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第5話 農業生活、ここは異世界。

深まる異世界への知識、でも地球だからだいたい一緒。

『起きろコラァァ!!バカ勃起ィィィ!!!!!』

バッシャァッ!!


『キエエエエエエエエエ!!!!!』

こ、この女神!朝からバケツで水かけてきやがった!!


『なにしやがる!このバカ野r『もう朝の4時だぞ!!収穫の時間だ!!行くぞ!!!』


収穫…?あぁ、そういやそんなこと言ってたな…

仕方ない準備しよ…ってなに準備すりゃいいんだ?



困惑していると家のドアが力強く開かれアレスが入ってきた、

『おいウェヌス!起きてっか!!』


『ったり前だぜ!じーちゃん!見てくれ!勃起に手足が生えたんだ!!言った通りだろ!!』



アレスは心底驚いた表情で、

『ほぉ〜!ウェヌスの言ってたことは本当だったか!めっずらしぃ!異能だな!!身体再生か!!』



異能…?そういや昨日女神が言ってたな、稀に現れる特異な能力だったか。本当は女神の加護によるものだが、こうした方が都合がいいんだろう。

とにかくここは話合わせなきゃな!



『ええ、生まれつきこの体質なんです。だから身体の頑丈さや耐久力には自信あるんですよ!』



アレスは嬉しそうに笑い

『そうかそうか!じゃあいぐらこき使っても大丈夫ってことだな?疲れないんだもんな!』



『もちろん!!』

アレスには感謝している。空から落ちてきた畑破壊者の俺たちを助けてくれて、家まで貸してくれている。少しでも彼ら夫婦の力になりたい。



アレスは思い出したように

『しまった、グッティの作業着ば用意してやらねぇと!!ウェヌス!段取りをグッティに教えてやってぐれ!ちょっと家までとってくるから!』



アレスは母屋まで走っていった、元気な爺さんだ。ところで

『女神、お前ウェヌスって言うのか?』



女神は半ば呆れた顔をして

『そうだよ、つーか聞くの遅くねぇか?普通は一番最初に聞くもんだろ。いつまでも種族名で呼びやがって…ま、構わないんだけどな!ウチはウェヌス・メガミって名乗ったからw』



え、女神いけるなら山口もいけたんじゃねぇか?

それよりも

『そっか、じゃあウェヌス、さっそく段取りを教えてくれ』


ウェヌスは頷き、

『よっしゃ!まずは稲刈りだぞ!そのあと畑に水撒きだ!!それに今日は畑を耕すぞ!!!』



盛りだくさんだな…アレスはこれを1人でやってるのか?

