プロローグ 〈ニューデイ〉
シリアスなやつが思いついたから書いてみた。
更新頻度は亀よりも遅いけど多めに見てください……
「はぁ……はぁ――――」
街灯のない世にも珍しい田舎のバス停。
小刻みに震えた吐息が深夜を回った時間、人っ子一人いない澄んだ空気を震わせた……
「あ、おっ、俺の体ッ……が」
時代についていけてない男は一人、携帯の画面を頼りに地面を這って進んでいた。
人間の適応能力は驚愕ともいえる――――だが、どんな環境でも適応して見せるその能力は……
「ぐぅ……ぁ!!ぎぃッ」
その場に立ち会わせていたなら一生残る〝残酷な記憶〟となって刻まれていただろう……
暗闇に慣れ始めてしまえば男の体の部位が二つしか残っていないことが理解できてしまうだろう。
男の進んできた道を指でなぞれば真夜中の冷気に当てられた張り付くような液体がべったりとこびり付いて離れないだろう。
「――――は、はは……」
力なく零れた掠れた笑い声。
「死ぬって感覚はこんな感じなのか」
普段ならば吐き出すようなストレスを諦めで落ち着かせるような。
普通ならば何もかもを捨てて走り去ってしまいたくなるような恐怖に対して、虚無という形で受け入れてしまえる。矛盾のように感じるが、意味もなく納得してしまえる理不尽なまでの落ち着き。
「あぁ……もう思い出すことも―――――――」
理不尽極まりないほどに押し寄せる〝無〟を受け入れ、男は息を引き取った。
手入れがされていない雑草たちは〝朽ちていた〟
何かを示すように倒れているが、視線の先には何も残ってはいない。
あるのは一つの歪な影だった。
胴体、下半身、右腕、頭部だけが残っているようにも見えなくもない――――正体不明の影だけが……
これだけ読んで「面白くなりそう」と思ったら、好みや性癖に刺さるかもしれぬ。
最高にサイコな感情をさらけ出すつもりなんでよろしくぅー