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第八章 「守護者と破壊者」

「おい、スゥ、大丈夫か!?」

 ジークは走っていって、その場に倒れ込みそうになったスゥの体を受け止めた。

「ジークさん、あたし……」

 スゥはジークを迷いを宿した眼で見つめた。

「ったく、どうしてお前はいつもいつも、黙っていなくなるんだよ」

 ジークはスゥの言葉を遮って言った。その声にどこか怒りが篭っている事に、スゥは驚いた。だが、言うべきことは言わなければならない。そう決心して、スゥは深く呼吸して混乱している心を鎮めようとした。

「ごめんなさい、ジークさん……」

 スゥはそう切り出す自分の声が震えていることに気がついた。

「あたし、これ以上……ジークさんと一緒にはいられないの……」

 ジークはその言葉に眉をひそめた。スゥが言いたいことは大体想像がついたが、あえてジークは尋ねた。

「……どうしてだ?」

「だって、あたしは悪魔だもん……」

 スゥは悲しそうな声で言った。

「ジークさんだって、見たでしょ、あたしの力。これ以上一緒にいたら、そのうちきっと、あの力が暴走して、ジークさんの事を傷つけちゃうことになるかもしれない……だから、そうなっちゃう前に……」

「そうなる前に、お前がオレの前からいなくなったとして、それで何が解決する?」

 ジークは毅然とした声で言った。

「もしそれが元でお前が悪魔に捕まりでもしたらどうする? オレの予測じゃ、あいつらの目的はお前が持ってるその力だ。もしそれがあいつらの手に渡って、悪魔がさらに強大な力を手に入れたら、お前はどう責任とるつもりだ?」

「……それは……」

 スゥは言い返すことも出来ずにもごもごと言った。

「それにだ」

 ジークは続けざまに言う。

「お前がいなくなったとして、それでオレが安全になると本当に思うのか?」

「ふえ、どういう意味……?」

 スゥはジークの言葉の意味が分からずに聞き返した。

「オレはリィトだ」

 ジークは答えた。

「リィトは表向きじゃ旅人どうしが助け合うための集団って事になってるけど、実はそれはただのカムフラージュなんだよ。リィトの本来の目的は、どの国家にも属さずに、中立な立場で平和を護ることだ。だから、お前が居ようと居まいと、オレは結局悪魔とは戦うことになる。その時に、お前がどっちに居た方がいいかなんて分かりきってるだろ」

「でも……」

 スゥはまだ納得がいかないというような声を出した。

「もし、あたしの力が暴走したら……?」

 それがスゥの一番の懸念だった。

「お前の力が表に出てくるのは、お前が強い怒りに駆られた時だ。だったら、そうならないように気をつければいいだろ」

「それはそうだけど……」

「なあ、これ以上何の問題があるって言うんだよ」

 ジークは言った。

「気になることがあるなら何でも言ってみろよ。自分一人で思い詰めて、勝手に逃げ出したって、互いにとって意味ないし、辛いだけだろ」

「あたしは……」

 スゥは眼を伏せて言った。

「ジークさんとか、他の人が何を言ってくれたって、あたしが悪魔だっていう事実は変わらない……今はまだ良くても、これから一体自分がどうなるのか分からない……あたしは、それが怖いの」

 スゥは、心の奥底に渦巻く恐怖と不安を少しでも抑えようとするかのように、自分の肩を抱いた。

「きっと、ジークさんには解らないよね……まるで自分が、少しずつ、自分じゃない別の何かに変わっていってしまうような不安……まるで魂の真ん中から、じわじわと真っ黒に染まって行ってしまうような恐怖……もしかしたら明日には、もう自我を無くして、ただの殺戮者になるかもしれないような人の気持ちなんて」

「おい、スゥ……」

 一体どうしたんだ、と言いかけて、ジークは不意に言葉を切った。腕の中のスゥの身体が、まるで雪山の真っ只中に取り残された子供みたいにぶるぶると震えていることに気がついたからだった。ジークは、そんなスゥに何もしてやれない自分に異様に腹が立った。

「あたし、怖い……あたしの真ん中に、何かがいるの……初めは、ほんの少し感じるだけだった……でも、それがだんだんあたしの中で大きくなっていって……それが、少しずつ、あたしの心に、魔の手を延ばしてくるの……」

 スゥは己の肩を抱く力を、血が滲むほどに強めた。それでも、震えが収まる気配はない。俯いた目は虚ろになり、もはや外の世界を見てはいなかった。スゥのあらゆる神経は、己の内なる恐怖に怯えるあまり、外界の事などには構っていられないようだった。

 その時になってやっとジークには、スゥが考えていたことがはっきりわかった。スゥは、自分が少しずつ悪魔に近づいて行っていることを知っていて、ジークの身の安全の為にジークから離れようとした。