ウェヌスは楽しそうに言ってるからきっと楽しいことなんだろう。


そんなことを考えていると、アレスが作業着を持って戻ってきた。

『おし!行くぞおまえたち!』










3分ほど歩くと田んぼが見えてきた、こういうとこは元の世界と変わらないんだな…稲がめっちゃ光ってるのは気になるけど…

『ところで、どうやって稲刈りするんですか??』



アレスは得意そうに

『なんだ、見たごとねーのか?仕方ねぇなぁ!やってもらおうと思ってたんだが…』



アレスは突然右手を額の前に出し

『切り裂け…鋭く…早く!かまいたち!!』



手を地面と水平にし、勢いよく腕を振ると空間から2、3の斬撃が飛び、稲を根本から切り裂いた。



それを確認したウェヌスが手を大きく広げて、

『吹き上げてぇ!ブロウ!』


すると、切られた稲の下から風がつよく吹き上げて持ち上げる。

そのまま倉庫の中に飛んで入っていった。



『すげぇ…これが魔法か。』

思わず口をついてでてしまった。つーかよ、ウェヌスお前って確か…

『ポジティブ魔法しか使えないんじゃなかったのか??』



ウェヌスは誇らしげに

『勉強したらできるようになった!!魔法は楽しいぞ!!勃起は魔力ないからできねーけどなww』


ついでに煽ってきやがった、一言余計なんだよお前は。




『なんだグッティ!魔法使えねーのか!!』

アレスはかわいそうなものを見る目で見てきた、ウェヌスはニヤニヤしてやがる。ウザい。



『えぇ、魔力がないみたいなんですよね、どうやら。』



アレスはかわいそうに…と呟きながら、右手を上げ

『来い!!!』

と叫び、指をパチン!と鳴らすと、上からクワが落ちてきた。


ナニコレスゴイ。カッコイイ。


『魔法ができねぇと農作業は厳しいんだ、でも何もしないってのは寂しいだろ?ここから少し行ったところに耕してねぇ土地があるんだ、そいつで掘り返してきてくれ。』




自覚なかったけど魔法が使えないのって結構痛いな…助けてくれた人にさらに気まで使わせてしまうとは…。

しかし手伝うことはできるんだ…!ここは元気よく!

『わかりました!!行ってきます!!』









まだ慣れない足でしばらく歩くと、山道に続く道のとなりに平らで大きなスペースを見つけた。アレスが言ってたのはここだろうな。


さてと…

『ウオラァッ!!』

光る雑草めがけてクワを振り下ろすと、草と地面から光が漏れ出す、これってなんなんだろう。あとで聞いてみよ。





15分ほどクワを振り続けただけで、俺の身体は限界を迎えた。ヤバい…めっちゃ辛い…。


疲れて地べたに腰を下ろした時、自分の身体の異変に気付く。あれ…若干だが太くなってないか?

そういえばウェヌスが言っていたな、能力・筋肥大は筋トレ効果を高めるとかなんとか…。



まさかこんなに早いとは思わなかったな…。しかし筋肉がつけばそれだけ大きな力が扱える。それに筋肥大は出力の調整もできたはずだ…!


よし、今日から筋トレしよう。とりあえず今はクワを振り続けるぞ!!




AM7:00頃



3時間ほど疲れた身体にムチ打ちながらクワを振り続けていると、収穫を終えたウェヌスが朝食に呼びにきた。


『おい勃起ぃ!朝メシだ!もどるぞ!!この後は家畜たちのお世話だ〜!!!!』




ウェヌスは気づかなかった、俺の見違えるほどの変化に…。四肢がなくなる前に体が既に戻りつつあるんだ。いくらなんでも異常だ、筋肉ってタンパク質で作られるはずだろ、俺は今朝に一週間ぶりに一食食べただけだ。それも肉なし。


きっと何か秘密がある…聞いてみるか

『なぁウェヌス、俺の身体さ、もう元の状態に戻ってるんだ』


『よかったじゃねぇか!治りはやくて!』



なに呑気なこと言ってやがる、

『俺の身体ってなにでできてんだ?食べてないのに筋肉ついてるし、腕や足の形もなんか変わっちゃったし…』



ウェヌスは手を顎に当て考えている、

『何でできてるかはわかんないなぁ、勘だけど魔力とか吸ってそうだよねw、そんで形が変わったことについて言えば、


たぶん、異能を得たことによる進化…だと思う。』




異能を得て進化??うーん、よくわからん。

『どゆこと?』



例えばね!とウェヌスが説明を始める、

『ゲームとかでさ、炎を使う人って自分の炎で火傷したりしないじゃん!それってさ、きっとそういう風に身体が進化してるんだと思うのよ!!』



たしかにそんなマヌケなやつ、みたことないかも。


ウェヌスは続ける

『勃起の筋肉も同じでさ!パンチ使うから手が大きくなって、高くジャンプするから足が長くなったんだよ!壊れにくくなるようにね!』



なるほど、わかりやすい。しかし失うたびに長くなるとかだったら嫌だな…手が足先まで届いたりすると気持ち悪い。今でさえ直立して指まっすぐ伸ばしたら、膝に届いちゃいそうなのに。


