第10回バーチャル喫茶実行員会定例会議
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絶望の朝が来た。
月曜日という名前の地獄にどう立ち向かっていくのか。
総理大臣になれば世界のルールを変えられるのか?
完全週休3日制を希望する。ちょっと控えめだったかな?
そんなバカなことを考えながら学校へ行く支度を済ませる。
弘人「いってきます。」
玄関を出て太陽の光を全身に浴びると前向きなことも浮かんでくる。
今週末は、地上波でツバサちゃんに会える。
それだけで五日間戦える気がする。ツバサちゃんはやっぱり僕の生き甲斐なんだなってことを再確認させられる。
村越「おはようございます。近澤くん。」
振り返るとあきらかにニヤニヤした村越がそこにいた。
ニヤニヤする気持ちはわかるが、もはやそれはニヤニヤではなくニチャァレベル。
事情を知らない人から見たら変質者でしかない。
村越「近澤くん。顔がニヤニヤしてますよ。もはや変質者レベルでござる。」
弘人「まぢ?」
村越に言われるくらいなので相当なニチャァ具合だったのだろう。
ポーカーフェイスを意識しつつ二人の変質者は並んで登校した。
村越「第10回バーチャル喫茶実行委員会定例会議を始めます!」
弘人「いや、一人で会議しすぎだろ。」
心優「わぁ-ぱちぱち」
たしか前回が第4回だった気がするが、触れないでおこう。
村越「前回は、コンセプトと衣装が決定しましたので、今回は喫茶部分についてでござる。」
心優「喫茶店ってことは、お紅茶とかクッキーとかを出すのかな?」
村越「そうです。しかし、他のクラスはおそらく、"午前の紅茶"や市販の業務用クッキーなどで代用するでしょう。」
弘人「そこも差別化するの?」
村越「その通り!!さすが実行委員会!!私と心が通じ合ってきましたな!!以心伝心!!」
心優「いえーい。」
二人は某自転車かご宇宙人のように人差し指を合わせてはしゃいでいる。
正解したのに全然嬉しくない褒め方をされてしまった。
こいつを上司にはしたくないな。
弘人「で、どうやって差別化するの?」
村越「よくぞ聞いてくれました。あまり公にはできませんが、奥の手を使います。」
心優「奥の手?」
村越「ボンボルの開発中の試作品を使うです!!」
心優「ボンボルの!?」
心優は、嬉しそうに目を耀かせている。
彼女はおそらくお米のお菓子を想像しているんだろうが、あれは出してはいけない。
お米タブレットを許しているのはきっと心優だけだろう。
しかしいくら社長の息子で次期社長だとしてもそんなことを勝手にしてもいいのだろうか?
弘人「そんなことして大丈夫なの?」
村越「無断ではさすがにまずいでござるが、大規模試食アンケートだと言ってしまえば話は別。お客様にアンケートを書いてもらえば問題ないでござるよ。」
試食アンケートにお金を取るのはどうだろうとは思ったが、これで衣装にも商品にもお金を掛けずに他のクラスと差別化が図れる。
誉めるとめんどくさいから口には出さないが、村越に経営者の片鱗を見た。
心優「じゃあお米タブレットも出そうよぉ!一番人気になるよぉ!」
村越「あー……、あれは発売中止になったでござる……。」
心優「え!?おいしいから売れすぎちゃったの!?」
村越「その逆でござる……。」
重い空気が教室に充満したので今日の会議はここでお開きとなった。
心優は相当な落ち込んでいたのか、コンビニで売れ残っているお米タブレットをあるだけ買っていた。
店員さんは売れると思っていなかったのか、神様を見るような目で心優を見つめていた。
さすがパイン様。