 もし、この事を知っていたら、本人がどう言おうと自分はスゥを離したりはしないだろう、とジークは思った。その事はスゥにも分かっていて、それゆえ何も言わずにいなくなろうとしたのだ。

「……怖いよぉ……ジークさん……」

 スゥは体を丸めた姿勢のまま言った。

「怖い……助けて……」

 その言葉を聞いた時、ジークにはもうそれを見ているだけで居ることなど出来なかった。

 ジークは生まれて初めて、自分から他の人間を抱きしめた。自分の肩を抱くスゥの腕の上から、スゥを強く抱きしめたのだ。どうしてそんな事をしたのか、ジークには分からなかった。考えるよりも前に、体が勝手に動いていたのだ。

「大丈夫だ、スゥ――」

 ジークは、相変わらずぶるぶると震えるスゥの耳元に向かって言った。


「――オレが絶対に、お前を護ってやるから」


 その時だった。

 突然、ジークの体が煌めき出した。

 それは、ベリウスと戦った時に顕れたのと同じ、ジークの『力』だった。恐らく、スゥを護る、というジークの強い意志に反応したのだろう。

 しかしその煌めきは、戦いの時のものよりもずっとずっと優しく、暖かい光だった。その光は、ジークの体から離れると、まるで雪の結晶のような形になって、スゥの上に降り注いだ。

 すると、ふいにスゥの身体の震えが止まった。腕からは力が抜け、肩を掴んでいた手はリラックスしてだらりと垂れ下がった。瞳には生気が還り、透き通るような輝きを取り戻していった。まるで光の結晶が、スゥの中の恐怖と不安のすべてを、一瞬で取り除いてしまったかのようだった。

 やがてジークの煌めきが消え去った時、どこか疲れた表情と、己の血が滲んだ指先を除けば、さっきまでのスゥの豹変ぶりを示す証拠は何一つなかった。

 ジークには、一体何が起こっているのかまったく分からなかった。というより、何が起こったかなど今のジークにはどうでもよかった。今のジークには、スゥの事以外何も考えられなかった。

 小柄なスゥの身体が、ジークに寄り掛かってきた。突然の事に驚いてジークが見ると、スゥは安心しきった表情で目を閉じていた。その目からは、大粒の涙が流れ出ていた。

 スゥの身体の感触に緊張しながらも、ジークはぎこちなくその身体を受け止めた。スゥは頭をジークの胸に持たせかけた。

 しかし、しばらくするとジークもだんだん恥ずかしくなって、スゥを引き離そうとしてみたが、スゥは動かなかった。

 見ると、スゥは寝息を立てていた。

「……って、人にもたれ掛かったまま寝るやつがあるか、アホ!」

 そんなジークの怒号にも、スゥはまったく目覚める様子はなかった。



「ふああ、おはよ、ジークさん」

 しばらく経って草の上に寝かされていたスゥはやっと目覚めた。いつも通りのおっとりしたその表情に、恐怖に打ち震えていたさっきのスゥの面影はない。

「スゥ……大丈夫なのか?」

 ジークは驚き半分、安心半分で尋ねた。

「うん……なんだか、あの光の結晶をみてたら、あたしの悩み事なんて、どうにでもなりそうに思ったの。不思議な事だけど、まるであの光があたしから不安とかををぜんぶ吸い取ってくれたみたいに……それに、あたしの中の『ヤマ』も、なんだかすごく落ち着いてくれたみたいだし」

「ヤマってなんだ?」

 ジークは訳が分からず聞き返した。

「あたしの『悪魔の力』のこと」

 スゥは答えた。

「そうか……」

 ジークは考え込むように言った。

「ね、ジークさん」

 スゥはジークの方に身を乗り出して言った。いきなりの事にジークは反射的に後ずさる。

「な、なんだよ」

「さっきのあれもやっぱり、ジークさんの『力』の一部なのかなぁ?」

「分からない」

 ジークは答えた。実際、ジーク自身も戸惑っていた。今まであの『力』は戦うための物だとばかり思っていた。ところが、今度は戦闘などとはまったく関係のない場面で、その力を発揮した。どうやら、あの『力』は戦うための力ではないようだ。

