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お米タブレット爆誕

作成中のノベルゲームのシナリオを公開しています。

そうこう言っている間に心優は買い物を済ませてコンビニから出てきた。

手に持っている袋は1番小さい袋だ。


心優「今週もすごいの出てたよ!やっぱりボンボルさんはすごいよー。じゃーん!」


そういって心優はビニール袋から2、3回取り出しに困りながら新商品を水戸黄門の紋所のように僕たちに掲げてきた。


心優「お米タブレットだよ~~~!!!」

弘人&村越「お米タブレットぉぉぉぉ!?」


タブレットっていうと眠気覚ましとかブレスケアなんかでよく食べるあれのことか?

それとお米を掛け合わすってどういうこと?ボンボルさん血迷ったか!?


心優「さっそく実食だよ~。」

パクっ


心優は躊躇なくお米タブレットを1粒口に放り投げた。


心優「ん~~~!」


両手をほっぺたに添えてぴょんぴょんと跳び跳ねる。美味しいのか美味しくないのか。そんなことはどうでもいい。ただただタブレットとは言いがたい大きな2つの丸みを帯びたものが目の前で揺れていることだけは確かだ。

僕と村越は感謝の意味を込めて両手を合わせながら本題へとうつる。


弘人「お、おいしいの……?」

心優「とってもおいしい!!」

弘人「嘘だろ……。」


あの反応から美味しくないってことはないとは思っていたけれども、面と向かって言われてしまうと疑うしかない。


弘人「1つ貰ってもいい?」

心優「いいよ~。」

パクっ


弘人「うぉぉ!!」


口に入れた瞬間に広がる大草原を思わせるミントの爽快感。恐らくお米の回りにミント味の何かをコーティングしているに違いない。

大草原が舐め取られた次に広がるのは、稲穂の実った大きな田んぼ。お米本来の甘味と旨味が1粒からしっかりと伝わってくる!これはいいお米を使っているに違いない!

これはすごい商品だ!!でも不味い!!!!!!!

ここまで良いように表現していたが、言ってしまえば”フリ○クのせご飯”だ。おいしい訳がない!

ボンボルどうしたんだ!?ご乱心では済まされない領域だぞ!お客様相談センターに不味いの一言が疾風怒濤の勢いで集まってくるぞ!!

できれば吐き出したいが、心優の手前そんなことはできないと嚥下を拒む喉を鼓舞しなんとか胃に落とし込むことができた。


村越「わ、わたしももらっていいですか?」


僕の複雑な顔を察してか、恐る恐るではあるが将来自分が背負う会社の新商品を食べない訳にはいかない。

次期社長の漢気に心のなかで敬礼しながら行く末を見守ることにした。


村越「ごぬぅ!!!」


大草原と田んぼの旅に出掛けた村越の表情を確認し、一刻も早くその小さな凶器を懐にしまっていただきたい僕は、


弘人「と、とってもオイシカッタヨ。あとは心優がお食べ。」

心優「えぇ~いいの?やった~!」


心優の味覚が心配になるが、まずは身の安全を確保する方が大切なので今日はここまでにしておこう。


弘人「心優は本当にお米が好きだね。」

心優「うん!私は将来もっとおいしいお米を作りたいんだ。世界の人が美味しく食べられるお米を。みんなの主食がお米になれば、お米だけ作っていればいいもんね!」

弘人「そ、そうだね。」


心優なりの食料問題への対策案はぶっとんではいるが、実現すればすごいことだ。

自分なりの将来の夢を持っていることは非常にいいと思う。

僕なんかはただ漠然に”東京に行きたい”ということしか決まっていないから。


心優「じゃあ帰ろっか。」

弘人「そうだね。」


放心状態の村越は放っておいて二人で帰路についた。


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