表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harmony~調和~  作者: 水梨 瑠伊
5/5

4話 目標

その瞬間、部員たちがざわついた。


昔、薊第二中学校吹奏楽部は全国大会常連校の超強豪校でこの辺りではとても有名だったらしい。

その頃、顧問を務めていた先生が10年前に産休、育休で部活を離れてからコンクールの成績はだんだんと落ちていき、部員数も減りこのような状態になっている。

そして、今も音楽室にはその10年前の栄光の証として、全国大会の写真とトロフィーが飾られているのだ。


「全国大会、か。本気でやる気があるなら、先生はそこまで連れていけるような練習をする。

だが、それは1人で決められる事じゃない。今日はこれで解散にするから三年生で話し合いをして、明日結果を話に来なさい」

厳しい口調でそういうなり、先生は音楽室を出ていった。

少しずつ一、二年生たちが帰り始め、取り残された三年生たちに沈黙が広がる。


「とりあえず、さっき綾子の目標聞いてなかったから聞きたいんだけど」

そう言ったのは、部長の日葵。ユーフォニウムを吹いている。

突然私に話が回ってきて内心ビクッとしながら平然を装い、私は答える。

「私は、コンクールとか全国大会とか明確に目標は決まってない。けど、人前で納得のいく演奏をしてみたい」

ずっと頭の中で考えていたことを思い切って言った。

奈実ほど凄い目標では無いけど、もともと人見知りで目立つのが嫌いな私にとって、初めて言った正直な気持ちだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