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違和感②

作成中のノベルゲームのシナリオを公開しています。

急に話し掛けられたので返事する声が1オクターブほど高くなってしまった。

自分の都合の良い妄想に浸っていたので、人が近づいてきていることに気が付かなかった。

びっくりしたから声が上ずっただけで、決してイケイケグループの女子に急に声を掛けられたからではない。


弘人「な、なんですか?」

クラスメイト「近澤ってアイドル詳しいよね?ちょっと教えてほしいんだけどさ!」


ほい来た。

妄想を具現化する能力者の僕ぐらいになると、シュミレーション通りに全てことが運んでしまうのだよ。


僕のシュミレーションでは、このあとお前は”ソライロ ツバサ”って知ってる?と言う。


そうに違いない。

僕の中のツバサちゃん目録の1ページ目からじっくり教えてやろうじゃないか。


クラスメイト「NEXTsって知ってる?てか見た?ミュージックスタジオ!まじ最高だったよね?」

弘人「え?」


クラスメイト「え?見てなかったの?まじ人生の半分損してるよ!」


気づかなかった。


いや、気付いてないフリをしていたのかもしれない。

クラスメイト達の話題が1つに集約されていることを。

ただ座っているだけで嫌でも耳に入ってくる。


ミュージックスタジオ

NEXTs

銀髪の双子

かわいい

かっこいい

神曲


誰一人としてツバサちゃんのことを話している人はいなかった。


前までアイドルなんて微塵も興味がなかった皆が、あのたった数分のパフォーマンスでここまで夢中になるものなのか?


聞きたくない話を遮るように、僕は自分の両耳を塞いだ。

しかし耳を塞ぐ程度では、クラスメイトの声が完全に聞こえなくなるわけではない。


ツバサちゃんのチャンスを奪ったNEXTsとかいうアイドルの話はやめてくれ。

教室の中でここまで孤独を感じたのは初めてだ。僕は、机の上でただ下を向いて、、、



村越「ひどいではないですか!あれだけ助けてオーラを出していたのに。我が友よぉ!!」



至近距離での大声に周囲の嫌な音はかき消され、さっきまでの黒い気持ちがスッと引いていくのを感じた。


弘人「な、なんだ。村越いたんだ……。」

村越「いるに決まってるじゃないですか!ツバサちゃんの新曲について語り合おうと1時間も早く登校していたんですよ!?」

弘人「ははは……。早すぎだろ……。」

村越「それぐらい当たり前です!むむ?近澤くんどうかしたんですか?」

弘人「いや……。なんでもない!よし!今日は語り合うぞ!」

村越「そうこなくっちゃ!我々は永久にウィングですからな!」


こんなに村越が近くにいてくれてよかったと思えたことはない。

同志が近くにいるだけでこんなにも頼もしいだなんて思ってもみなかった。

今日の放課後は、村越とツバサちゃんについて語り尽くすぞ!!!


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