「そんな事より、お前は本当に大丈夫なのか?」

 ジークは心配そうに尋ねる。さっきのスゥの有様を見ていたジークにしてみれば、今こうしてスゥが何事もなかったかのように話すのは不自然なようにさえ見えた。

「大丈夫だよ。心配してくれてありがと」

 スゥははっきりと答える。しかし、それでもジークが納得いかない様だったので、続けて言った。

「あんね、ジークさん……あたし、一つ気づいたことがあるの」

「気づいたこと?」

 スゥの調子がいつもよりやたらはきはきしているので多少気圧されつつジークは聞いた。もしかしたらあの光の効果が効き過ぎたのかもしれない、とジークは思った。

「前にあたしが、『魔之手』を使ったとき、ジークさんが呼び止めてくれたから、あたしは自分を抑えられた。でしょ?」

「お前がそう言うんなら、そうなんだろうな」

 ジークは答えた。実際に『魔之手』を使ったことがある訳ではないジークにとっては、何とも言い難いことだ。

「そんでね、今日あたしがジークさんの所から逃げ出した時、あたしの中でヤマの存在が一気に大きくなったように感じたの。たぶん、あのままだったら、あたしの心はヤマに乗っ取られてた。でも、そこにジークさんが来てくれたから、そうならないで済んだの」

「! ……なるほど、もしそれが本当なら……」

 そこまできてジークはスゥの言わんとするところが分かった。

「オレの存在と、オレの持ってる『力』が、ヤマを抑えてるってことか?」

「あたしは、そう思う」

 スゥは言った。

「それに、あたしも最近になって気がついたんだけど、なんだか、ジークさんと出会ってから、昔ほど周りの人に嫌われなくなってるの。だから、たぶんそれも関係があると思うの」

 今まで謎に満ちていた様々なことが、少しずつだが一つに繋がりつつあった。もっとも、まだ分からないことは多すぎるから、あまり決め付ける訳にも行かないが、それでもただ一つ、浮かび上がってくる事実があった。

「なんつーか、こうしてみるとオレとお前の出会いって、偶然とは思えないな」

 ジークは何気なくそう口にした。生まれてこのかた運命など信じたことはなかったが、今回ばかりはそれくらいしか説明する方法がなかった。

「それで、」

 ジークはふと、聞き忘れていたことがあったのを思い出した。

「結局お前は、これからも一緒に来てくれるのか?」

 スゥはその質問に一瞬ぽかんとしていたが、すぐにその意味が分かったように微笑んだ。

「ジークさんが、来てほしいって言ってくれるんだったら」

「え、オレは、別に……」

 予想外な反撃に、ジークはしどろもどろになる。

「だ、だから、お前の好きにすりゃいいだろ、ったく」

「ちゃんと言ってくれなきゃだめ!」

 スゥは意地悪く詰め寄る。

「なんでだよ!?」

 ジークはたじたじして言った。

「理由なんかどーでもいーじゃん!」

 スゥは言った。

「ジークさんもオトコだったら、はっきり言ってよ」

「……」

 ジークはばつが悪そうに頭を掻いた。

「……わ、わかったよ、ったく」

 ジークは半ば時間稼ぎに言った。とはいえ、スゥは変なところが頑固なので、言い出したら止まらない。どちらにしろ、最後には言うしかないのだ、とジークは覚った。

「スゥ、その……た、頼むから、これからも、オレと一緒に来てくれ」

「うん!」

 スゥの妙に満足した顔に、ジークは余計に恥ずかしくなって赤面した。

 まったく、スゥという存在は、相変わらず訳が分からない。



―数日後 ゾド山脈・緑龍峠―


 現在、世界で最も標高が高い山脈であるゾド山脈。その一角にある緑に覆われた峠。その中にあるとある空き地のような所に、一人の白髪の老婆が座っていた。その両脇には松明が燃やされ、老婆の姿を赤く照らし出していた。辺りの森は静けさに包まれ、動物の足音一つ聞こえない。

 そんな静寂の世界の中心で、老婆はまるで自身がその静寂の一部と化しているかのように、物音一つ立てずに黙想していた。

 この老婆こそ、ジークも属する『リィト』の指導者であり預言者でもある女性、テグレスだった。

 その時、彼女を取り巻く完璧な静寂を唯一乱す音が入ってきた。テグレスからみて左の木々が揺れたかと思うと、その木から一匹のイタチが飛び降りてきた。テグレスはゆっくりと振り返ってじぶんの傍で立ち止まったそのイタチを見た。

