猫
掲載日:2021/04/04
猫が歩いた
塀の上を
飄々と
僕はそれを見た
僕だけが見た
猫は歩いていく
我が物顔で
僕を気にも留めず
僕は気の済むまで猫を眺める
猫は歩き去っていく
そして塀の向こう側へ飛び降りて
僕の視界から消えていった
僕は追いかけはしない
大人だから
塀を乗り越えて人様の敷地に入り込むことはしない
大人だから
猫は消えた
僕はその行方を知ることはない
ただ道を歩いてその場から去った
後日
別の道で似た猫を見かけた
同じ猫だろうか
どうだろう
それは誰にもわからないこと




