#『第十一章』#
投稿が9/22から、10/6まで13〜15日間も遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。
目を開けるとゴブリンたちの作った家?の中で寝っ転がっていたら見える光景が広がっていた。
そして思い出す。
俺は叡智者に新たに追加されたスキル、精神世界にて戦闘訓練をしていたのだ。
そしたら急に黒いシルエットの誰かが精神世界の中で俺の目の前に現れて、肩に触られた感触がした瞬間気をうしなったのだ。
だから気がつくとアグネリンドの結界の中にいたんだと思う。
もしかしたら精神支配されたのかもしれない。
一応、一般攻撃耐性弱に含まれている精神攻撃耐性弱があるから精神攻撃に関してはある程度大丈夫と思っていたのだが、もし精神支配されてしまったのなら、俺より強いものが支配したのだろうと思う。
叡智者も反応できていないスピードで俺を支配した。これだけでその誰かというのは手練れと考えていいだろう。
〔告、何者かに精神支配されていたことが確認されました〕
と、叡智者が俺の分析していたことと同じことを突然言う。
つまり俺はやはり精神支配されていたと言うことだ。
〔告、ユニークエクストラスキル叡智者の進化を推奨します〕
すると叡智者が俺に進化要求してくる。
おそらく悔しいのだろう。
悔しいから進化してもうこんなことがないようにしようと考えているのだろう。
まぁ別に叡智者が進化してグレードアップするならしてもいいんじゃないかと俺は思っている。
進化して弱体化するってことも考えにくい。
だから俺は、
(別にいいよ。叡智者が進化するのはとてもえぇことやと思うさかいに……)
という感じで関西弁ぽく叡智者に言う。
〔了、受諾しました。ユニークエクストラスキル、叡智者をユニークエクストラスキル、大叡者に進化させます。進化完了まで推定三〇日後です。その期間ユニークエクストラスキル、叡智者の使用ができません〕
すると叡智者が実行する。
(……、ん?まじ?)
一瞬驚く。
約一ヶ月もの間、叡智者が使えないのはとても困る。最近俺は単体で思考万能加速を手に入れたが、超強並列演算が使えなくなるのは痛い。痛すぎる。
しかしもう俺が聞いても反応してくれない。
(一ヶ月って長すぎだろ……)
そう心の中で呟くのであった。
…………
………
……
…
それからきちんと日がまたぎ俺は今、見送られようとしている。
「お早い帰還を願っております!」
とゴブリンや、牙狼族に言いまくられているのだ。
ちなみにシュンランからも、ベルガからもだ。
とても嬉しいのではあるが、それと同時にとても恥ずかしい。
だが俺は頑張って表へ出さないようにしている。
きっと周りにはバレてない!と思う……。
しかしそんなことをしている暇などない。
ここから早めに離脱しないといつバレるかわかったもんじゃないからだ。
そう思いながらも俺はゴブリン村の一番でかい出入り口に足を進め、とうとうその出入り口に着いた。
とても長く感じたのは俺だけだろうかとも考えるが、叡智者は当然ながら反応してくれない。
後ろを向いてみんなに手を振る。
「じゃあ行ってくるからなぁ!」
俺はそう言ってゴブリン村を背にして背中から竜の翼を実体化させる。
叡智者が使えていた時に精神世界で翼を使って飛ぶ訓練をしていたから飛べるようになったのだ。
だから早速俺は飛行する。
「デゥーン!」
そんな効果音を口で言って飛ぶ。
◇◇◇
※時は同じくして『アイルド王国』の王室。
「ここ最近、黄昏の大森林であの暴雪竜《ぼうせつりゅう 》が活動を再開したとの噂《うわさ 》があるのだが……、知っているか?」
「もちろんですとも」
スグルドはそう返事をする。
私には本当のことを言うと理解できない。
暴雪竜は今から約三〇〇年前に私たちの王国から派遣された勇者によって封印されたはずだ。
勇者の封印は最低でも五〇〇年は暴雪竜を封印できるほどの威力を持っている。と伝承には書いてあったが、これは紛れもない嘘だったのだろうかと疑ってしまう。
「はぁ……」
私はそうため息をつきながら椅子に吸い寄せられるかのように座り込み、頭を抱える。
「ため息をつくといいことが逃げるぜ、兄貴」
するとスグルドもそんなことを言って向かい側に座って私に変なことを言ってくる。