「なあ、テグレス」

 仕事を終えて帰ってきたリゲルが、そのテグレスに向かって言った。

「ジークは例の要求を拒否したぜ」

「そうかの」

 テグレスは抑揚のない声で短く返した。

「なんだ、意外と驚いてないみたいだな」

 リゲルはテグレスの様子を訝しんで言った。自分が出した命令が拒否されたというのに、まるでそうなることが始めから分かっていたかのような反応だった。

「もしかして、こうなる事が始めから分かってたのか?」

 そこでリゲルは尋ねた。どうにも、この預言者の考えることはまったく理解できない。尤も、それがさらに彼女の預言者らしさを強調してもいるのだが。

「いや、分かっていた訳ではない」

 テグレスは答えた。

「ただ、そうなることを望んではいた、と言ったところかの」

「預言者なら、どんな事でも見通せるんじゃないのか?」

 リゲルが聞く。

「どうやらお主は、『預言』の能力を履き違えとる様じゃな」

 テグレスは言った。

「お主が今言った『何でも見通せる能力』とは予言の事じゃろう。しかし、わしの持つ『預言』の能力は、それとはまったく違ったものじゃ」

「じゃ、一体どんな能力なんだ?」

 リゲルは首をかしげる。

「預言者、とは『神の言葉を預かる者』と言う意味じゃ。預言者は神に仕え、その神の言葉、いわゆる天啓を預かり、伝えるのが仕事なのじゃよ」

「ってことは、その神様が教えてくれること以外は何も分からないってことか?」

「簡単に言えば、そういうことじゃ」

 テグレスは言った。

「だから、なんだか知らないがあんたがジークに関して頭ん中で予想したことも、オレを使って確かめない内は、はっきりとは分からなかったと?」

 リゲルは少し考え込んでから聞いた。

「その通りじゃよ」

「で、結局そのことで何が分かったんだ?」

 リゲルは話している内にだんだんともどかしくなってきた。いつもこっちが一番知りたい情報を隠してくる、この気難しい婆さんを相手にするのは、いつも肩が凝る。

「わしが長いこと待ち望んだことが、ついに果たされる時が来たということじゃよ」

 そんなリゲルの心情を知ってか知らずか、なおもテグレスは核心を避けるように答えた。

「……そうかいそうかい」

 リゲルはついに諦めたような声で言った。

「忠実で信頼のできる伝令役に教えてやることは何一つないって訳かい!」

「そうじゃ」

 テグレスはごく当たり前のように言った。

「……ひでえな」

 余りに冷たいテグレスの態度に、リゲルは怨みがましい声で言った。

「そんな事より、リゲル、クレオスナ祭が始まるまでにアルスに向かうように、ミンネに伝えてくれんかの」

「そんな事よりって……つーか、オレはテグレスの奴隷じゃないっつーの!」

「どこの反抗期の子供じゃよ」

 テグレスは思わずつっこむ。

「うるせえな、こんな扱いされたら反抗したくもなるぜ」

「ほほう、お主、わしに向かってそんな態度を取るということは、アレがどうなっても良いという事じゃな?」

「うっ、そ、それは…まさか…お前…」

 テグレスの意味深な台詞を聞いた途端、リゲルはあからさまにたじろいだ。

「分かったら、さっさと行くのじゃ」

「ちっ、わ、分かったよ。行きゃあ良いんだろ、行きゃあ」

 忌忌しげに捨て台詞を吐くと、リゲルはやけに焦った様子でその場を去って行った。

「さてはて…」

 リゲルが去った後、テグレスは感慨深げな表情を顔に浮かべて、周りを覆う木々の間からちらちらと覗く青々とした空を見上げた。

「…ラトスよ、見ておるか。お前とフィリナが何よりも望んだことが、ようやっと、果たされようとしておるぞ」

 テグレスは天に向かってそう告げると、しばらく天を見つめつづけた後、ふいに考え事をするように顔を俯けた。



―ゴールテス地方・スピルナ公国首都アルス―


「ふわぁあ…」

 期せずして西の端から東の端まで横断して来た広大なるスピルナ公国。その全ての国土の総本山として存在する首都アルスを見て、スゥは感嘆の声を上げた。

 人生の大半をセル国にあった人里離れた山小屋で過ごしてきたスゥにとっては、ジークと出会った日にパテルを丘の上から一望した時、この世にこれほど大きな街が存在したのかと、信じれない思いだったのだが、たった今、目の前に広がるアルスの規模に比べれば、パテルは本当に田舎街だったのだと思い知らされた。

 パテルでは、それを囲む城壁は端から端まで視界に入っていて、その丸い形がまるでケーキみたいだなどと冗談も言ったものだったが、このアルスは、まだ遠く離れた場所から眺めているだけだというのに、ごちゃごちゃとした玩具のように連なる町並みがどこまでも続き、とてもその全てを視界に収めることなど出来なかった。

 アルスは周りを山々に囲まれた盆地で、街の上に目をやると、青々とした美しい山腹が遥か遠くに見えた。ジークによると、東端の山の麓に、目的地であるフェルメ・エトワル城があるはずだという。

