第3回バーチャル喫茶実行委員会定例会議
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月曜日。それは永遠の嫌われもの。月曜日を好きな奴なんてこのようにいるわけがない。
だって、学校にいかなければならない。
「友達に会えるから学校まぢラブ」なんていう頭ラベンダー畑なやつはとっとと芳香剤になってどうぞ。
しかし、そんなことを言っていたって学校には行かなければいけない。それは遺伝子に組み込まれているのか抗うことはできない。
まぁ学校をサボれるような度胸も行動力もないし、仕方ないよね。
今日も静かに暮らせますように。
村越「近澤くん!!!昨日の雑誌読みましたか!!!!!??????」
弘人「あー。村越おはよ。読んだよ。読みましたよー。」
村越「テンション低いでござるな!?超大型アイドルデュオですぞ!?絶対ソライロツバサちゃん絡みでしょーが!」
弘人「あー。なんかあの女に聞いたんだけど、ツバサちゃん絡みじゃないみたいなんだよねー。」
村越「あの女?あー友永嬢でござるか。たしかに彼女はアイドル界に精通しているでござるからね。その情報も信用できますな。」
一度あっただけであの女のことを信用してしまうあたり、村越もきっと壺なんか買わされてしまいそうだ。
心優「弘人くんおはよー。」
自分の席につくと心優がとてとてと近づいてきた。
心優「土曜日はありがとうね。お米ラテほんとぉぉぉに!おいしかっったよ!」
両手を広げて体全体でおいしさを表現しているようだが、強調されるのはいつも実った2つの果実なのであった。
弘人「それは良かった。期間中はいつでも飲めるからまた行こうよ。」
心優「ほんとに!?じゃあ明日行こうよ!」
お米のこととなると心優のテンションは今度っていつ?と聞いてくる子供のようになってしまう。
弘人「明日はコンビニにボンボルの新商品を食べに行くんじゃないの?」
心優「あぁーー……。そうだったね……。くやしいよ……。体がひとつしかないってことが……。」
弘人「いや、それが普通だからね。」
そういって真面目に悔しがる心優を席へ運搬し、予鈴の音と共に着席した。
村越「それでは、第3回バーチャル喫茶実行委員会定例会議を始めます!」
弘人「いや急だな」
放課後に教室に残っておいてほしいと言われたので残っていたら、変な会議が始まったしまった。
ってか、実行委員になんかなった覚えはない!
隣にちょこんと座っている心優も同じ気持ちだったようで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。
弘人「第3回って、そんなにやってたっけ?」
村越「土日に1回ずつ。私一人でやりましたので。」
一人で考えていたことを当たり前のように”会議”といってしまうあたり、ぼっち属性極まれりといったところか。
弘人「というか、村越さん?僕と心優はいつ実行委員になったんですか?」
村越「何をおっしゃいますか!我々は運命共同体でしょうが!?出し物決めの時も協力してくれたではないですか!?」
弘人「あれは、巻き込まれただけだ!」
心優「そうだそうだ!」
村越「えぇぇ……。拙者と協力して文化祭を盛り上げて、楽しい青春を過ごすのは嫌というのでござるか?」
弘人「嫌だ。(キッパリ)」
村越「どえぇぇぇぇ!!!じゃ、じゃ、じゃじゃあ!ボイン様は?ボイン様は拙者を見捨てないでくださいますよね?」
心優「え、えーっと……ちょっと遠慮したいかなー……。」
村越「みいいぃぃぃぃぃ!!!」
奇声をあげながら村越は椅子から転げ落ちた。背中からいったので一般人なら脊椎とかが心配だが、村越なら大丈夫だろう。
心優「村越くん大丈夫!?」
村越にもちゃんと心配してあげるあたり、やっぱり心優はボイン様なのだろう。
村越「ふふふ……。そう言われると思いまして、もうすでに先生に提出済みなのですよぉぉ!!!」
鬼の首を取ったかのようにポケットからくしゃくしゃの紙を天に掲げている。
よく見るとその紙には文化祭実行委員会メンバー表と書かれいる。
こいつ無断で提出しやがったな!
村越「さぁさぁ。わたくしと存分に青春を味わいましょうぞぉぉ……。」
弘人&心優「えぇー……」
こうして文化祭実行委員会は最悪な始まり方をしたのであった。




