〜魔法使いの子孫〜
戦闘会
教室とはいえそこは一部屋根がなく盛大に転んでも傷一つつくことがない不思議な芝生になっている。
当たり前だが、他の生徒たちはそれぞれペアを組み、己にあった武器を持って打ち合っていた。
「まぁ仕方ないよね〜ルナちゃん!一緒にやろう?」
「分かりました」
そうして、私は学園に貸し出されている刃の潰された刀を持つ。
「前から思っていたのですが、それでよろしいのですか?」
「?何が?」
私は何のことか分からないでいると
「確か、自分の武器を持っているのでしたら魔法で刃を潰せば使えたはずですわよね?」
「あぁそういうこと?」
実際何人かは自分の武器を持って打ち合っている。慣れている方が扱いやすいのだから当然である。
「まぁ確かに自分の武器は持ってるけど、、、」
武器を持ってはいるが無理に使う必要がないのも本当である。
実際、私とペアを組んだ時、相手のお願いもあっていくつかハンデをつけて打ち合う。
1つ、武器は学園から貸し出される物を使用
1つ、私からは攻撃をせず受け流すだけ
1つ、私をどんな形でも動かしたら相手の勝ち
他にもいくつかハンデを言われることもあるが、大抵こんな感じである。
そして、軽いアドバイスを求められるぐらいであろう。
「私としても軽い運動になるからね〜」
この身体になって出来ることも増えたと同時に、逆に難しくなったこともいくつかあったりする。
その練習になるとは思う。
それ以上のことを求めるのは、わがままという奴だ。
「そうですか、、、」
ルナちゃんは少し考える素振りを見せた後、
「でしたら」
何を思ったのか魔力を高め始めた。
「?」
私がどうしたのだろうかと見てると、
「っ!?」
昔はよく感じた気配。
自身の喉をかき切ろうとするほどの殺気を感じ、私は考えるよりも身体が先に動き、大きく横に移動した。
それと同時かその後だろうか、先程まで無音といえる程に静かだった後方で巨大な爆発音がした。
「なんだ!?何があった!?」
教師の叫び声に続き、呆気にとられていた周りの生徒達の時間が動きだす。
「えっ!?ええ!?」
避けた私も困惑していると、涼しげなルナちゃんの声がした。
「威力は抑えたつもりだったのですが、、、」
「えっ?アレで?」
「クロア様に何か恩返しが出来ないかと思ったのですが、、、」
「私には先祖から受け継いだコレしかありませんの。ですが、クロア様に出来るだけご満足していただけるように全力で参りますわ!」
もしかして、私って戦闘狂か何かと思われてる?
それでも、ルナちゃんは本気のようだ。
あの時以上の魔力を感じる。
「私は、、、」
「さっ!次は当てますわよ!」
ルナちゃんはそういうと先程とは違い、無数の水滴から細かく素早い弾が打ち出される。
「ちょっ!」
私は、避けきれないと判断し、その弾を借りている弾で撃ち落とす。
「なっ」
けれど刀は完全に原形を崩してしまった。
けれど、ルナちゃんの攻撃はやまない。
無数の水弾を放ちながら、いくつか中心に巨大な水溜りが出来ていた。
「水魔法グングニル!」
「やば!」
あの時より威力、スピード、魔力量が何倍にも圧縮され握り拳の大きさほどだというのに、地面が抉られるほどの魔法であった。
「っつ、、な!?」
避けようとした時、足が動かなかった。いや動けなかった。いつの間に発動されたのか地面が蛇のように盛り上がり、私の足を拘束していた。
(アイツ、何ちゅう子孫残してるんじゃぁああぁぁあ!!)
私は思わず、心の中で思いっきり意味がよく分からない言葉を叫んだ。
まぁ歴代最強勇者パーティ魔法使いの子孫だからね。




