〜スペックの暴力〜
ただただロマン砲を描きたかった。
午前のやることが終わり、私は、キクロと森の散歩に行くことにした。
11歳になりやっと、庭の周りに広がる森を歩くことが許され、1年はお父様やお母様について来てもらっていた。
12歳になるころには、キクロと私は恐らく相当この森を熟知していると自負している。
「今日はどこまで行くおつもりですか?」
「お気に入りの所」
「分かりました。では、いつものように?」
「ええ、よろしくね!」
そして、私達がついたのは、大きな岩肌の壁があり、一見何もないような場所だが、よく草木を分けて歩くと、色とりどりの花や、綺麗な湖があるお気に入りの場所だ。
「今日もいるかなぁ〜」
「恐らくいらっしゃると思いますよ」
と、話しをしていると、背後からガサガサと音を鳴らして、巨大な大熊が出てきた。
「おっ!来た来た!」
『グワァ!』
2人が目を合わせた時、大熊が先に雄叫びをあげ、その巨体に似合わない俊敏な動きで突進してきた。
「よっはっ!」
それに合わせて、私が、大熊の突進を受け流し、受け流し、大熊が振り下ろしてきた。腕を受け止め、その勢いのまま大きく投げ飛ばす。
『グゥウ、、、』
大熊が起き上がり、今度は、その場で爪を振りあげた時に、私は、空間魔法で武器のツカを出し、そのまま居合いの体制に入る。
『ガァァ!』
そして、大熊が高く上げた爪を振り下ろすと、そこから、爪の斬撃が飛んできた。
「いっせいのうっせ!」
そして、斬撃が当たる寸前、空間魔法からツカだけを出していた刀を振り抜く。
その瞬間、シャキンと音がなりそうなほどの勢いで斬撃は切り付けられ、相殺した。
だが、大熊は、居合いの後隙を狙っていたと言わんばかりに二度目の斬撃を飛ばしてきた。
「おっと」
このままでは、間に合わないと思い、空間魔法からもう一本の刀を左手で逆手に持ち、ソレを相殺する。
「そこまで!」
これからという時に、先程まで黙って見ていた。キクロが、両者に待ったの声を出す。
「ええ〜」
『グゥウ、、、』
2人いや、2匹は、不服そうな声を出しつつも刃をしまう。
「今回は、大熊さんの勝利ですよ」
『ガウ!』
「ええ!待ったを要求します!」
「お嬢様が、2本目を出したじゃないですか」
「いや、そうだけど、、、」
「少なくとも、巨大な刀と普通の刀を同時に使う人間はいませんよ」
「うぅ、、、はーい」
そう言って私は、負けを認めた。
その言葉に大熊が近寄ってきて、慰めるように頬を舐めてきたのでちょいベトベトになった。
「大熊さんもありがとうございます。今日の報酬です。」
キクロがそう言って、大熊に蜂蜜の入った瓶を渡すと、大熊は嬉しそうに蜂蜜を食べ始める。
かわいい
「普通の人間の真似って案外難しいね、、、」
「まぁ、仕方ないですよお嬢様はまだ、慣れていませんから。」
「ううう、、、」
(一応これでも前世は人間だったんだけどなぁ、、、)
そもそも、どうして、私達がこんな事をしているのは、もうすぐ私は人間が通う学校に行くからである。
お父様いわく
「人間と我々では、力の差がありすぎる。それでも滅びなかったのは、人間達は生き残れるだけの力があったからだ。ソレを一度見ておいても損はないぞ」
という事だ。なので、こうして、人間達に紛れることが出来るようにここの主らしきドラゴンベアに手伝ってもらっているという。
ドラゴンベアは名前にある通り、ドラゴンとも相対できるほどの力があり、良い練習相手になってくれているのでとてもありがたい。
そして、何より、、、
『ガウ?』
赤黒く巨大な爪や牙を持っている巨大な姿に反して、小さな瓶の中にある蜂蜜をチビチビ食べる姿がとても愛くるしくかわいい。
詳しく言えば、最初の刀が物干し竿で、2個目が普通の刀ですね。なんなら2個目の刀は投げても使います。
うん、ドラゴンスペックのごり押し!




