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真冬の昼の正夢②

作成中のノベルゲームのシナリオを公開しています!

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・そして放課後。


弘人「よし!心優。最新技術をいっぱい体験してその素晴らしさに目覚めてもらうよ!」

心優「おぉー!」

弘人「じゃあ、このヘッドセットをかぶって。」

心優「はーい。」


そうやって心優にVRヘッドセットを手渡す。心優がVR機を使うのは、ツバサちゃんのライブ”Perfect Prism Party”以来だ。


心優「わぁー。真っ暗だよ。」


視界を奪われて無防備になった心優を目の前にすると、昨日のピーチくんの言葉を思い出してしまう。


村越「おぉー。端から見ると本当に無防備でござるな。」

弘人「うるさいなキモオタ。てかいたのかよ。」

村越「いたのかよってひどいでござるよ!机をどかすの手伝ったではないか!!」

弘人「あぁーそうだったね。」


存在感があるのかないのか分からないこいつを時々本気で忘れてしまうことがある。


村越「ときに、近澤くん。大切なことを忘れてないか?」

弘人「へ?なに?」


村越は、自分のカバンの中をゴソゴソとまさぐり始めた。


村越「ジャーーン!!今日発売の”アイドル・ザ・ベスト”!登校中のコンビニでこっそり買って来たでござる!」

弘人「おぉーー!製本版じゃん!てっきり村越は、データで済ませる派だと思ってたよ。」

村越「侮るなかれ。データ版はすでにダウンロード済みですが、まだ拝見しておらぬぞ。」

弘人「わかってるじゃあねぇかよ。」


ガシッと男の握手を交わす。さすが我が戦友。


心優「弘人くーん。ずっと真っ暗だよー?」

弘人「あぁ。ごめんごめん。今チップ入れるから。」


僕は、村越が持つ製本版の"アイドル・ザ・ベスト"の表紙にでかでかと移るツバサちゃんに目を奪われながら、制服の中にしまっておいたチップを心優のヘッドセットに挿入した。


心優「わっ!なんか文字出てきたよ。」

弘人「後は適当にすすめてくれたらいいから。」

心優「わかったー。」


心優には、特製のお米農家気分が味わえる田んぼVRを用意した。きっと喜んでくれるはずだ。

僕は、村越と一緒に本を開きツバサちゃんのインタビュー記事を読み始めた。


心優「わぁーー!すごい!!振り向いてもちゃんと映像があるんだねー。」

弘人「すごいだろー。これがVRだよー。」


俺は村越と雑誌を読むのに夢中で心ここにあらずの状態で心優と会話をする。

インタビュー文だけで性格が良いって分かるツバサちゃん最強じゃね?


心優「わっ!なんか変な格好してる人いるよ!」

弘人「お米農家の人でしょー。」

心優「お米農家の人はこんな変な格好しないよ!?」

弘人「つなぎ着てるでしょ?それに長靴も。」

心優「つなぎっていうのこれ!?まぁ長靴は履いてるけどさ……。」

弘人「ほらー。やっぱり農家の人じゃん。」

心優「うー……。そうなのかなー?」


心優が最新技術の凄さに怯えている。まず何事も知ることから始めないとね。


心優「うぇ!?なんかぶつぶつ言いながらこっちに寄ってくるよ!?」

弘人「お米の極意を教えてくれてるんだよ。耳を澄ませてごらん。」

心優「えぇー……。!! ヤバイ人だよ!この人!乱世乱世って言ってるよ!?」

弘人「乱世乱世?」


僕は、雑誌から目を離してVR堪能中の心優を見つめる。

明らかに震えている。様子がおかしい。今頃大喜びで走り回っていると思ったんだけどな。


村越「パイン様に何のVRを見せているのでござるか?」

弘人「田んぼVRだけど?」

村越「それにしては、反応が変な感じではござらんか?」

弘人「たしかに……。心優、今どんな状況?」

心優「スクール水着の変態さんがすり足でこっちに来てる!!」

弘人&村越「スクール水着?」


二人で顔を見合わせ、同時にハッとしてポケットの中のチップを確認する。


村越「田んぼVRでござるな。」

弘人「ってことは!?」

心優「ぎゃぁーーーーーーー!!!」

弘人「心優!?」


急いで心優に駆け寄りヘッドセットを無理矢理外す。


弘人「心優!?大丈夫か?」

心優「し、刺激的だね……。(バタリ)」

弘人「みひろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


僕の腕の中で心優は静かに気を失った。


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