ボンボル品評会
作成中のノベルゲームのシナリオを公開しています。
村越「近澤くん!!!これはどういう状況だい!?説明を希望する!!!」
教室に戻ると村越が心優に捕まれ首をぐわんぐわんと回されていた。
床にはコーヒーと思われる液体がぶちまけられていた。
こっちが説明してほしいよ。
心優「いけないことはいけないんだよー!」
弘人「あ……。」
心優さんによる粛清が始まっていた。
自分が蒔いた種ではあったが、おばあちゃんに会えない絶望に苛まれている僕には止める元気が残されていない。
なので僕は机と仲良しするべく自分の席に着き、静かに瞳を閉じた。
村越「近澤くーーーーーーん!!!」
村越の悲痛の叫びは虚しく、お昼の学舎にこだまして消えた。
心優「弘人くんひどいよー。」
弘人「ごめんごめん。」
学校の帰り道。僕たちはいつものコンビニに新作のお菓子を買いに向かっていた。
村越「ごめんごめんじゃないですよ。危うく昇天してしまいそうでした。」
心優「勘違いしちゃってごめんね。村越くんがいけないことなんてするわけないもんね?」
村越「あああああ、当たり前ですよ!」
どこまでもピュアな心優eyeが村越を見つめている。
いけないことに心当たりがあるのか、村越はこれでもかと言わんばかりにキョドっている。
お昼休みの粛清を受ければ誰だってトラウマになるだろうから仕方がない。
それにしても心優の意外な一面を見たような気がする。
純粋で仲間思いな面があるとは重々承知していたが、足を踏み外した仲間がいれば実力行使で更生しにかかる風紀委員長的な一面も持ち合わせているとは、、、。
幼稚園からの幼馴染みだが、まだまだお互いのことは知っているつもりでも知らないことだらけなのだろう。
それは他人なのだから仕方がないが、なんだか少し寂しい気持ちにもなったりする。
心優「ついたよー。じゃあ買ってくるから待っててね。」
心優はコンビニに着くや否や新商品売り場にダッシュしていった。
村越は首を擦りながら大きなあくびをしている。
弘人「そういえば、村越はなんで今日眠たそうだったの?徹夜でアニメでも見てた?」
村越「あぁ。ちょっと昨日の夜に良いことを思い付いてしまいましてね。徹夜で改良をしていたのですよ。」
弘人「改良?あのいけないアプリの?」
村越「あのアプリですけど、いけなくはありません!パイン様の前で二度と”いけない”って言わないでくださいよ!今でも首が繋がってるか不安になるんですから!」
弘人「ごめんごめん。」
村越「今日で完成すると思いますので、明日学校にお持ちします。」
弘人「じゃあ楽しみにしてるよ。」
心優「買ってきたよー。」




