乙女ゲームのように人生一度でいいからモテてみたいと思いながら死んでしまった私が、異世界で三人の義兄弟の王子達から求愛されて悶絶死しそうになる ~ミランド~ 【モテ悶4】
「ユフィア姉さーーん!」
ギュッ!
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
廊下を歩いていたら、突然、ミランドに後ろから抱き締められた。
何これ?
天国?
「きゅ、急にどうしたの?」
頭が混乱してしどろもどろになる。
「え? ユフィア姉さんに抱きつきたいと思ったから抱きついただけなんだけど……。ダメだったかな?」
ミランドが上目遣いで寂しそうな表情で言った。
ズキューーーーーーーーン!
こ、この可愛い生き物は一体何なんだ?
お姉さんは、見事にエンジェルにハートを撃ち抜かれちまったよ。
「……可愛い弟に抱きつかれて嫌なはずないでしょ……」
ふぅ。
テンションが上がり過ぎて、思わず変なことを口走りそうになったが、何とかまともな返事をすることができた。
「じゃあ、もう一回抱きついちゃおうっと!」
グァッ!
思わず鼻血が出そうになるのを上を向いて堪えた。
……もしかして、ミランドは私を出血死させたいのか?
天然でしているとしたら、恐ろし過ぎる……
「……それにしても、ミランドの髪は本当に綺麗だね……」
綺麗な銀髪。
男の子だけど、本当に美しい。
「……ユフィア姉さん……。……それ本気で言ってるの?」
ミランドの表情が、明るい表情から悲しそうな表情へと一転した。
……素直にそう思ったから言ったんだけど……
私、間違ったみたい……
「……ゴメンね……。男の子に綺麗な髪とか言っても、全然、褒め言葉じゃないよね……」
「あ、いや、そうじゃなくて……」
「え、違うの?」
どうやら違ったらしい……
「……銀髪はダークエルフの血が混じっているっていう証拠なんだ……。お母様が人間とダークエルフのハーフだから、ボクは銀髪で産まれてきてしまったんだよ……」
「ダークエルフ!?」
……あの美男美が多いと言われているダークエルフ……
通りで、ミランドも美男子なはずだ……
「……やっぱり、ユフィア姉さんも、嫌……」
「最高です!!」
「?!」
「銀髪美男子というだけでも、最高に可愛いのに!! ダークエルフの血筋とか、もう将来が楽しみで仕方がな………」
「「………………」」
顔を見合わせたまま、しばらく、お互いに沈黙する。
やっちまったーーーーーーー!!
……興奮し過ぎて、つい言葉に出してしまった……
さよなら、ミランド……
さよなら、愛しの王子達………
「アハハハハハハ!!」
「……ミランド?」
私は絶望していたのだが、何故か、ミランドは腹を抱えて笑っている。
「銀髪なのに……。ずっと悩んできたのに……。……ユフィア姉さん……。ボク、ますます、ユフィア姉さんのこと、好きになっちゃったみたい……」
「え? え?」
……どうしてそうなったの?
私としては助かったけど……
というか、ますます私を好きになったとか………
ボンッ!
ミランドの言葉で、私は燃えるように顔が赤くなるのを感じていた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
短編なので毎話続きではありませんが、『モテ悶』の第4弾を書いてみました。
……相変わらず好き放題書いています……
時系列関係なく好きな話を書いて、話が溜まってきたら、編集して連載小説として投稿するのもありなのかなぁとか考えています。
評価が多いと続きを書きたくなる気持ちになりやすいので、もし続きを書いて欲しいと思った方がいましたら、画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をよろしくお願いします。
感想も気軽に書いていただければと思います。
ブックマーク登録は嬉しいですが、続きを書くにしても、しばらくは短編で投稿して行くことになると思いますので、お気に入りユーザで登録してもらった方が便利かもしれません……
続きではありませんが、『モテ悶5』を短編で書いてみましたので、よかったらそちらも見ていただけると幸いです。