の高画質なテレビだ。
「しかし外道、ベットまであるのはどういうことだ?」
「家が無駄に遠くてな、車で1時間半かかるんだ。だからベッドぐらいあった方が便利かと」
「外道はここで暮らす気か・・・。下宿するのか?」
そう言いながらも、部長はソファーに座って本を読んでいる。
みんな気に入ってくれたみたいだ。よし、俺もダラダラするか。
『ピンポンパンポーン。完全下校時刻になりました。生徒の皆さんは下校してください。学校に残って活動を続ける部は、職員室にて申し出てください。』
無駄にアニメ声だ、胸糞わりぃい・・・。
「そろそろ帰るか」
「そうだな。それでは文芸部の活動を終わります」
「それではの」
「それじゃあ!」
三ケ原さんと和音が帰って行った。
「外道、その、昨日は、ありがとう・・・」
「別にいいって。一緒に遊べて楽しかったし」
部長から父親のことを聞かされたあと、俺たちは閉園時間までめいっぱいに遊んだ。誰かと遊ぶのは初めてのことだったので、昨日のことはよく覚えている。
「それでだな、外道・・・」
「なんだ?」
「今度の日曜、二人きりで駅前のデパートに行かないか!?」
「なんで二人きりなんだ?」
和音や飯塚さんも呼べばいいのに。
「それは、その、外道と二人きりでいたいから・・・」
可愛いな。頭蓋骨をチョップで叩き割ってやろうか。
「部長は俺のことが好きなのか?」
ずっと気になっていたことを聴いてみる。
「え、えーっと、好き・・・、だな」
ほう、好きなのか。
「友情が芽生えている証拠だな。友情があると相手を好きになるという情報は合っていたのか」
「外道、そういう好きじゃないぞ・・・」
「じゃあどういう好きだ?」
「なっ、それはその・・・、異性というかなんというか・・・」
「よく聞こえない、はっきり言ってくれ」
「はぁ、もういい!」
部長が部室を飛び出すように出て行った。
「なんだあれ?」
友情以外の好きなんて恋愛の好きしか思いつかないぞ。でもあんな美少女に好きになられるはずがない。俺はモテない。イケメンなんて散髪屋の小父さんにしか言われたことがない。
「俺も帰るか」
俺は家みたいな部室の電気を消す。




