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レモンの入れもん
「いや、なんでやねん」
俺は机の上に置かれたレモンを見て言う。
誰もいない教室、虚しく俺のつぶやきは蝉の鳴き声に
かき消されてゆく。
俺の名前は南藤万里
今日は土曜日なのに学校に来てしまったのだ。
自転車で学校に行く時、誰もいなかったからもしかしてとは思ったけど...
ペエン!
俺は机の上のレモンに八つ当たりする。
レモンは放物線を描き、最近綺麗になった床に落ちる。
うわっ、やってもた!床汚れたんちゃう?!
慌てた俺はレモンが落ちた床の辺りを覗く。
すると、少しホコリのついた机の足の横から
黄色い象が飛び出してきたのだった。