 しかし、こんなに大きな街を通り抜けて行くとなると、それだけで相当な時間がかかってしまいそうだとスゥは思った。

「スゥ、そんな所に突っ立ってないで、さっさと行くぞ」

 前の方からジークが急かす声が聞こえる。

「え~、ちょっとぐらいいーじゃん」

 スゥは不満そうに抗議した。

「そりゃ、ジークさんは前に来たことがあるかもしれないけど、あたし今まで、こんなおっきな街なんて見たことないんだもん」

「そうは言っても、もうクレオスナ祭は近いんだぜ。街の景色なんて、また今度見に来れば良いだろ」

「ふえ、また連れて来てくれるの?」

 スゥは驚いたように言った。

「ああ、気が向いたらな」

「…信用できないなぁ」

 ジークの言葉を濁すような言い方に、スゥは疑わしげに言った。

「ったく、分かったよ。今度またちゃんと連れて来てやるから、今は早く行くぞ」

「しょうがないなぁ…」

 スゥはなおも不服そうにそう言うと、諦めたようにジークの後について行った。

 中に入ってみると、アルスという街が、ただだだっ広いだけの街ではないことが、スゥにはすぐに分かった。クレオスナ祭の影響で特別賑わっていることを差し引いても、この街の賑やかさは他に類を見ない物だった。

 街が広いのと同時に人口も多く、需要が大きいためか、そこら辺の店の規模一つとっても、スゥが今まで見てきたどんな街にもないような大きさだった。もちろん、少し見渡すだけで面白いものばかり見つかるそんな場所で、あのスゥが目的地までまっすぐ歩けるはずもなかった。

「ね、ジークさん見て!ケーキ屋さんがあるよ!あれ買って!」

 スゥは道の脇にあるケーキ屋のショーケースにある、展示用の直径八十センチはあるかといういかにも高級そうな巨大なケーキを指差して言った。

「…あんな大きなケーキ買ってどうするんだよ」

「そんなの、一人で食べるのに決まってんじゃん」

 何を馬鹿な質問をしているのか、と言わんばかりの調子で即座に答えるスゥ。

「つーかお前、さっき昼飯食ったばかりだろ」

「そんなの、関係ないもん」

 スゥは頬を膨らませながら抗議するように言う。

「とにかく、オレは買わないからな」

 ジークは構わずそう言って、さっさと先へ進もうとした。が、スゥは諦める様子はなかった。

「買ってくれないと…買ってくれないと…」

 スゥはそう言いながら段々と声を震わせていった。

「買ってくれないと、何だよ」

 ジークは挑戦的に聞き返す。

「……ぐすん」

 まるでこのタイミングを狙っていたかのように、スゥは今にも涙を零さんばかりに目をうるうるさせて鼻を啜った。

「…ったく、今回が最後だからな」

 こんな大通りの真ん中で泣かれてはまずい。ジークはどこか良いように操られているのを感じつつ、根負けして言った。

「わーい!」

 そしてジークのその言葉を聞いた途端に、さっきまでのスゥの泣き出しそうな憐れっぽい様子は、まるで初めから無かったかのようになりをひそめ、その顔には入れ代わりに満足げな笑顔が現れるのだった。

 ジークが気を変える隙を作らせまいと足早にスキップして店に向かうそんなスゥの様子を見て、ジークは心の底から大きくため息をつくのだった。

 そんな調子で何度も途中で足留めを食いながら、ジークはアルスの東端にあるフェルメ・エトワル城に向けて歩を進めて行った。祭の準備で混み合う街の中を通り抜けるのは予想以上に大変な事で、予定よりもかなり進度に遅れが出ていた。スゥは辻馬車に乗れば良いといったが、こんな状況ではむしろ馬車の方が身動きができなくなってしまうのは明らかだった。

 結局、その日の夜になっても城には辿り着けず、今夜は宿に泊まることになった。ここしばらくずっと歩き続けで疲れの溜まっていたスゥは、久しぶりにベッドで寝れると素直に喜んでいた。

 そんなスゥとは真逆に、ジークの方はというと、ふいに思いついたある疑問が心の端の方に引っ掛かっていた。

 あの新手の悪魔に襲われた町を見て以来、悪魔は何故か一度も自分達を狙って来ていない。それは、これまでの襲撃の頻度から考えると、どう考えても不自然な隙間だった。もしかすると、誰にも見えない場所で悪魔が何か新しい策を進めているのかもしれない。安宿のベッドに寝転んだ時、そんな疑問が頭を過ぎったのだった。

 こちらから悪魔たちの居場所が分からない以上、こんなことを思い悩んでも仕方がないとは思いつつも、それが気になってその晩、ジークは余りぐっすり眠ることが出来なかった。


 あくる朝は、クレオスナ祭開催の前日に当たる日の始まりだった。スピルナの中でも言うまでもなく最も巨大な街であるアルスは、それだけ住んでいる民族の種類も多い。したがって、アルスのクレオスナ祭は他に類を見ない色とりどりな祭になる。

 実を言うとこれまで祭などというものを経験したことのないジークにとっては、人々がどうしてこうも祭に興奮するのか不思議で仕方がなかった。クレオスナ祭は本来、いわゆる建国記念の祭だと聞くが、恐らく一般の人々にはそっちの意味よりも「祭」という言葉そのものの方が重大視されているらしい。

