ユダヤの福音書 第四章
国の本心、国の息吹を聞く弟子達。
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1イエスが国の興亡について語られる。
「こうして、国は滅びるのです。
最初、イスラエル王国の本心による主張はこうでした。
2唯一絶対の神、主こそ崇めまつれ。
3しかし、時代が下っていくに従って、その声は弱くなり、ゼデキヤの時代、ついに消えてしまったので、後進国であるユダ王国は滅びたのです。
4その声を信じ、歩んでいれば、分裂する事もなく、千年でも続いただろうに。
5その声は、イスラエルの総意志でしたが、その理念を理解しない者が多く、王座に座ったので、滅びてしまったのです。
6つまり、国の本心をさえ信じていれば、滅びずに済んだのです。もしも、国が再建する事になったのなら、その本心を受け入れ、言う事を聞いてさえいれば、まず、滅びる事はないのです。
7生ける神が生きていたなら、そういう自覚を持つ人々が多く現れ、国を建て直すでしょう。
8イスラエル。その国はイスラエルと呼ばれます。生きている自覚は建国の祖から末裔に至るまで、引き継がれるでしょう。」
9聞いていた弟子達は話し合い、どうやったら、国の本心を聞ける様になるのかをイエスにたずねた。
「先生、私達は国の本心を聞く事ができません。どうすれば、聞こえるでしょうか。」
10イエスは答えられた。
「国の息吹を聞きなさい。下僕たる公の者達によってそれは示されます。」
11イエスはここで、下僕を知りなさい。そうすれば、国の本心、言いたい事が分かるから。と言われたのである。人間を知れば、国を知る事になるから。という様な事を言われた訳である。
弟子達は、ヘロデを推し量り、自由にしなさい。というユダヤの国の本心を聞き取ったのである。
12それで、弟子達はイエスが自由にしておられるのを見て、ユダヤ国の本心をくんで、行動している第一の方がイエスなのだと知ったのである。