お米ラテ 実食
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村越「すみません。少し取り乱しておりました。」
青いランプの下に二人を席に座らせた村越が合流する。流石に1人で4つのドリンクを持つことはできなかったので助かった。
村越「それにしてもあの女性。なかなかパワフルな方ですな・・・・・・。」
弘人「ほんとだよ・・・・・・。心優困ってなかった?」
村越「最初は戸惑っていた様子でしたが、今は普通に女子トークに花を咲かせていますよ。」
弘人「さすがの順応力だね。」
心優はああみえてかなりお姉さんである。近所の子供たちの面倒や農業の手伝いなど、老若男女から頼られる包容力と順応力を持っている。まぁお姉さんというよりおばあちゃんに近いのかな?
店員「お米ラテ4つになりまーす。」
店員さんが満点の笑顔で完成したドリンクを差し出してくれた。
さすが陽キャだけがアルバイトを許されるスタベの店員さん。惜しむことなくその自信に満ち溢れたスマイルを提供してくださる。あ、ディスってないからね?
青いランプに照らされた非日常な空間にそのスマイルは男なら誰しもキュンとしてしまう。
ドリンクを村越と2つずつ持ち、席に向かうと心優と例の女が楽しそうに話していた。
心優「えー。意外だよー。」
見知らぬ女性「そんなことないってー!えへへー。」
秒で仲良くなっている。幼稚園生でももうちょっと打ち解けるのに時間がかかるだろうに。
弘人「お米ラテ買ってきたよー。」
心優「お米!!!」
お米と聞いて目を輝かせた心優の前にドリンクを置いて、席に着く。
さっきまで心優と楽しそうに話してた例の女が急に表情を変えた。
見知らぬ女性「なんであんたがここに座るのよ。」
弘人「それはこっちのセリフですけど!?」
村越「まぁまぁお二人とも落ち着いてください。」
心優「そうだよ!お米の前で喧嘩することは殺人の次に悪いことだよ!」
弘人「そんなに!?」
心優「未可ちゃん。弘人くんとも仲良くしてくれないかな?」
見知らぬ女性「うー・・・・・・。心優たんがそういうなら・・・・・・。」
この短時間でよく手なずけたものだ。ってか心優たんってなんだよ。
心優「ほら未可ちゃん。自己紹介して。」
未可「友永未可。よろしく。」
お米ラテのストローを両手でいじりながら伏し目がちに口を尖らせる。
心優「弘人君もだよ。」
弘人「お、おう。近澤弘人。よ、よろしく。」
改めて自己紹介をすると案外照れるものだ。気がつくと友永と同じポーズを取っていた。
心優「うん!じゃあもう友達だね!ではでは、お待ちかねのお米ラテをみんなで飲もう。」
自己紹介の準備をしていた村越が、一瞬絶望の顔を浮かべたが持ち前の切り替えの早さでお米ラテに手をつけた。
村越「それでは、この村越亮が乾杯の音頭をとらせていただきましょうぞ!」
ちゃっかり自己紹介をぶっ込んできた村越が勢いよく立ち上がる。
しかし既に3人はお米ラテに口をつけていたのでしぼんでいく風船のように村越は座り込んだ。
心優「おいしいぃぃぃ~~~~♡♡♡」
村越の着席と同時にお米ラテを一口吸い込んだ心優が歓声をあげる。もうオシャレなスタベの店内という本来の姿はどこにもない。
未可「でしょー!?めちゃくちゃおいしいよね!?」
心優「うんうん!お米の本来の甘さが引き出されてるよ!時々口の中に入ってくるお米がアクセントになるね!」
お米のこととなると心優のテンションは急上昇する。本当にお米が好きなんだな。
村越「おぉぉぉぉ。これがツバサちゃんが飲んだラテでござるなぁぁーー!この液体がツバサちゃんの体内にぃぃぃーー!!くぅーーー!!」
こっちはこっちで違う楽しみ方をしている。気持ちが悪い。
ツバサちゃんがレポートしていたという事を除いて味の感想を言うと正直そこまでおいしくはない。
お米の本来の甘さは確かにあるものの、時々ストローからせり上がってくるお米が邪魔だ。
まぁ、こんなこと口が裂けても心優には言えないけど。
未可「お米も新潟産のコシヒカリを使ってこだわってるんだよ!」
心優「そうなんだー。だからおいしいんだねー。」
女子が夢中でちゅうちゅうと白い液体を吸っている姿にリビドーを感じざるを得ない。って何言ってんだ。