 だいたい一週間も祭を続けて、その間の経済などは大丈夫なのだろうか。そんなどうでもいいことを考えつつ、ジークは人混みの中を黙々と東に進路をとった。さしものスゥもこの人混みの中では気になるものを見つける度にちょこまか動き回ることもできないので、道草を食う事もなく後ろをぴったりとついて来ている。

「ね、ジークさん、まだお城には着かないの?」

 スゥは少し疲れた声で尋ねてきた。人混みのせいで歩くだけでも余分な体力を消費する状態なのだから、仕方のないことだ。

「もう少しだ、我慢しろ」

 ジークは向かい側から歩いてきた、ローブに身を包んだ一団を避けながら言った。少し遅れてスゥもそれに続いてくる。

「ぶー」

 スゥは頬を膨らませて不満を表現したが、はっきりと反論することはしなかった。

「ぶーっつったってしょうがないだろ。それとも、クレオスナ祭の間エトワル城で振る舞われる、スピルナトップクラスの高級料理はいらないのか?」

 ジークは『高級料理』という言葉をわざとらしく強調して言った。そして、その効果は覿面だった。

「――ジークさん、何もたもたしてんの。早く行こうよぉ!」

 数秒後、さっきまでの二人の位置関係は完全に逆転していた。ジークが少しでも気を抜くと、すかさずスゥの催促が飛んで来るので、ジークはどれだけ疲れても全く歩調を緩めることもできずに歩き続けなければならなかった。こんな事になるなら、『高級料理』などという禁句は口にすべきではなかったと、言ってしまった後でジークは後悔の念に苛まれるのだった。

 そんなこんなでその日の昼過ぎには、二人は無事にフェルメ・エトワル城に到着したのだった。

 現在、世界で最も広大な領土を持つスピルナ公国。その総本山である首都アルスの、さらにその総本山であるこのフェルメ・エトワル城は、まさにその名に相応しい城だった。実は、ジークが初めてここを訪れた四年前、まだこの城は存在しなかった。その二年後にスピルナ動乱が終結し、その時からアルト家のために急ピッチで建築されて、つい最近やっと完成したという、まだ出来立てほやほやの城なのである。

 急いで作ったという割にはその建造・装飾にはまったく手抜きはなかった。今までほとんど城というものを見たことがないジークでさえ、これほど見事な城は他にないだろうと直感してしまうほどだった。

 この城は周りを山々に囲まれた天然の要塞であり、この城に近付くには唯一山のない西側から入るか、険しい山を越えて来るしかない。その上、山を越えて来た軍隊は山の急な斜面を下るまでの間、城からの射撃の恰好の的になる羽目になる訳だ。

 それで敵が攻め込んでこれるのは西からだけということになるのだが、こちらは城の正面にあたり、堅固な城壁と鋼鉄製の城門、そしてその城壁に無数に開いた矢狭間が敵をお出迎えする事になる。

 パーティーに呼ばれて来たというのに、何を物騒な事を想像しているのだろうか、とジークは心の中で自嘲した。戦争だの悪魔だのと、今まで何かと危険な目にばかり遭って来たせいか、どうしてもこういう感覚が身に染みついてしまっているようだった。

 そう思うと、城の機能や戦略性などにはまったく興味を持たず、ただ城で出てくるというおいしい料理を少しでも早く食べたいが為に、今にも走り出さんばかりにうずうずしているスゥの素直さが羨ましく思われた。気持ちの切り替えがはっきりしているというか、マイペースというか、どちらにしてもそういう気楽さが、自分には足りないような気がした。

「早く行こうよ、ジークさん!」

 そう急かすスゥの声を聞いて、ジークはやっと我に返り、スゥに引っ張られるがままに歩いて行った。

 フェルメ・エトワル城の門は、普段は大きく開かれていて、番兵の許可さえ下りれば、誰でも簡単に中に入れるようになっていた。どうやらこの体制は、スピルナ公アルデバランの平等主義と関係がある様なのだが、それにしても随分と無用心に思えた。

 実際、ジークが番兵に用向きを伝えると、番兵はちゃんとした確認を取ることさえせずに二人を通してくれた。逆に疑わしく思える程に、その手続きはあっというまに終わってしまったのだった。


 ジークが番兵にアトルの居場所を尋ねると、北側の塔だと教えてくれた。北の塔への道順を教わると、ジークとスゥはどこか拍子抜けした気分で北の塔へ続く廊下に向かった。

 どうして、こんなに無用心でいられるのか不思議で仕方がなかった。平等主義をアピールするにしても、リスクが高すぎるように思えてならない。これでは、例えば暗殺者なんかも簡単に城に忍び込めそうだ。

