筋肉は美しい
「俺がやれることは全てやった。あとは......本番のみだ!」
「はい、師匠! 今までこんな僕につきっきりで付き合ってくれてありがとうございました!」
「その言葉は終わった後でいい。今は目の前に集中するんだ! さあ筋肉好きのみんながお前を待ってるぞ! 行ってこい!」
「はい!」
ここは世界中の鍛えられた筋肉武闘会。ボリィビル大会です!
この大会に優勝すると一生食っていけるような金と大々的にメディアによって有名人になりさらに仕事が貰えるという夢のある舞台。ただし2位以下になると微量の賞金以外何も得る物が無いだけに終わってしまうという厳しい大会。
そしていよいよ木こりの出場になりました。ちなみにエントリーNo.7で出場しています。
出場者も木こりに負けず劣らずの筋肉の持ち主です! とりあえず掛け声を聞いてみましょう。
「No.9 ハムケツキレてる!」
「10番仕上がってる!」
「7番土台が違う土台がぁぁぁ!」
「11番プロポーションおばけ!」
「7番新時代の幕開けだぁぁぁぁ!」
「7番デカすぎて固定資産税と法人税がかかりそうだな!」
_______そして
「優勝は鋼の筋肉を持ちつつもその笑顔から放たれるギャップで会場にビックバンを巻き起こしてきた! エントリーNo.7木こり!」
その瞬間会場に花吹雪が舞い散り会場内は新たな王者の誕生に熱狂の嵐になっていました。木こりは一瞬何が起きたのかわからなかったようですが、すぐに自我を取り戻しそして絶叫したそうな。
木こりは優勝インタビューにこう答えていました。『これでお婆さまに紐じい思いをさせずに済みます。応援してくださった方々本当にありがとう!」
この時筋肉大男はいつのまにか姿を消していました。まるで役目を果たしてもうここに俺は必要無いだろうと言ってるかのように......
◇
あれから2年の月日が流れました。あの日以来ずっと忙しい日々を過ごしていた木こりにも変化はあり、お婆さまが安らかに眠ってるように亡くなってしまったり、木こり自身に家族ができたりとそれはもう大変なことが多かったそうな。
そして今仕事も落ち着いてきたこともあり再度木こりを始めていました。どうやら本人にとって木こりが1番しっくり来るものがあったらしく、少し前の仕事で今一度斧を持たせてみたらまるで魚が水を得たように生き生きと木を伐採し始めたといいます。
そんな木こりは今、あの泉の前に来ていました。あのとき感謝の言葉一つ言えなかったことを後悔しているようでした。
そして木こりは持っていた斧を泉に投げ入れました。
_______ポチャーン!
するとあのときと同じような雰囲気を出しながら空気が揺れ始め森は騒がしくなり泉からブクブクと泡が現れ始めてきたではありませんか!
_______ブクブクブク
「しょうがねぇなあ。お前はすぐ人様の眠りを妨げにくるよな。まあ......俺は筋肉の神様なんだけどな! ハッハッハ!」
◇◇◇
終わり
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自分自身は身体を鍛えること自体は趣味にはしていないですけど、趣味の水泳をやるために筋トレとかをやっています。
もしよかったら自分が連載中の小説も読みにきてほしいです!「追放系一般盾使いは仲間達と旅にでる〜」