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腐れたちの学園生活  作者: 馬鹿面
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腐れたちの始まり

 「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の初めを使っています。

 皆さんは、世の中にいいことがあるとか思っちゃったりしてますか?あるに決まってる、とか言い出すやつもいるかと思いますが、そんなものがこの腐った世界にあるはずがない。もしあるんだとしたら、なぜ出てこない?おら、出てこいよ!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。ほらな。この世の中にいいことなんてあるはずがない。俺の家が焼けた。俺の家族が死んだ。その前ですら、俺は笑った覚えがない。だから決意したんだ。

 この世界を壊すって。

 「ゴラァーーーーーッ。滝川ァァァァァーーーーッ」

 職員室に、若い女の声が響き渡る。





 「んっ?何なんですかぁ?」

 俺は職員室に呼び出されていた。職員室には濃いコーヒーの臭いが漂っている。

 「何なんですかぁ、じゃない!!なんだこの作文は!?」

 先生が、ールを履いた長くてきれいな足を組みながら、俺が頑張って書いた作文をペラペラと揺らす。

 「何って、将来の夢の作文に決まってるじゃないですか。先生が出した課題でしょう?」

 「これが将来の夢って、どうかしてるぞお前!!」

 「いちいちキャンキャン五月蝿いんですよ。ここ職員室ですよ。もう少し声のボリューム下げてください」

 先生は、こちらを睨んできている他の先生たちに苦笑いを返す。

 「・・・こっ、コホン。まぁあれだ、これはどうにかした方がいいぞ」

 「実体験を踏まえた方が面白いって聞いたんで、そういうのも入れてあるんですよ?」

 「分の構成のことを言ってるんじゃない。そして面白くない、笑えない。誰がこんな実体験聴いて、面白いと思うんだぁ?」

 「結構いると思いますよ、人の不幸聴いて喜ぶの。少なくとも俺はそうです」

 先生は深いため息をつく。何か変なこと言ったか?

 「それはお前が特別なだけだ。変態が自分を普通だと思うな」

 「生徒を変態呼ばわりしていいんですか?まだ教師3年目でしょう?」

 「教師歴は関係ないだろ。そして、初めて持ったクラスにこんな問題児がいた私の気持ちになってくれ」

 入学して二か月しかたってないのに問題児扱いか・・・。まだ問題は5、6回しか起こしてないのに。

 「はいはい、それじゃあ説教終わりましたか。俺は帰ります」

 「まだだ、まだ話がある」

 教師は組んでいた足を組み替えて、少し真剣な顔ををする。

 「えっ!?何なんですか、急に改まったりなんかして」

 「実は折り入って頼みがある。お前に少し頼みたいことがあるんだ」

 「いやです」

 「即答すんな!!せめて頼みごとを聞いてから断れ」

 「どうせ断るんだから、早めに断っといたほうがいいかなって」

 「はぁ、そんなんだから友達ができないんだよ」

 「む、それは聞き捨てならないですね。俺は友達ができないんじゃなくて作ってないだけです」

 「はいはい分かったから、とりあえず私についてきなさい」

 「だからいやですって」

 先生は、有無を言わせず俺の手首を掴んで連れて行った。顔はいいけど性格がオバサンくさい。




 「何なんですか、ここ」

 俺が連れてこられたのは美術室だった。高校に入ってからは芸術科目を取っていないのでこの教室に来るのは初めてだ。

 「まぁとりあえず入れ。後で事情を説明してやる」

 「人に頼みごとをしているのに偉そうですね」

 「お前は本当に腐ってるな」

 「どうも、ありがとうございます」

 「お前のそういうところを言ってるんだぞ・・・」

 教師は、一度大きくため息をつくと、美術室へと向き直る。

 「邪魔するぞ」

 「お、お邪魔します」

 恐る恐る美術室へと足を踏み入れる。美術室には、一人の女生徒がいるだけだった。

 「ああ、こんにちは、五十嵐先生っ」

 「五十嵐先生っていうんですか?」

 「もう2か月も担任やってるのに、なぜまだ覚えていない?」

 そんなことより、先ほど教師に挨拶をした女生徒は美少女だった。まぁビッチだろう。大体美少女はビッチだ。一見清純そうに見えるがモテまくっているに違いない。リア充爆散しろ!そして、オラにリアルを分けてくれ。

 「先生、依頼って美術部に入ることですか?入部届出して、数合わせぐらいはしてあげますよ」

 まぁ、1度も行く気はないが。

 「いや、違う。部に入るというのはあってるが、目的はあそこだ」

 教師が指差した先には一つの古めかしい木の扉があった。美術室の奥にあるということは、倉庫かなにかだろうか。教師が指差していた扉を開ける。中にはまた美少女がいた。ああウゼぇ。マジでリア充爆散しろ。