 そんな風な事を考えながらぼーっとして歩いていると、初めて見る城の内装を興味深げに目移りしながら眺めていたスゥの鼻が、ふいにピクンと動いた。

「ねぇねぇジークさん、なんだかおいしそうな匂いがする!」

 スゥは俄然興奮した声で言うと、さっそく匂いの元を辿ろうと辺りを嗅ぎ回りはじめた。

「おい、スゥ、勝手に変な所に行くなよ」

 ジークはそう注意したが、スゥにはそれを聞いているそぶりは全くなく、相変わらず己の鼻の指し示す道筋をたどり続けている。その素早い動きと来たら、下手な暗殺者よりも速いのではないかと言うほどだった。どうやらいくら止めても聞きそうにないので、仕方なくジークはその後を追った。

 

 これまで嗅いだこともないようなおいしい匂いに気を取られるあまり、目を閉じたまま、まるで一本釣りされる魚のように歩いていたスゥは、ある角を右に曲がった時、その行く手から一人の人間が歩いて来ていることに、まったく気づかなかった。

 そしてその結果、当然ながらスゥは角を曲がる瞬間に、その人間におもいっきりぶつかってしまった。

「きゃっ」

「ひゃぶっ」

 二人は短い悲鳴をあげて、ぶつかった衝撃で地面に尻餅をついた。その拍子にスゥのポーチからオカリナが飛び出て、乾いた音をたてて石畳を転がった。

「……ふわわ、ごめんなさい! だいじょうぶですか?」

 スゥは、何が起こったのかわかると、すぐさま謝罪した。

「ええ、大丈夫よ。あなたこそお怪我はない?」

 ぶつかった相手の女性は優しい声でそう言って、地面に落ちたスゥのオカリナを拾った。女性はそれをスゥに返そうとしたが、なぜかふいにその手が止まった。

「おい、何やってんだよ、スゥ」

 そこにジークが遅れてやってきた。そして状況を一瞬で判断すると、相手の女性に謝ろうと口を開きかけたが、その女性の顔を見て「あ」と声を上げた。

「なんだ、お前か、ミンネ」

 どうやら女性はジークの知り合いだった様だ。ミンネと呼ばれた女性の方も、ジークを見てすぐにそれと分かったようだった。

「あら、お久しぶりですわね、ジークさん」

 ミンネは丁寧な口調で挨拶した。

「……この人、ジークさんのお知り合い?」

 スゥはジークを睨み、やたら刺のある声音で尋ねた。

「お前、何か早速誤解してないか?」

 ジークはその鋭い視線に恐々としながら窘めるように言った。

「あら、この子、あなたの連れなの?」

 ミンネもまるでそれに合わせるかのように、ジークに意味ありげな視線を送りつつ、どこか冷たい声で言った。

「お前も変な言い方するな。話がこじれるだろ」

 『この人とどういう関係なの』と言わんばかりのスゥの焼け付くような視線を感じながら、ジークはそう言ってため息をついた。

「とにかく、こんな所で立ち話もなんだから、とりあえずどっかで座ろうぜ」

 ジークは話を逸らすようにそう提案した。

「それなら、私の部屋がすぐそこですよ」

 悪のりしたミンネは、あからさまににこやかな表情でそう言うのだった。


「ふえ、それじゃあなたもリィトなんですか?」

 案内されたミンネの部屋の椅子に座って、スゥはどこか拍子抜けした声で聞き返した。

「そういうこと。普段は吟遊詩人として旅をしているのだけど、今回はあなたたちと同じように、クレオスナ祭のパーティーに呼ばれてきたんです。もちろん、あなたのジークさんとの間には特別な関係はありませんから、安心してくださいね」

 ミンネは上品に笑いながら、スゥの反応がかわいいものだから、ついからかってしまったのだと釈明した。

「ちょっとまてミンネ、『あなたのジークさん』ってどういう意味だ」

 ジークはミンネがさらっと言ったセリフに慌てて聞き返した。

「それは……つまり、そういう事でしょう?」

 ミンネはいたずらっぽくそう言うと、問い掛けるようにスゥに目を向けた。

「えへへ……つまり、そゆこと」

 スゥは顔をほんのり赤らめて、照れたように言った。

「お前も肯定するなよ」

 ジークは再びため息をつきながら言った。

「あ、そういえば、」

 その時ミンネが思い出したように言った。

「ねえスゥちゃん、ちょっといいかしら。このオカリナの事なんだけと……」

 ミンネはそう言って、さっき自分が拾って返したスゥのオカリナを指し示した。

「ふえ、このオカリナがどうかしたんですか?」

 スゥは首を傾げて尋ねた。

「それ、カレハっていう女の人から貰ったのでしょう?」

「そうですけど……どうして知ってるんですか?」

 スゥは不思議そうに聞き返した。

「もちろん、そのオカリナの事は誰よりも良く知っていますよ。だって、それはもともとは私の物だったんですもの」

 ミンネはそのオカリナをどこか感慨深げな表情で眺めた。その時スゥは、カレハがこのオカリナに宿る魔法の力について説明するとき、『前の持ち主』と言う言葉を使っていたのを思い出した。すると、このミンネがその『前の持ち主』だったという訳だ。

