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未来勉強会:ミュージックファン

作成中のノベルゲームのシナリオを公開中です。

ピーチくん「それは一本取られたねーww」


事の顛末を聞き終わったピーチくんは、煽り満載な感想を述べやがりました。


弘人「ほんとにむかつく。あんなのに引っかかった自分にも腹が立つよ。」

ピーチくん「でもそのあと他のコンビニでは買えたんでしょ?だったらいーじゃんか。」

弘人「3軒も探し回ったよ。田舎なめんな。」

ピーチくん「ありゃりゃ。それはごくろうさんだったね。」


お目当ての物は手に入れたので良しとしよう。僕は、ソライロツバサちゃんの写真と集中して対峙するためピーチくんに別れのメッセージを投げかけたが、ピーチくんがそれを静止した。


ピーチくん「ちょっと待って!ひろぽんは、近々東京に遊びにくることってない?」

弘人「別にイベントもないから予定はないけど。なんで?」

ピーチくん「いやー。ウィングで集まってオフ会でも開きたいなとふと思ってさ。よかったらひろぽんもどうだい?」

弘人「出会い厨かよ。東京だったらいくらでもいるでしょ?」

ピーチくん「いるけどさー。知ってる人がいる方が安心するじゃん?w」

弘人「そういうことか。」


たしかにソライロツバサちゃんの良さについて話し合いたい気持ちはあるが、陽キャじゃない僕は一丁前に人見知りだってするし正直厳しいものがある。こういう時は万能な言葉でお断りするのが一番だ。


弘人「じゃあ行けたら行くわ。」

ピーチくん「ほんと?やった!ありがとう!じゃあ来るときあったら言ってね!」


あれ?なんか伝わってなくない?


ー2035年10月11日(木)―


ツバメたちの朝礼で目が覚める。カーテンが防ぎきれなかった朝日が眩しい。

横には、昨日買った「アイドル・ザ・ベスト」が広がっている。

ツバサちゃんの特集ページを読みながら寝落ちしてしまっていたようだ。

おかげで夢にツバサちゃんが出てきて朝からラッキーな気分になれた。

今日も読みながら寝よう。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

(教室)

村越「おはよう、近澤くん。アイドル・ザ・ベストは買えましたかい?」


席に着くやいなや村越が話しかけてきた。


弘人「おはよ。もちろん買えたさ。ちょっとした事故はあったけどね・・・・・・。」

村越「事故?車にで轢かれそうになったでござるか?」

弘人「裁判にあった・・・・・・。」

村越「裁判!?」


キーンコーンカーンコーン

二人の会話を遮るようにチャイムが鳴り1時間目の先生が教室に入ってきた。


村越「くっ!話は後でじっくり聞かせてもらいますぞ!」


もやもやしているのが見て取れるクネクネムーブで村越は自分の席に戻っていった。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


村越「そんなことがあったでござるか・・・・・・。」

心優「女の子に乱暴しちゃだめだよー。」


ことの流れをちょっと自分本位に脚色して二人に話した。

本質は変わっていないからそれでいいのだ。


弘人「なんで僕が、乱暴したことになってるんだよ。乱暴されたの。いや別にされてないか。」

村越「それにしても大岡裁きとは、なかなか渋い淑女ですな。」

弘人「そんなことはいいんだよ!今日も最先端技術を心優に披露するよ。」


そういって僕は、カバンから今ではあまり売られていないCDを取り出した。

今では、DL配信が中心となっている音楽業界でCDなんてものはまず見ない。

弘人「じゃーん。これなーんだ。流石に知ってるよね?」

村越「おぉー。また懐かしいものを。握手券でござるな?」

弘人「CDのことを握手券っていうな。」

心優「それくらいは私でも知ってるよー。シーデーでしょ?」

弘人「お前は数学のおじいちゃん先生か!CDだよシーディー!音楽再生用の光ディスクね。」

村越「でもそんなオーパーツが最先端技術でござるか?ヘソで歓声が沸きますぞ?」

弘人「茶を沸かせ、茶を。まぁCDだけだとまさにオーパーツだけどさ。この小型機械を使えば革命が起こるんだよ!」


家から持ってきたハンディータイプの機械を某青狸ロボのようにこれでもかと見せつける。


弘人「ミュージックファン~~!」

心優「あ、ドラ〇もんだ!私小さいとき好きだったな-。」

村越「映画では、アイドルがゲスト声優をすることも多いので注目ポイントですぞ。」

弘人「そっちじゃねーよ。やった僕も悪いけどさ。」


すると村越がにやにやしながら近づいてきた。こういうときのこいつは本当に気持ち悪いことを言う。


村越「(パイン様はビックライトを使って現世に君臨されたのですかな?ドゥフフ。局地的!局地的フラッシュ!!)」


だまれよ。

無視して機械の説明を続ける。


弘人「このミュージックファンはすごいんだよ。1つで2つの欲求を満たしてくれるんだ。たとえば夏とかでさ、熱いなーでも音楽聴きたいなーって時ない?」

村越「ない。」

心優「ない。」

弘人「僕もないな。」


三人の間で気まずい空気が走る。

何秒だろう16秒から先は数えていない。


弘人「と、とりあえずそんな時はこのミュージックファンなんだよ。機械のポッチのところにCDをはめ込んでボタンを押すと、CDが回転して音楽と共に涼しい風が出てくるんだ。」

心優「ほんとだ!風が出てる。」

弘人「それにすごいのが、音楽が聞こえるのはこの風が出ている真っ正面だけからなんだよ。これで周りを気にせずに音楽を聴きながら涼むことができるのさ!」

心優「すごーい!」

村越「ブレインフォンはもともと高性能の手元スピーカーと骨伝導スピーカーが内蔵されてますが?」

弘人「」

村越「いくらだったでござるか?」

弘人「3500円です・・・・・・。」

心優「た、たかいねー・・・・・・。」

弘人「ぎ、技術の進歩に犠牲はつきものなの!!」


後で確認したが、製造元がつい最近倒産していました。

そりゃ売れないよ。ミュージックファン・・・・・・。



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