というか、

『お前、俺の身体の変化に気づいてたんだな。』


ウェヌスはキリっとして

『ウチが治してやってんだ!それくらいわかるっての。』





母屋に行くと、ニーナが朝ごはんを作って待っていてくれた。

アレスは食べ終わったのだろう、新聞のようなものを見てる。


朝ごはんはパンと牛?乳にベーコンのようなものと目玉焼き。元の世界で食べていたものと似たものがあり、俺は嬉しかった。



俺は母屋に来たのは初めてだ、あたりを見回してみると居間にはテレビが置いてあった。こういうのはあるのか…。



せっかくだし点けてみようと思ったが、スイッチがない。というかコンセントもないし…。


困っている俺をみてニーナが、

『あら、魔映鏡(まえいきょう)使ったことないのかい?まあ今時の子は珍しくないか、戦争で大変だもんねぇ。

これはね?箱の上から魔力を流して使うんだよ。でも最近は色々大変みたいでね、点けてもなーんにも映らないよ。』




この世界では魔映鏡っていうのかテレビ、覚えとこ。

しかし何も映らないのは不便ではないか、

『ニーナさんは外の天気の変化などは気にならないんですか??』


と、ふと考えついた疑問をぶつけてみる。

ニーナは笑いながら

『全然大丈夫よ、わたしにはアレスがいるから、ねぇ、見せてあげておくれよ』



『仕方ねぇなあ』

とアレスはため息をつきながら重い腰をあげウッドデッキに向かった。

『おいグッティ、ウェヌスも呼んでこい。おもしれぇもん見せてやるからよ』



『了解です!』

そういやウェヌスどこいったんだろか、朝食の後すぐに姿消したな。ウェヌスを探して母屋を歩いていると庭で猫と戯れている姿が見えた。



嫌がるウェヌスを引っ張ってアレスのもとに行くと、

『来たな、おめぇら。んじゃ、さっそく行くぞ…ウェザー!!』

と叫び右手をあげる、その後

『レイン!!』


とアレスが叫ぶと空から大雨が降って来た、外にいた俺たち3人はビショビショだ…なにしてくれとんねん。


『お次はこうだ!灼熱!!』


次はセミが鳴いていそうな真夏日だ、隣でウェヌスが溶けていってる。


『これで最後だ!スノー!!』

空から小さな雪の結晶が降りてくる…



なるほど、これはひょっとして

『異能、ですか??』



『その通り、昔はブイブイ言わせてたもんよぉ!ハハハ!!!なぁニーナ!』


えぇ、とニーナが頷く。

『アレスの異能があるから天気は気にしなくていいの。それにこの人今は農家だけど昔は大国の兵士長だったのよ?』




元軍人だったのか、軍の役職はよくわからないけどなんかすごそう。


『なんでもいいけど早く乾かしてよじーちゃん、ウチ風邪ひいちゃうよ…』

ウェヌスはぐったりきてるな、気候の変化に弱いのだろうか。



『おお、すまねぇすまねぇ!今乾かすからよ!』

アレスは指で体の前に大きな円を描く、そして


『ドライ!』

描いた円から強い温風が発生し、たちまち作業着を乾かした。魔法ってほんと便利。



『さ!今から家畜のとこ行くからよ!絨毯(じゅうたん)のところまで行っててくれ!!ウェヌス、グッティを案内してやってくれ』



今、アレス絨毯って言わなかったか…?あるのか!?この世界には魔法の絨毯が…!


ウェヌスに連れられて行ったそこはどう見ても物置だった。それも俺の背丈より少し大きいくらいのやつ。だいたい180くらいかな。つーかこんなとこに入ってんの絨毯。



そこに遅れてアレスがやってきた、

『おし、お前ら準備できてるな?でてこい絨毯!!』


掛け声とともに物置の扉が勢いよく開き何かが飛び出した!これって…座布団か?座布団が三枚出てきた。



『よっしゃいくぞ絨毯!』

アレスは座布団に乗りそう言った、なんとも言えずウェヌスを見たがすでに乗っており、シラーっとしていた。恐らく初めてじゃないんだろう。



俺たちは座布団に乗り家畜のいる牧場をめざした。






長いので一度ここで終わり。

なげぇ!

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