「ふえ、それじゃあ、このオカリナの魔力の事も、よく知ってるんですか?」

 スゥは興奮した声で聞いた。もしそうなら、幻の町でスゥが使った魔法の謎が解けるかもしれない。

「……もしかして、このオカリナの力を使ったの?」

 ミンネは驚いたように言った。

「ああ、前に悪魔と戦った時にな」

 ジークが説明した。

「あの時コイツがオカリナを吹いたら、悪魔が作り出した幻覚が消えたんだ」

 そう聞いたミンネは、さっきまでの天真爛漫な笑顔から一転、至極真面目な表情で考えに耽るように黙り込んでしまった。そして、オカリナとスゥを交互に見比べて、最後にスゥの顔をじーっと見つめた後、ふいに口を開いた。

「ねえ、スゥちゃん、宜しければ、そのオカリナを少し吹いてみてくれませんか?」

 そう言うやいなや、ミンネはどこか慌てたように自分の荷物の中を掻き回して、そこから一つの竪琴を引っ張り出した。

「たぶん、『そよぐ風』はカレハさんに習ったでしょう?」

 そう問われてスゥは首肯した。カレハから教わった数少ない曲の一つで、スゥも一番気に入っている物だった。しかし、ミンネがスゥの一番好きな曲を言い当てたのが、偶然なのかどうかはわからなかった。

「それじゃあ、私が伴奏しますから、それに合わせて吹いてくださいね」

 ミンネは手早く竪琴を構えながら言った。突然のデュエットの申し出にスゥはびっくりしたが、ミンネが竪琴の弦を優しく弾いてゆっくりと前奏を弾き始めると、どういう訳か心が落ち着いて、俄然やる気が出てきた。

 四小節分続いた竪琴の前奏の後に、スゥは唇をオカリナにあてて息を吹き込んだ。

 柔らかな風に森がざわめき、地面を照らす木漏れ日がゆらゆらとダンスをする。優しく流れる葉擦れのメロディーに合わせ、あちらに揺れて、こちらに揺れて、楽しげに舞い踊る。そんな情景を思い浮かべさせる、明るい曲。なぜだか、この曲はスゥにどこか懐かしい感情を呼び起こさせた。遠い、心の奥底に沈んだ、もはやそれがなんだったのかすらも思い出せないような昔の記憶の、ほのかな暖かさ。

 そんなものをイメージしながら、スゥはオカリナを吹いた。ミンネの奏でる竪琴の伴奏がそれを上手にサポートしてくれるので、最初の緊張が過ぎ去った後は、面白いくらいにスゥの思い通りに曲を形作っていくことができたのだった。

 演奏が終わると、ミンネはまた少し考え込んでから、微笑んで言った。

「……どうやら、そのオカリナは、千三百年ぶりに真の持ち主にであえた様ですね」

「ふえ、どういう事ですか?」

 突然言われた言葉にスゥは訳がわからず聞き返す。

「私には、人が楽器を弾くのを聞けば、その楽器と弾き手との相性がわかるんです」

 ミンネは言った。

「そしてあなたも知っての通り、そのオカリナには特別な魔法の力が宿っています。あなたがそのオカリナの真の持ち主であるということには、きっと何か運命的な意味があるはずです」

「運命……?」

 スゥは引き付けられるようにその言葉を繰り返した。

「実は、私はそのオカリナに秘められた力の謎を解き明かしたくて、そのオカリナの真の持ち主をずっと探していたんです」

 ミンネは熱っぽく言った。

「今、お前が『千三百年ぶりに』って言ったのも、そのことと関係があるのか?」

 とジークは尋ねた。

「ええ、そうです。正確に言うのであれば、千三百三十五年ぶりにということになりますが」

 ミンネは言った。

「ちょっと待てよ。今年がユースナ暦の千三百三十七年だから、ちょうど今の暦が始まってすぐの頃って事か?」

「そういうことになりますね」

 ミンネは答えた。

「……あの、ミンネさん、その話、聞かせてくれませんか」

 スゥが少し緊張した声で言った。

「ええ、もちろん、あなたは知るべきでしょうね」

 ミンネはスゥを見つめて言った。

「それでは、お話しましょう。そのオカリナに纏わる物語を……」



第八章「The Guardian and The Destructioner」完

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