3話 VS 誘拐犯
僕は森の中をスキップしながら歩いていた。
相変わらず木や植物が生い茂っていて、薄暗かった。歩いても歩いても、木や植物しか見えなかった。
だんだんと違う景色が見たくなってきたなと思ったら、木と木の間から、街が見えた。近くに街があるということは、もう少しでこの森から抜けられるぞと思った。
僕はスキップをさらに早くした。もちろん笑顔は絶やしていなかった。
しばらくスキップしていると、出口が見えた。ようやく抜けれると思ったら、すぐ近くに何やら怪しい建物が見えた。
建物は草や植物が生い茂っていて見えにくかった。僕は隠してあるように思えた建物に興味を持ち、近づいた。
建物の周りは雑草だらけだった。だが、好奇心の方がめんどくささよりも何倍も強く、草を分け入って、建物の前に着いた。
僕は、建物をノックした。
「誰かいませんか!!」
一応声をかけてみた。
返事がなかったので入ろうとした。しかし、しまっていて、開かなかった。僕はどうしても中に入りたかったので、無理やり開けた。
すると、中には物騒な男達が5,6人いた。男達の近くには、縄で縛られた少女が二人いた。
「どういう状況・・・・もしかして、これやばい状況なんじゃ!?」
言って間もなく、男達が僕を囲んできた。
「おいてめー、ドアは閉まっていたのに何で入ってきた。」
「何か探検したいと思い中に無理やり入りました。」
「探検だー、ふざけんじゃねえぞ!! こちとら今立て込んでいんだ。そんな中に立て込んでくるたあー、覚悟できているんだろうな!!」
「いやー、できていないっす。どうか開放してくだせえ!!」
「そんなふざけた態度のやつを開放するわけねえだろ」
「そっ・・・そんな・・・」
「そんな・・・じゃねえよ!! もういい、おいお前らこいつをとらえろ」
「「へい」」
すると、こいつらは俺を縄で縛った。
「おい、こんなことしていいと思ってんのか!? 後で覚悟しやがれ!!」
「たく、縄で縛られたのに、まだ偉そうなことをほざきやがる。」
「兄貴、そんな奴はほっときましょう。それより楽しまないと」
兄貴と呼びかけたものはぐへへと言っていた。
「おっ、そうだな」
兄貴と呼ばれていた男は、少女らに近づいた。
「きゃあ―――」
「近寄らないで」
少女らは悲鳴をあげていた。
しかし、男は少女らに近づき、服を破ろうとした。
「うるせー。こちとら早く楽しみたいんだよ。それにお前らのような少女はな、俺らのようなもの達を楽しませるためにいるんだ」
「そ、そんな―――!!」
「だ・・・誰か・・・助けて!!」
僕はその様子を見ていてもたってもいられず、縄を能力によってほどいた。
「よっと!!」
「「うん!!」
男達は僕の様子を伺った。僕が縄をほどいていたので驚いているようだった。
「お・・・お前・・・どうやって縄をほどいた。」
「どうやって縄をほどいただ~!! そりゃもちろんぼくちゃんの能力でほどいたのさ」
「能力だと。お前どんな能力を持っているんだ?」
「そりゃ教えるわけないでしょ。でも、ぼくちゃんの名前は教えてやる。僕ちゃんの名前は、ヴィスタだ。」
佐々木康介が本名だが、現実世界の名は使いたくなかったので、ヴィスタと名乗った。
「ヴィスタ。聞いたこともねえな。だが俺達を敵にまわしたこと後悔させてやるぜ!!」
すると、男達4人が襲ってきた。
「「おりゃー!!」」
僕はすぐさま能力を発動した。すると、僕の手にガスマスクと手りゅう弾があった。
ガスマスクを顔につけると、手りゅう弾を男達に向けて投げ入れた。それは爆発せず煙を大量発生させた。
「「な、なんだこりゃ―――!!」」
「「キャー!!」」
ガスは、建物内一杯に広がった。
やがて煙が消えると、正面に男達がいた。しかし、様相が変わっていた。男達は皆笑っていた。
「「ふはははははは――――!!」」
「ふ、ふざけん、ははははは、じゃねえぞ、はははははは」
男達は一同爆笑していた。笑っているせいで俺を襲うどころじゃないようである。
「「あはははははは」」
少女らも爆笑していた。
僕は、笑って力が入らないやつらに向かって能力を発動して出した刀で、たちどころに斬った。
残るは、兄貴と呼ばれている男だけだった。
「く・・・ははははは・・くるんじゃ、ははははは・・・ねえぞ」
男は、持っているナイフを少女の首もとに向けた。
「忠告するぜ!! やめときな!!」
僕は笑顔で言った。
「やめるかよ、おとなしくこれを解きやがれ!!」
「仕方ない。ならこれでもくらえ!!」
僕は先っぽに強力な粘着がついた長い棒を出した。その棒を男につけた。すると、男は引っ張られた。
「よ―――し、どこか遠くに飛んでいけ―――!!」
僕は、棒を強く振った。すると、男は遠くに飛んでいった。
「よし、これで終わった」
少女たちが残っていた。さらにこんな発言を笑いながらしていた。
「「ざまーみなさい、あははははははは!!」」
僕は世にも恐ろしい笑顔を見ていたのだった。
ともかく、少女らの縄をほどき、笑いを解いてあげた。
「「ありがとー!! おじさん。おかげでたすかったよ」」
「無事助かってよかった。これからはあんな変な奴らに捕まっちゃだめだぞ!!」
「「うん!! でもおじさんも変な人だけどね!!」」
「ひどいな。傷つくぞ。でも当たっているか」
「「うん」」
「「ハハハハハハハハハ!!」」
少女と僕は笑った。
そして、街の近くまで一緒に歩いた。近くまで来たら少女たちと別れた。
「おじさんありがとう!!」
「おう!! お前らも達者でな!!」
こうして少女らと別れた僕は街の中に入っていった。
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