〜勇ましき者達〜
ちょっとしたクッション(?)の昔話し。
巨大なワニのような化け物を前に、3人の少女、2人の少年、1人の男性が、相対していた。
「グゥ、、、コレガユウシャノ力カ、、、」
ワニ怪物は何度目かの光の刃に斬られ忌々しいとでもいう声を上げた。
その声に、箒に乗った少女が笑いながら声を上げる。
「ふふ!そういうことよ!これこそが勇者と天才魔法使いとその他の力よ!思い知りなさい!!」
この発言に大盾を持った少年が声を荒げる。
「いや、なんで俺達はついでみたく言ってるんだよ!」
「実際あなたは攻撃を防いでるだけじゃない。デカイ図体しか取り柄のないデクノボウ」
「そのデカイ、デクノボウのお陰で安全に攻撃出来てるんだろうがよ!チビ魔法使い!」
「なによ!」
「なんだよ!」
こんな日常風景の言い合いをしつつも全員それぞれの責務をまっとうしていた。
盾役の少年が、敵の攻撃を受け止め、受け流し、それをヒラー役の少女が回復とバフを常時必要なタイミングで必要なだけかけ、剣士の俺と勇者の少女が切り込み、エルフの少年が、精霊魔法を使い弓を射り、魔法使いの少女が攻撃魔法に専念する。
基本的に当たり前の動きだが、完璧に動くことが難しいそれぞれの役割を、それぞれが淡々と行う。
一部は言い合いをするほどの余裕があるぐらいである。
「クゥ、、、オノレイマイマシイ、ニンゲンゴトキガァ!!!!」
「これでぇ」
「終わり、、、!」
「グアアァァアア」
そして、化け物の断末が当たり前のようにこだまする。
「ふぅ、、、終わったぁ、、、」
完全に化け物の死骸が消滅するのを見送り、エルフの少年は安堵する。
そこに修道院姿の少女がすかさず声をかける。
「フリード様は大丈夫そうですか?」
「あっうんどこも怪我してないから大丈夫だよ」
「身体ではなく心の方ですよ。前に人型の魔物を討伐した後寝込んでしまわれたではないですか」
「そういえばフリード相当眠りこけてたよね〜」
「あのな、マリー、魔物討伐後にいびきかいて寝るおまえと違ってフリードは繊細なんだぞ?」
「はぁ?私はいびきかかないし、繊細です〜!ってか女子の寝込みを襲いに来たの?変態〜」
「誰がおまえの寝込みなんか襲うか、おまえならイビキかいて寝てそうってだけだ」
「何ですって!?」
「はぁ、、、まったく、、、おま」
ここからまた言い合いが始まりそうだったのでそろそろ止めようとした時、
「みんなそろそろ戻ろう?」
「そうですね。ユリカ様のいうとおり早く帰りましょう」
「そうだね」
「はぁ、賛成だ」
「「ガミガミ!」」
こうして、勇者とその仲間達は宿に戻るのであった。
別に何も思いつかなかったわけではナイヨ?