「このことがどれだけ重大なことなのかわかっているのか?戦士長……!」
私は思わず叫んでしまった。
「えぇ、分かっていますとも。間違えればまたもこの王国が壊滅的な危機に晒されることを……」
するとスグルドは急に真剣な顔つきになりそう言う。
始めからこうして欲しいものだと思ってしまう。
「そしてもう一つ。今の暴雪竜は昔と違って他の竜種と行動を共にしているとの噂もある」
私はそのことを聞いて思わず立ち上がってしまった。
竜種一体ですら竜災級だと言うのに、その竜種が二体で共にしていると言うことは天災級に匹敵すると普通は考えるだろう。
「……、これはすぐにでも対策を構築せねばならないな……」
そうスグルドに言う。
「兄貴ならそう考えると思って、冒険者をその黄昏の大森林に向かわせたさ……」
私にはスグルドが笑っているように見えていた。
その笑い顔が不気味に感じるのはこんな状況だからだと思う。
「一応聞くが、その向かわせた冒険者とはどれ程の実力者か?」
「なに、偵察だけなのでアイアン級ですな……」
誇らしげにそんなことを言うと同時に、私はとても不安に感じる。
竜災級にたかが冒険者のアイアン級でどうにかできるレベルの要件ではないからだ。
スグルドは竜種を舐めているのか?と、そんなことまで私は思ってしまう。
しかし我が国では最大がプラチナム級冒険者程度。尚且つ一〇人以下と言うこともあって、簡単に派遣することができないのも事実だ。
「まぁ……、戦士長、兼ギルドマスターのお前が言うのだからこのことは任せるとする」
もう誰が派遣されたかなどはこの男に任せるとした。
私は他にもしなければならないことがあるからだ。
決して放棄したわけではない。
「任されました!」
するとスグルドは勢いよく立ち上がり、右肘を水平に張り、肘から先を上方に指まできれいに伸ばして敬礼する。
その敬礼の仕方はスグルドの性格からは考えられないほどの洗練された敬礼であった。
◇◇◇
飛び立ってからもう二日くらいは経ったと思う。
そしてやっと二日かけてこの黄昏の大森林から出られたのだ。
ようやくこの大森林から出られてとても安心している。
この大森林はとても広い。
現にこの森は俺が飛んでも抜け出すのに二日はかかるのだから。
俺は多分時速四〇キロくらい出ていたと思う。
一日で合計一〇時間程度は休憩していたが……、計算して一一二〇キロも飛んで進んでいたことがわかる。
そこから推測するにもしかしたら日本列島よりも普通に大きい森……、いや大森林なのかもしれない。
ちなみに言うとさっきの計算は叡智者が使えないので、暗算で解いた。
俺は小、中、高、大、全て数学において評定がトップであった。
小、中、高では数学の通知表は大体五、少し四があるくらいである。
πも他の人よりは覚えられていると思う。
※πとは、円周率のことである。一般的に円周率を数字で計算するとき、三.一四で計算する。
「三.一四一五九二六五三五八九七九三二三八四六二六四三三八三二七九五〇二八八四一だった気がする!これしか覚えとらん!」
俺は自身の誕生日が来たら円周率の少数点を一つ覚えることにしていたから歳、三七才に合わせて小数点三七桁までおぼえていた。
しかしもうこれから円周率の数を増やすことができないだろう。いや、叡智者がいるので、できるのではあるが辞めよう。
こんなことを今俺は思考加速を使わずやっている。
そう。今俺は二日休憩しているのだ。
今俺はフォレスト・ボーダーで休息中である。
※フォレスト・ボーダーとはシルダが考えた言葉。森林と草原の境目の呼び名がないことに気づき、自分でつけた場所の名前。
他にフォレスト・ラインというのも思いついていたが、○○・ラインとなると、
『とある海賊アニメの○クリじゃねぇーか!!』
と言われたりしてしまうから辞めた。
誰に言われるかわからないがな。
そんなことを思いながら俺は自分の固有スキル、ドラゴンブレスを火力調整して木の枝に火をつけ焚き火を完成させる。
火を木の枝で積み上げた塔に着火させるときにする態勢が四つんばえであったことは多分誰も見てないし知らないと思う。
俺はまだスキル、熱変動耐性又は無効を獲得していない。
だから今寒く感じさせないように焚き火を作ったのだ。
別に体が冷えても風邪とか、ウイルスに感染したりとかしないけど、寒いのは苦手なのだ!
