お米大好き心優
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キーンコーンカーンコーン
その日はずっと村越がスターだった。お昼の時間にも村越の席には人だかりが絶えなかった。
弘人「すごいね。あんなのいつ作ってたの?」
村越「あぁFuliRでござるか?高校2年の時から始めて最近完成したのでござるよ。」
心優「1年くらいで作ったの?すごいねー!」
村越「3年になるまで友達がいませんでしたから作業が捗ったでござるよ・・・・・・。」
急に闇を見せるなよ。
弘人「そうだ。二人とも明日はなんか予定ある?」
村越「私は暇でござるよ。」
心優「私も空いてるよー。」
弘人「じゃあさ、スタベの新作ラテ飲みに行かない?」
村越「いいでござるね!スタベの新作といえばこの前ツバサちゃんがレポートしてたあれでござるな?」
弘人「そうそう。あれあれ。」
心優「へぇー。スタベってたしかおしゃれなコーヒー屋さんだよね?私苦いの苦手だから飲めるかなー?」
弘人「大丈夫。絶対飲める。だってお米ラテだもん。」
心優「お米ラテ!?」
心優はお米と聞いて目を輝かせた。
ふと思ったんだけどクリスマスの靴下にお米を突っ込んだら彼女は喜ぶのだろうか。
心優「行きたい!私も連れてって!お願い!」
弘人「もとからそのつもりだよ。じゃあ明日10時に現地集合ね。」
田舎民の移動手段には車が必須だが、高校生など運転免許がまだ取れない子供たちにはチャリが必需品だ。
都会では、【スカイライナー】というセグウェイの進化版のようなものが流行っているが、田舎の整備されていない道では走れないし、そもそも雪が降るんだがら問題外である。
心優「やったぁ!楽しみにしてるね!明日弘人くん家に迎えに行ってもいい?」
弘人「うん。別にいいけどちゃんと寝なよ?遠足前みたいに熱出ちゃうよ?」
心優「うん!わかった!」
お米の事となるとこの子は本当にいい顔をする。
お米お米詐欺とかあったら絶対引っかかるんだろうな・・・・・・・・・。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
弘人「ふぅー。」
3連休明けともあって案外早く週末を迎えられたとは思う。
しかし心優のために最新技術を披露する準備をしたり、【アイドル・ザ・ベスト】を目の前で買い逃して違うコンビニを走り回ったことなどを思い出し結局ため息が漏れた。
見知らぬ女性「ばーーか。」
急にあのときの景色が頭をよぎる。
忘れよう忘れようと思っていても何故か頭にこびりついて離れない。
何に引っかかっているのか自分でもわからないから気持ちが悪い。
まぁいいさ。明日はツバサちゃんが推していたスタベの新作ラテを飲むんだから!!
頭を振り回し嫌な思い出を消し飛ばしてから僕は眠りについた。