 「どうしたんですか?五十嵐先生」

 「ちょっと、今日は紹介したい奴がいてな」

 「滝川たきがわ じんです。よろしく」

 俺は素直に自己紹介をする。幽霊部員になるくらいなら、いつでもオッケーだ。

 「馴れ馴れしくするな!貴様みたいなタイプは嫌いなんだ」

 前言撤回。こんな奴のために俺の貴重な時間を分けてやる必要はない。俺が部屋を出て行こうとすると教師に手首を掴まれる。

 「こいつも悲しいやつなんだ。少し腐ってしまっているが、根はいいやつだ。許してやってくれ」

 はぁ、面倒くさいが仕方ない。俺は倉庫に残ってやることにした。しかし、出会って10秒の人間に対して嫌いとまで言うとは。四肢をもぎ取ってやりたい。

 「私の頼み事は、お前にこの文芸部に入り三ケ原と仲良くしてやってもらうことだ」

 「なんで俺なんですか」

 「この子も腐ってはいるが君ほどではない。このままいけばここまで腐るぞ、という反面教師になって欲しいんだ」

 「とことん生徒をバカにしますね。それに俺は高1ですよ、だから年齢は同じか下なはずですけど」

 「腐り具合と年齢は関係ない。それにこれはお前のためでもある。少しは他人と関わって価値観を修正しろ」

 さっき俺に失礼なことを言った美少女の方を見る。こちらの方になど興味がないようで、大量の絵が綺麗に並べられた倉庫の中で椅子だけ出して、分厚い本なんざを読んでいる。

 「同い年だし仲良くできると思うんだよ。どうだ?滝川」

 「いやです。向こうも嫌なみたいですし、俺は家に帰ります」

 椅子に座って本を読んでいた美少女の肩が、ピクッと動く。

 「えっ、いや別にそんなに嫌という訳じゃ・・・」

 ん、なんだ?これは俗に言うツンデレというやつか?

 「わ、私の方はダメという訳じゃない!!そっちがそこまで言うなら、文芸部に入れてあげないこともないぞ?」

 「はぁ!?何言ってんの?・・・先生、妄想癖が酷いみたいなので病院に連れて行ってあげてください」

 「向こうが仲良くしようって言ってるんだから仲良くしてやったらどうだ?」

 「こんなビッチと仲良くしたくないですよ」

 「なっ、私はビッチなんかじゃない!!」

 「そうだぞ、三ケ原は処女だ」

 「先生!!そ、そんなこと言、言わないでください!!!」

 顔を真っ赤にして、黒く長い綺麗な髪を振り乱して言う。

 「先生、その話受けますよ」

 「エッ、本当にいいのか!?」

 「ええ、もう弱みも握りましたし」

 俺は懇親の笑みを込めて言う。

 「お前・・・腐ってるな」

 「褒め言葉、ありがとうございます」

 胸に左手を当て、綺麗に45度頭を下げる。

 「まぁ、そこまで言うなら・・・、入れてあげなくも・・・」

 三ケ原と呼ばれた美少女はまったく素直じゃない。友達、いないんじゃないだろうか。

 「で、先生。どういう計画があるんですか」

 「計画?」

 「えっ、計画なしですか?」

 「いったい何のことをいってるんだ?」

 「この腐った人をまともに戻す計画ですよ」

 「あぁ、とりあえず文芸部に入って仲良くしろ」

 はぁ、そうですか。

 「それで、いつぐらいに辞められるんですか」

 「まぁそう言うな、学園生活中ずっと仲良くしてやってくれ」 

 「嫌ですよ、こんなやつとずっと一緒にいるなんて。今でも反吐が出そうなのに」

 「そ、そんなに嫌がることないだろう!!」

 三ケ原が涙目だった。そんなに嫌なことを言っただろうか。

 「思いっきり俺のこと嫌いって言ってたくせに、自分のこととなると嫌なんだ。本当に性格が腐ってるな」

 「そんなことはない!!」

 美少女が赤くなっていた顔をさらに赤くして言う。いやぁ、楽しいねぇ!