そして今は夜。
この世界で本当に暇な時間が多い。いや、俺が自発的に暇な時間を作っているだけなのだが……。
今は叡智者も使えないから本当に暇だ。
(……、あっ!)
ぼーっとしていたらふと気づく。
これから人族の街?に行こうとしているのにこの格好ではダメだと気づいたのだ。
「……、この二日間の休息の間にまともな服、作れるようにしないとな……」
俺はそう口に出して言う。
つまり鱗操作上を強くするということだ。
確かコンソールの鱗操作上にどうやって洗練できるかがのってあったはずだ。
……
…
洗練方法を見終わると俺はすぐさま行動に移した。
鱗操作上はどうやら何回も使うことで洗練されていくのではなく、鱗操作を行ったときに生じる集中力がどれだけ大きいものなのかで洗練されていくらしい。
すなわち、全集中!で実体化させるものを描くと洗練されるよ!ということだ。
これは俺が得意とすることだ。
俺はとても想像力が豊かであるからだ。
俺はニヤつく。
こんな簡単に洗練できていいのかなぁ、と。
でも俺はニヤつくのをやめて立ち上がり、目を瞑り、全集中で鱗操作上を発動させる。
まずは靴をイメージする。
異世界に合わせて靴を想像するつもりだ。
そして、そして俺は目を開けて足元を見る。
「おぉー!」
俺は感心してしまった。
どういうファッションで靴を想像したかは言わないが、二枚歯の下駄ができたのだ。
しかし木のようは色ではなく俺の鱗と同じ色。
そこから俺は色の想像をしていなかったことに気づく。
しかし次は服の方だと思い、又も俺は目を閉じて発動させる。
下駄のようなものを想像したなら服はあれしかないだろう……。
そして俺は目を開ける。
今度は色もきちんと考えて想像した。
下半身は人の人体で言うと、陽骨筋あたりで濃紺色袴の前紐、後ろ紐を使って結ばれている感じ。
そして上半身は、水色の肩からがない少し模様がある着物見たいなやつ。
全体的に青をモチーフに作ってみたのだ。
それから二日間は鱗操作上を強くするためずっと使用していた。
そのため、服がたくさん製造されていく。
なぜ魔力が減らないのか疑問ではあったが……。
ーー◯◯◯◯◯ーー
《レベル、階級等の段階》
『魔物災害レベル』
虎災級※鬼災級以下全て
鬼災級※町壊滅の危機
竜災級※国滅亡の危機
天災級※大陸滅亡の危機
神災級※世界滅亡の危機
『冒険者階級』
タイテニウム級
アイアン級(鉄)
シルバー級(銀)
ゴールド級(金)
プラチナム級(白銀)
オリハルコン級(天金鋼)
アダマンタイト級(神青鋼)
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十二章以降も投稿日が遅くなる恐れがあります。
これに関しては大変申し訳ございません。
夏休み期間という休み期間が終わって、学校が始まってから小説を書く時間をあまり取れていません。
なのでこれからは投稿日を書かないことにしました。
ご了承ください。 m(_ _)m