 「まずは自分が悪かったって謝れよ。ツンデレか何か知らないけど、人に対して失礼なことを言ったんだから。ほら、早く謝れよ」

 「わ、私は・・・」

 「あぁん、聞こえないなぁ」 

 ついに、三ケ原の頬に涙がつたった。

 「そんな、こんなの・・・、っく!」

 三ケ原が部屋を飛び出す。

 「おい、追いかけろ!!」

 先生が、唾を飛ばしながら俺に命令してくる。

 「えー、なんで俺が」

 「もともと友達が欲しいって言ってた三ケ原のために、ちょうど空いていたお前を連れてきたんだ」

 「そんなの知りませんよ」

 「このままだと本当にダメになってしまうぞ!」

 「ダメになればいいんじゃないですか」

 「ちっ、もういい!」

 教師がヒールの音を響かせ出て行った。

 「はぁー、やっと終わった」

 教師の評価は低くなったかもしれないが、これ以上関わる気にはなれない。これ以上人と関わると蕁麻疹が出てしまいそうだ。教室においてきた鞄をとりに行こうと思い美術室から出ようとすると、

 「滝川君、だよね?」

 美術室にいた美少女が話しかけてきた。面倒だが、一応話をしてみる。

 「そうだけど。いったいどうしたんだ?こっちは帰るので忙しいんだけど」

 「三ケ原さんはね、いつも一人ぼっちだったんだ」

 まぁ、あの性格なら当たり前だ。

 「それがどうかしたのか?」

 「三ケ原さんの父親は犯罪者だったんだ。三ケ原さんが中学の時、人を殺しちゃったらしくて・・・。それがキッカケでいじめを受けて・・・」

 ほう、それで心を閉ざしていたと。そして同じく心を閉ざしていた俺に少し親近感でもいだいていたのかもしれない。問題起こしてるせいで有名人だしな。実際に会ってみると性根の腐った嫌な奴だったのでショックを受けたと。

 「そんこと知ったこっちゃない。なんでそんなことを俺に言う」

 「だって会話とか聞いてたんだけど、三ケ原さん、滝川君と仲良くなろうとしてたから・・・。私が話しかけても素っ気なかったのに、滝川君とは仲良くなろうとしてた!だから、その・・・」

 「仲良くなって欲しいと?自分には冷たかったのに?」

 「三ケ原さん、本当はいい子なんだよ!でも人に心を開けてないっていうか・・・」

 だいたい分かった。つまりは三ケ原を助けてやって欲しいと。心を開いてやって欲しいと。ずいぶんと好かれてるな、三ケ原。俺の方としても、後味が悪いのは好きじゃない。頼まれたし仕方がない、一応探してやるか。

 

 


 

 「先生、三ケ原は見つかりましたか?」

 かつかつ鳴らしながら走る教師を見つけたので話しかける。

 「いや、はぁはぁ、だいたい探したと、はぁはぁ、思うんだが・・・」

 「もう年なんだから休んでてください。それにヒールでしょう?後は俺が探しておきます」

 「!?」

 なぜそこまで驚く?

 「それじゃあ頼んだぞ」

 笑いながら言ってくる。いったい何が楽しいんだ。

 「とりあえず行ってきます」

 「ああ、がんばれよ!」

 はぁ、めんどくさい。なんでこんなことしてんだろ・・・。





 三ケ原は意外とあっさり見つかった。

 「なんでこんな所にいるんだよ・・・」

 三ケ原がいたところは屋上だった。この学校では屋上は封鎖されているのでどうやったのかは分からないが屋上の鍵があいていた。

 「はぁーっ、ベタすぎだ!ほとんど探してねぇぞ」

 教師と別れた後、あと探してない場所は封鎖されている場所ぐらいだと思い屋上に行ってみるとこれだ。

 「鍵が開けっぱなしだったぞ。探してもらう気満々じゃねぇか」

 「そ、そんなことは・・・」

 三ケ原の目元は泣き腫れて赤くなっていた。この状態でも可愛い。全関節外すぞ。

 「まぁあれだ、悪かった。何が悪かったのかは分からないがとりあえず謝っておく、ごめん」

 人に謝ったのはいつ振りだろう。両親が死んだ10年前ぐらい前だろうか?

 「ご、ごめん。わた、私も、その、緊張して・・・。その、冷たい態度とか、ぐすっ、とって」

 「別にいいって。そんなことより入部届ってどこだ?」

 「えっ!?入部、届?」

 探してやったんだから当たり前だろう。ここまでしてやったんだから最後までやらないときりが悪い。

 「お前が文芸部部長だろ?」

 「ああ・・・」

 「これからよろしくな、部長!」

 三ケ原改め、部長の顔がぱぁ、と明るくなる。これを機に、俺も頑張って友達作りでもやってみるか・・・。

 「なんて呼べばいい?」

 部長が話しかけてきた。滝川でもよかったが、ちょくちょく名前は変わるのでゲームなどに使うニックネームにすることにした。

 「腐れ外道くされげどう、外道でいいから」

 「えっ、それでいいのか!?」

 「もちろん。むしろ褒め言葉だ」

 「そ、それじゃあ・・・、外道?」

 「何ですか?部長」

 

 こうして、俺たちの腐った学園生活が始まった。

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